1. TOP
  2. Alibaba JAPAN PRESS
  • この連載の第83回で、印刷業に携わる中小企業が「himekuri」と名づけた画期的なカレンダーを開発・販売している事例を取り上げていましたね。街の印刷会社が厳しい環境にさらされるなか、「だったら、みずからの能力を生かしたオリジナルの商品をつくり、新たなビジネスを立ち上げよう」というのが、「himekuri」開発の出発点でした。そして見事に答えを出した。現在では海外にも販路を築いているほどです。 業界を見渡すと、同じような思いで新商品開発に活路を見出そうとしている印刷会社がまだまだありました。今回は、東京・千代田区の研恒社の話です。創業は1970年といいますから、50周年を超えています。同社は印刷に留まらず、出版や校正といった業務にも幅を広げてきたそうです。とはいえ、やはり印刷業を取り巻く状況は明るくありません。同社の2代目は2011年に社長に就き、自社ブランドの商品づくりに乗り出します。 今回お伝えする「SlideNote(スライドノート)」はその一例であり、2020年12月に発売となった商品です。謳い文句は「文具業界初の金属クリップ使用のスライド式リングレスノート」というもの。A4とA5の2サイズがあって、値段は1760円〜です。もう少し説明しますと、「SlideNote」という商品自体は樹脂製のバインダーです。中に収める用紙は別売となっている。いくつものパターンの用紙を同社のECサイトで購入できますが、それを買わなくても普通のコピー紙を挟み込んでも構いませんし、サイズさえ合えばどんな紙でもファイリングできる格好です。 皆さんもきっと一度は使ったことがあるだろうルーズリーフを思い出してください。ファイリングする用紙には左端に小さな穴がいくつもついていて、それを使ってバインダーに固定しますね。一方、この「SlideNote」は、穴あきの用紙である必要がない。だから、紙であればなんだって挟めるわけです。

  • 新型コロナウイルス(以下「コロナ」といいます。)は、企業の活動に深刻な影響を与えています。コロナの影響により経営が窮状に陥り、破産を余儀なくされたという事案も少なくありません。 しかし、企業が事業継続を断念し、破産により消滅してしまうことは、従業員にとっては職を失うことを、仕入先にとっては得意先を失うことを意味し、少なからず地域経済に対するマイナスの影響が生じます。そこで、今回はコロナによって影響を受けた企業が、破産を回避するために検討すべき策について解説します。

  • 今回取り上げるのは、中小企業ではなくて、ある百貨店の取り組みです。「この連載のタイトルにたがうのでは?」と思われるかもしれませんが、どうかお許しください。なぜわざわざ、そんな話を綴るのか。もちろん理由があります。この百貨店がなしていることは、流通・小売企業に限らず、多くの中小事業者にとって、いくつものヒントを得られる事例に違いないと考えたのです。 この事例を通して皆さんにお伝えしたい内容を、最初に申し上げてしまいますね。まず、「消費者に情報を伝えきるには、どうすればいいか」。次に、「ライバル企業が多く、しかも成熟した領域で販売促進をなすには、どんな姿勢が求められるか」。この2つです。 大都市圏にある最大手クラスの百貨店の話なのか。いえ、違うんです。九州・熊本の老舗である鶴屋百貨店が今回のテーマです。 百貨店業界は、ただでさえ時代の変化に直面して厳しい状況だったのが、このコロナ禍で、さらに逆風にさらされています。とりわけ地方都市では百貨店の閉店が相次いでいるほど。そうしたなかで、鶴屋百貨店は踏ん張っています。 百貨店の企業別売り上げランキングを見ますと、東名阪の企業が上位にずらりとランクインするなかで、鶴屋百貨店は20位に割って入っている。確かに熊本を代表する百貨店ではありますが、周りには巨大ショッピングセンターがいくつもできている。それでも大健闘しているということ。しかも、昨年度(2020年度)、多くの百貨店が前期比で30%から40%程度売り上げを落としたなかで、21%ほどの減収に留まっています。 さらに……。いわゆる「リベンジ消費」(コロナ禍で制約を受けていた消費者が、感染者減少を受けていよいよ購買行動に走り始めた現象)をめぐって、鶴屋百貨店から興味深い話を聞きました。今年(2021年)秋以降、大都市圏の百貨店ではリベンジ消費の動きが売り上げ増をもたらしていますね。ただし、地方の百貨店はそこまでではない、ともいわれています。では、熊本の鶴屋百貨店はどうだったか。 「実は昨年(2020年)の秋時点でもう、リベンジ消費を肌で感じていたんです」 宝飾品や腕時計といった高額商品がすでに動き始めていただけでなく、「大道産子市」と銘打った北海道物産展は、昨年秋に開催した回が、なんと過去最高の売り上げだったそうです。そして今年の「大道産子市」は、その昨年を超えて最高更新だったといいます。 もちろん、コロナの感染状況をはじめとした、この地域ならではの要因もあるでしょう。でもそれだけでは説明がつかない。私の見立ては、そもそも平時から鶴屋百貨店はなにかを仕掛けていたのではないか、というものでした。で、尋ねてみると、やはりそうでした。ではなにを? それが今回のテーマなんです。 冒頭の画像をご覧ください。これ、鶴屋百貨店が毎週、およそ3万5000人の会員向けに配信しているメルマガなんです。「Yakkoの『鶴屋で発見!』」というタイトルで、毎回、鶴屋百貨店で売られている意外な実力派商品を紹介するというもの。 いやいや、メルマガなんていまどき、どこの百貨店でもやっている話でしょう。そう思うかもしれませんね。でも、この「Yakkoの『鶴屋で発見!』」のことを知れば知るほど、私はうなるばかりでした。順番に説明していきます。

