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  • 企業が商品やサービスを販売する際、誰を対象にするかを検討する必要があります。この点について、これまで、「BtoB」と「BtoC」という考えが用いられてきました。「BtoB」(Business to Business)とは、企業を対象にするという考え方をいい、「BtoC」(Business to Customer)とは消費者を対象にする考え方をいいます。 しかし、最近企業でも消費者でもない新たなものが注目を集めています。それは、政府や地方自治体などの官公庁を対象とするもので、「BtoG」(Business to Government)と呼ばれています。今回は、このうち、主に地方自治体を対象とした「BtoG」について、説明したいと思います。

  • 「行動経済学」をご存じでしょうか。経済学の数学モデルをベースとし、そこに心理学的に観察された事実を取り入れていく研究手法であり、学問です。2017年にリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞した際にも話題になったので、関連書籍を読んだことのある人もいると思います。 「行動経済学」からは、ビジネスに適用可能な示唆が多く得られます。この記事では、いくつかの行動経済学の研究成果を参照しながら、それらをマーケティング戦術に応用する方法についてご紹介します。

  • 今回の原稿、分量がいつもより長めなこと、お許しください。ウイスキーの話なんですが、真にお伝えしたいのは、ウイスキーに限らず、それぞれの業界に長らく根づいている企業がなすべきことってなんなのか、というテーマです。ウイスキーに興味のない方にも、ぜひお付き合い願いたいと思っています。 国内のウイスキー業界は、この10年強で反転攻勢をみせていますね。2000年代半ばには「ウイスキー冬の時代」といわれ、右肩下がりの状況でしたが、その後、見事に市場復活。現在では、新規開設や稼働復活などを含めて、全国に40近い蒸留所が存在するまでになっています。 日本国内のウイスキー業界がたどってきた流れを、まずざっとご説明しましょう。 第二次世界大戦後、コメ不足に見舞われた時期、国内各地にあった日本酒の酒蔵は存続の危機に直面します。その状況を打開しようと、少なからぬ酒蔵はウイスキーなどの蒸留酒づくりに着手しました。そうした事情があって、いわゆる「地ウイスキー」と称されるような小規模生産のウイスキーが、かつては各地域に存在していました。 ところが、1989年、酒税法の改正によって、地方で細々とつくられていたウイスキーは壊滅的な打撃を受けます。等級制度が撤廃されたことで、従来の「2級」ウイスキーの価格競争力が削がれ、地ウイスキー生産から大半の酒蔵が撤退せざるをえなかった。さらに2000年代半ばまでの間、消費者のウイスキー離れが進みます。 ただし……。ウイスキー離れという状況下でも、実はシングルモルトウイスキーはそれなりにファンの心を掴んでいる事実もありました。そこを拠りどころにしたかのように奮闘したのが、第15回で綴ったベンチャーウイスキーです。また、大手酒造メーカーもウイスキーの手軽な飲み方を提案し続けるなどし、2000年代後半から、市場は盛り返しました。いや、盛り返すどころか、ジャパニーズウイスキーの実力が国内外で知られるにしたがって、新しくウイスキーづくりに参戦する蒸留所もぐんぐんと増えていきました。ウイスキー輸出額も驚異的な伸びですし、ここまでの活況となっているのは過去になかった話でしょう。 元来、ウイスキーづくりに新規挑戦するために蒸留所を新たに立ち上げるのは無謀ともいわれていました。かつての市場性もさることながら、初期投資を経て、最初の売り上げが立つまでに、例外を除くと、最短でもふつう5年はかかるからです。その間に入ってくるお金は、(短期熟成酒を販売しない限りは)まずありません。設備を入手し、人材を集めるのに1〜2年。製造免許の取得も不可欠です。そして原材料を買い求めたうえで、ここから第1号商品の発売に向けて糖化・発酵・蒸留・熟成するのにさらに原則3年かかります。 小規模であっても、そうした新規の蒸留所が多く育つことは、ウイスキー業界にとっていい話でもあります。そこに切磋琢磨があれば、それぞれの蒸留所がよりよい成果を築けるわけです。ただ、いま挙げたように、脆弱な経営基盤の新規蒸留所にとっては、決して平たんな道のりではありませんね。