2021.12.22

変化し続ける決済手段の今後について

消費者が商品購入やサービス利用をする際には必ず支払いを行う必要があります。インターネットでの取引においてはクレジットカード決済や代引き(現金決済)、店舗での取引においては現金や電子マネーといった決済手段があります。 本稿では、消費者ニーズとともに変化し続けてきた決済手段とそれを実現するためのしくみ、今後の展望について流通小売業の観点で解説します。

2021.12.17

人材のキャリアアップをするなら、
「キャリアアップ助成金」を活用しよう

「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規で働く人のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善に取り組んだ場合に助成される制度です。国にとっては雇用者の雇用促進や雇用条件の向上に繋げるために助成を設けているのですが、事業者にとっても、労働者の意欲や能力を向上させて事業の生産性を高めることや、優秀な人材を確保することができるメリットがあります。条件に合致し、かつ必要な書類が提出できれば必ず受給でき、返還義務もありません。 そのため、有期雇用労働者等の処遇等を検討している場合は、ぜひ活用することをお勧めします。具体的にどのような場合に受給できるか、みていきましょう。

2021.12.10

自律開発力で攻め入ろう!
(株式会社ケープランニング)

ちょっと前の話になりますが、香川の高松丸亀町商店街を取材したことがあります。郊外型ショッピングセンターの台頭によって全国各地の商店街が逆風に苦しむなか、この高松丸亀町商店街は見事に再生を果たしたことで知られています。どのように再生を遂げたのかは今回省きますが、商店街の常務理事が語ったある言葉がいまも印象に残っているので、それをここでお伝えしたいんです。 「商店街に並ぶ店舗の2割でいいんです。2割の店に『商品を自律開発できる力』があれば、この商店街は元気を取り戻せる」 いや、その2割の店舗を確保することこそ難しいのでは? 「そんなことありません。コロッケが熱々の精肉店、おかずの盛り付けが大胆な食堂……そうしたケースだって、十二分に『自律開発力のある店』と言えるんですよ」 ああ確かにそうですね。さらに言うと、なにも自分で商品を作っている店に限ったことではなくて、たとえば酒販店が独自の目利きで隠れた銘酒を発掘して販売するというのだって、これまた自律開発力のなせる業です。実際、そうやって人気を得ている個人経営の酒販店は存在しますしね。 つまり、すべてのありとあらゆる業種で、とまでは言いませんけれど、商品を仕入れて売ったり、あるいは受注待ちが常であったりする事業者でも、やり方によっては商品の自律開発力を獲得することは可能かもしれない、という話です。 で、ここからが今回のテーマなのですが、紙のカレンダーです。このコラムの第39回でもカレンダーを取り上げていましたね。カレンダーの国内市場は1990年代前半がピークで、それからは年々2〜3%ずつ減っている。そして現在では、全盛期から見ると30%ほど縮小している。そう綴りました。ひとつにはデジタル化の影響、またひとつには法人需要(年末の挨拶で取引先に配布するような)の減少が要因でしょう。 そうしたなか、大健闘している商品があります。ページ冒頭の画像をご覧ください。これがそのカレンダーなのですが、いくつもの仕掛けがあるんです。

2021.12.08

光る!BtoBのメーカー営業とは

「メーカー営業」と聞くと、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。「メーカー営業」とは「ルート営業」、つまり、既存の顧客へ定期的に訪問し商談する営業活動を思い浮かべる人が多いです。ルート営業では、新製品の提案もしますが、基本的にはすでに購入してもらっている製品のフォローが多いことから、売上を大きく伸ばすというよりも、維持から微増を目標としており、営業マンごとの差別化要因はそれほどないようにも思えます。しかし、実際にはルート営業が主体のメーカー営業においてもトップ営業マンが存在し、新たな成約を勝ち取ってくる人材がいます。 では、成約を勝ち取ってくる光るメーカー営業マンはどのような特長があるのか。この記事では、BtoBにおけるメーカー営業に焦点を当てて、光るメーカー営業マンになるポイントを解説します。

2021.12.03

企業が従業員の副業を認める際の必須ポイント:
社会保険・健康管理編

前回のコラムでは、企業が従業員の副業を認める際に検討すべきこととして、 ① そもそも従業員の副業は認めなければならないのか ② 副業を認める場合の就業規則の規定 ③ 副業を認めた場合の労働時間の管理 について説明しました。 しかし、これら以外にも企業が副業を認める際に検討しなければならないことは多く存在します。今回は、企業が従業員の副業を認める際の社会保険や健康管理について解説をしたいと思います。(なお、本稿では社会保険とは、厚生年金保険、健康保険のほか、労災保険、雇用保険を指すものとします。また、本稿では「副業」とは主たる勤務先以外と雇用契約を締結することをいうものとします。)

2021.11.29

続・そもそも「どうあるべき」なのか!
(株式会社東京商工社)

このコラムの第30回で、秋田の伊藤漬物本舗が開発した「いぶりがっキー」という商品の話をしました。地元・秋田の土産物はどうあるべきか、を考え抜いたすえでのヒットでしたね。重くて大きいという秋田土産の欠点をどう解消し、なおかつ、秋田特産のいぶりがっこをそこにどう生かすかの勝負でした。 「その商品はそもそもどうあるべきか」という原点に立ち戻る作業が大事なのは、なにも地域発の商品に限ったことではありませんね。いつも私がこの連載でお伝えしているように、新製品やサービスの開発では、他社との差別化などを強く志向するより、むしろ有効な手立てであると思います。 前回も綴りましたが、差別化というのはえてして、すでに存在する他の商品を気に留めすぎるあまり、無理やりにでも違いをつくり出そうとする結果を招きがちなんです。そういう意味で言いますと、少なからぬコンサルタントや研究者が「差別化こそが大事」と語っている現状には、私は疑問を抱いています。よその商品に惑わされる前に、まず自分の強みを見直しましょうと言いたくなりますからね。差別化というのは副次的に現れる産物のようなものであり、それ自体をゴールとしてしまっては、往々にして袋小路にはまってしまうものです。 「マーケットイン」信奉をもうやめたほうがいいと私がしばしばお話しするのも、同じことです。顧客が大事なのは間違いないところですが、顧客の顕在化したニーズにばかり振り回されると、強い商品を編み出せる可能性は低くなります。これもまた、よそを見るより真っ先に自分自身を見よ、という、マーケティングの根本に関わる話です。 「誰がなんと言おうと、私はこの商品はこうあるべきであると考える」という旗を掲げると、取引先や消費者との対話がそこから始まります。こうした旗を作り手が最初に掲げてこそ、商品ヒットの素地が生まれるわけです。 で、今回取り上げたい商品です。災害に見舞われた場面であると助かる非常食がテーマ。えっ、いまさら非常食の話?と思われるかもしれませんね。ここ十数年の進化で、味もバリエーションも多岐にわたっていますし、もはや成熟商品の領域にあると表現してもいい。 非常食に関して私がことあることに伝えているのは、「普段食べ慣れているものに近い味であるべき」という考えです。もう15年ほど前、専門家に取材した折にそう指摘されて、なるほどと膝を打ちました。いつもの味がそこにあれば、被災した場面で心身ともに救われますからね。

2021.11.26

利益アップに欠かせない!経営の重要指標の
「限界利益」と「貢献利益」とは?