2021.05.27

競合分析の手法について

競合分析とは、ライバル企業を調べ上げ分析することです。「競合のことなんて気にしない!自社は自社の路線で行く!」といった考えを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、競合のことを分析し戦略に活かせているかどうかで、事業の成功確率は格段に変わります。 なぜなら、市場における需要は無限ではなく、限界が決まっているからです。そのため、その限られた市場の中で競合とシェアを奪い合う必要があり、いくら製品やサービスを大量供給できたとしても、市場以上の需要は見込めません。そのため、競合分析を行い相手よりも優位な戦略を打ち立てることで、限られたシェアを勝ち取る必要があるのです。 しかし、競合分析をいざ行おうと思った際に、どのようにすすめれば良いかわからないといったことがあるかもしれません。そのため、今回は競合を分析する際の考え方や手法を解説していきます。

2021.05.21

コロナ禍だからこそ導入したい、電子契約の選び方

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、急速にリモートワークが普及しました。その中で、リモートワークを阻害する要因の一つとして取り上げられたのが「押印」業務です。民間企業だけでなく、官公庁でも押印書類の見直しが図られ、多くの書類から押印をなくす取組みが進められています。自社内の業務であれば見直しは比較的簡単にできますが、一方、他社と締結する契約書等は相手方の意向もあり、自社の一存だけでは押印をなくすことはできません。その中で注目されているのが電子契約です。 民法で定める契約は、口頭、書面等の契約方式によらず、双方の合意で成立します。しかし、口頭での契約は後々トラブルの元となる可能性が高く、法令や慣例により書面契約が求められるために、ビジネスでは契約書を取り交わすことが多いでしょう。それをメール等で契約書のやり取り等を通じて双方の合意を成立させれば、広義的には電子契約が成立します。 しかし、それらの方法は書面での契約書の取り交わしと比べて、法的拘束力はかなり低いといわざるを得ません。電子契約に書面と同等の信頼性を持たせるためには、それなりの仕組みが必要であり、電子契約をする場合は電子契約サービスを利用することが一般的です。電子契約サービスによりますが、多くの場合契約を締結する際は、契約を締結するためのURLをメールで相手方に送付し、相手方はそのURLからWEB上で必要な項目やサインを入力することになります。

2021.05.17

ここまで、あえて来てもらう意義!(亀屋革具店)

自慢めいた話から始めること、お許しください。上の画像、私の持ち物です。本革のビジネスバッグ。注文してから手許に届くまで、1年半近くも待ちました。サイズやマチ(幅)はもちろん、その色合いも相談したうえで製作してもらったバッグです。 ノートパソコンや周辺機器を入れてもまだたっぷり余裕があって、使い勝手が良好なのもありがたいのですが、何をおいても人に語りたくなるのは、そのデザインと風合いです。蓋のところの曲面づかいを見てください。美しいカーブを描いています。厚さ3ミリの本革を使っているからこそ、こういう表現が可能になるらしい。そして、このバッグ、ほぼ手縫いで仕上げられています。ミシンで縫うのは蓋のところだけで、あとは手縫い。職人さんからは「人にたくさん、ぜひ自慢してくださいね」と微笑まれました。 手縫いだと、メンテナンスの面で優れているのだそうです。仮にステッチが1カ所ほつれても、修繕が実にたやすいとのこと。また、繰り返しになりますけど3ミリ厚の本革だけに形がしっかりしています。「うちのバッグは壊れにくい。次の世代に引き継げますよ」と職人さんに言われました。私、このバッグを使い始めて3年目ですが、将来、息子にあげるのを楽しみにしています。それまでの間、革の風合いが少しずつ馴染んでいくのを大いに堪能したいとも思っています。 どこでつくってもらったカバンか。青森・弘前にある亀屋革具店です。大正4年(1915年)の創業で、現在は2人の兄弟が跡を継いでいます。財布や名刺入れ、トートバッグなども揃えていますが、ビジネスバッグに関しては注文から通常1年半待ちです。コロナ禍で注文が大幅に減っているであろういまでも、半年ほどはかかるそう。 で、ここからが大事なんですが、この亀屋革具店のビジネスバッグを入手するには、弘前まで行くしかないんです。支店なし、ネット通販なし(と言いますか、ウェブサイト自体なし)、百貨店などの催事への出展もなし。だからもう、美しい桜で知られる弘前城からほど近い場所にある亀屋革具店まで足を運ぶほかありません。それでもバックオーダーを抱えているほどなのは、ここのビジネスバッグが支持を受け続けていること、それと、手作業のため、月に7個くらいしかつくれない体制であることによるのでしょう。