言うまでもなく、経営において「売上」と「利益」は非常に重要です。片方でだけでは経営は成り立たず、企業存続のためにどちらも維持・向上させていくことが求められます。ただ、実態として、売上にばかり気を取られてしまうケースも決して少なくありません。「売上は上がったけれど、思ったほど利益が伸びない」という困った事態に陥ったことのある経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。 この記事では、利益向上に欠かせない「限界利益」と「貢献利益」の考え方についてご紹介します。

2021.11.19

SDGsで儲けるために大切なこと

東京オリンピック・パラリンピック2020が終わり、私の活動エリアである関西圏では、2025年に開催が計画されている2025年大阪・関西万博への機運が高まりつつあります。次の万博のメインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」と設定されており、多様性と包摂性のある社会を実現することを究極の目的としています。つまり、SDGsの考え方と合致しているわけです。そして、開催意義の中にも「SDGs達成・SDGs+beyondへの飛躍の機会」としっかりと記載があり、SDGsの達成にとどまらず、その先に向けた姿が今回の万博の中で示されることも期待されています。 会場は、一地方都市である関西圏での開催になっていますが、世界の持続的発展に対する日本の発信力・行動力が試されています。また、その経済効果についてもアフターコロナの目玉として経済界からも期待されています。この新しい潮流をビジネスチャンスとするために、私たちも取り残されないようしっかりとキャッチアップしていきましょう。

2021.11.15

真の危機はいつ訪れる!?
(南砺市観光協会と地元観光業界)

今回は私自身が携わっている案件を綴ること、お許しください。地方の官民連携プロジェクトの話なのですが、いま皆さんにその意味をお伝えすることが大事と思ったのです。 北陸・富山県に南砺市という地域があります。世界遺産の合掌集落がある里山で、新型コロナウイルスの感染拡大以前は、国内外からたくさんの観光客が訪れていました。でも、昨年(2020年)からは、言うまでもありませんけれど、客足はかなり途絶えています。 南砺市と南砺市観光協会は、この状況をもちろん深刻に受け止めていました。そして今年度(2021年度)、「南砺の宿ブラッシュアップ事業」を立ち上げることを決断します。 今年度に入ってまもない時期に、私のもとに観光協会から連絡が届きました。この事業のエグゼクティブ・プロデューサーに就いてほしいという依頼でした。大層な呼称ですが、要するに、南砺の観光業界(ホテルや宿、飲食店、お土産物店など)の生き残りに向けて、なんらかの知恵を出し、さらにはアイデアを形にするための実践に向けて走って汗をかけ、という話ですね。 私、最初はちょっと躊躇しました。これまで地方の官民連携プロジェクトに数々参画してきましたが、途中で迷走しそうになったり、最悪ではプロジェクトが瓦解してしまったりというケースに、たびたび出逢っていたからです。私なりの分析による、それらの理由は、後ほどお伝えしましょう。

2021.11.11

企業が従業員の副業を認める際の必須ポイント:
就業規則・労働時間編

スキルや経験を得ることで主体的にキャリアを形成できること、自分がやりたいと考えることができ自己実現に資することなどから、副業が注目を集めています。また、「働き方改革」の一環として、厚生労働省においても、副業の普及促進を図るための施策が行われています。このため、現在は従業員の副業を禁止しているものの、将来的には副業解禁を検討している企業も少なくないと思われます。 そこで、今回は企業が従業員の副業を認める際にどのような点に留意すべきかなど、副業を可能とする制度を導入するために検討すべきことのうち、就業規則の見直しや労働時間の通算などを中心に説明をします。

資料のご請求や
お問い合わせはこちら