2021.05.12

公正な人事評価を行うために

人事評価は、使用者である企業が提供された労務をどう評価するかの問題であること、評価項目は抽象的なものであることが多く、個々の評価の当否は法的な判断になじまないことなどから、人事評価は、企業に広範な裁量が認められています(東京地判昭和60年3月14日労判451号27頁など)。 しかし、国籍・信条・社会的身分(労働基準法第3条)や組合活動(労働組合法第7条第1号)など、法律で差別的な取扱いをすることが禁止されている事項を考慮したり、不当な目的や従業員間の均衡を欠いたりするような人事評価は、違法とされることもあります(例えば、対象期間外の言動を考慮した人事評価が違法であるとされたものとして、マナック事件(広島高判平成13年5月23日労判811号21頁)があります。) したがって、「裁量が認められる以上、人事評価が違法となることはない」と考えるのは危険であるといえます。

2021.05.07

「なに、それ?」を創出しよう!
(株式会社エピキュリアン)

前回、野川染織工業の話を綴りました。藍染めという伝統工芸の世界で奮闘する若き5代目の話でしたね。この5代目の頑張りを知ったのには、ひとつのきっかけがありました。「手仕事には、本当に価値があるのか?」をテーマに据えた鼎談がそうです。今回は、この鼎談にも登場するベンチャー企業の話をお伝えしましょう。エピキュリアンといいます。2017年の設立で、登録した会員に対してさまざまなプログラムを提供しています。 プログラムの事例をまずいくつか挙げると……。「知られてない!探してもない!“レア”すぎるシャンパーニュ」「想いを込めたオーダーメイドの美しい線香花火」といったふうに個別商品を購入できるプログラムもあれば、「美濃焼を伝承する理想的な工房で大物をいきなり作陶してしまおう」「お稽古場貸し切りであっという間に着物の着方を会得」というような体験型プログラムもある、という具合です。会員には週ごとに新しい2つのプログラムを紹介する仕組みになっています。 すでに数百人の会員登録があるといい、代表会員には高島郁夫さん(Francfranc代表取締役社長)や冨山和彦さん(経営共創基盤 代表取締役CEO)などが名を連ねています。こう聞くと、「なんだ、富裕層向けのプログラムサービスなのか」と感じられるかもしれませんけれど、実際は全くそうではないらしい。会員登録には所得などの制限はなく、20代から70代まで、会社員を含めて多様な会員がいると聞きます。 今回、この話を取り上げたいと思ったのは、同社の代表が掲げる消費行動への提案に、商品開発や販売促進をめぐるいくつものヒントが眠っているかも、と感じたからです。例えば……。代表はこういいます。 「人生を楽しむ幅が広がるきっかけとなるものは1000万円の時計ではなく、1本のみかんジュースだった、ということも大いにありえますよね」 そして同社のプログラムには、ああ確かにこれは飲んでみたいと思わせるみかんジュースを買えるものも揃えてある。私にはとても理解できます。豊かさとは必ずしも商品の値段の高さによってもたらされるとは限らず、数百円、数千円でもずっと大事にしたくなるものがありますから(余談ですが、次回記事の予告をしますと、私の心を揺さぶったビジネスバッグをつくる職人の話を綴る予定です。それなど購入前に予想していたのとは全く違って、私にも十分に手が出せる値段でした)。

2021.04.26

「新収益認識基準」のキーポイントとは?

令和3年4月1日以降に始まる事業年度から、大企業を中心に、「新収益認識基準」の適用がスタートしています。企業の収益の根幹をなす「売上」の基準を変えるという、インパクトのある制度変更です。ビジネスの現場に与える影響は決して少なくないと思われます。 大企業に勤務する方、特に営業職系の方なら、昨年度のうちに管理部門などから制度の説明を受け、準備を整えてきた方も多いでしょう。概要をQ&A形式でまとめてみましたので、ぜひ新しい会計基準について理解を深めてみて下さい。

2021.04.14

売り上げの「質」で守り、攻める!
(野川染織工業株式会社)

伝統産業が元気であり続けることの意味を、これまでもこの連載で何度か綴ってきました。第52回の高岡伝統産業青年会の事例もそうですし、第64回の中川政七商店の取り組みもそうでしたね。 で、今回は武州の藍染めがテーマです。埼玉県の羽生市で1914(大正3)年から100年以上にわたって藍の天然発酵建てによる染織を続けてきた、野川染織工業の話。武州の藍染めというと、剣道着の世界ではよく知られた存在といいますけれど、一般にはなじみが薄いですね。でも、面白い商品があるんです。それも生活に身近な感じられる1着が……。 「たももぱんつ」という愛嬌のある名なんですけれど、商品そのものは相当な本格派です。これは藍染めのイージーパンツ。肌ざわりがすこぶる良いし、身につけていてとても楽です。でも、藍染めの風合いのなせる業か、はいていて昂揚感すら覚えます。私はこれをテレワークの日に使っています。仕事場で過ごすのにちょうどいいんです。 もともとは股引(ももひき)だったんですね。田んぼで仕事する人たちがはいた股引が由来であるために、同社によるこのイージーパンツは、いつしか「たももぱんつ」と呼ばれ始めたいう話らしい。丈夫で虫除け効果も期待できるために、昔は野良着として使用されていたのが、藍染めの衣服です。かつて庶民がこぞって着用していたのを目にした外国人が、その色合いに感服して「ジャパン・ブルー」と名付けたという逸話も残っているようです。

2021.04.12

子育て中の女性を生かすには

令和元年に改正された女性活躍推進法により、現在は、常時雇用する労働者数が301人以上の事業主は一般事業主行動計画の策定と女性の活躍推進に関する情報公表が必要となっています。これが令和4年4月より、常時雇用する労働者数が101人以上の事業主にまで拡大されます。以下のそれぞれの区分から1つ以上選択し、求職者が簡単に閲覧できるよう情報公表しなければなりません。 (1)職業生活に関する機会の提供に関する実績(女性労働者の割合、管理職に占める女性労働者の割合等)(2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績(平均継続勤務年数の差異、一月当たりの平均残業時間等)

2021.04.09

BtoBマーケティングの基本とは

ビジネスを行っていると「マーケティング」という単語はよく耳にすることでしょう。その中でも「BtoBマーケティング」と言うと、企業間取引に対するマーケティング活動のことを指します。 マーケティングという単語だけ聞くと簡単そうに思えますが、実際にマーケティング戦略を立案し実行するとなった場合、具体的にどうすれば良いか即答できる人は多くないはずです。今回はBtoBにおけるマーケティングの基本について解説をしていきます。

2021.04.07

「持続させる」とはどういうことか!?
(企業組合こもねっと)

前回、「L'évo」の話を綴った取材では山奥のそのまた奥まで訪れましたが、今度はちいさな半島の最突端にある人口わずか300人という集落に足を運びました。 四国・愛媛の松山市からクルマを3時間ほど走らせたところにある蒋淵(こもぶち)が、今回の目的地です。県南部の宇和島市街を過ぎても、まだ1時間近くを要します。海岸沿いの細い田舎道をただただ進んでいくと、満開となった山桜が出迎えてくれました。 ここ蒋淵は、泣けてくるような美しい湾と、木々の茂る小高い山に挟まれるようにして家々が並ぶ集落でした。クルマを降りると、鳥のさえずりが絶え間なく聴こえてきます。こう言っては蒋淵に暮らす人たちに失礼かもしれませんが、別世界にたどり着いたような感慨すら覚えました。いや、蒋淵という地がここまで遠く、また、心を奪われる風光明媚なところだとは知らないまま、取材を申し込んでいました。 今回の取材目的は、「お魚レストラン」という魚介類の加工商品の話を聞くことです。蒋淵に住む有志たちによって運営される「企業組合こもねっと」が開発と製造を担っています。 この「お魚レストラン」、私は今年(2021年)2月に幕張メッセで催された「スーパーマーケット・トレードショー」で目にしました。電子レンジ対応のパッケージの中に、蒋淵の海で育てられた真鯛などの切り身がひとつと、ベシャメルソースやトマトソース、バジルソースなどが入っていて、2分30秒ほどレンジアップすれば、それで加熱終了です。「お魚レストラン」という呼称もパッケージデザインもとても洒脱だし、個人的に購入して食べてみたら、味も悪くない。外食がなかなかできないこの時期、自宅でごく簡単にこの味を楽しめるなら、もう十分でしょう。 さらに、です。値段は1袋(1人前)あたり400円台と決して安くないのに、ちゃんと売れているらしい。また、こうして首都圏の展示会に出展するなど、意欲的なプロモーションを仕掛けているところにも興味をそそられました。

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