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  • 2023.10.31

FDA認証とは?対象となる商品や取得方法など解説

FDA認証とは?対象となる商品や取得方法など解説

越境ECなどで化粧品や食品などの輸出入を検討しているなかで、「FDA認証」の取得に関して知りたい方もいるのではないでしょうか?

当記事では、「FDA認証」とは何なのか、その対象となる品目や取得対象などを解説します。FDA認証の対象となる商品別の取得方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

FDA認証とは米国による輸出入商品に対する安全性の保障

そもそもFDAFood and Drug Administration)とは、アメリカ食品医薬品局のことで、食品や医薬品、化粧品などの安全性を保証する役割を持つ機関です。FDA認証を取得することで、日米両国における薬機法や食品衛生法に違反しておらず、適正な商品であることの証明となります。

FDA認証は対象となる品目が設けられており、日本の企業や個人が米国内で対象品目を販売したり、日本から米国に輸出したりする際に必要です。なお、アメリカ以外の国への輸出入においてはFDA認証の取得は必須ではありません。


FDA認証の対象品目

FDA認証の対象品目は「人または動物の疫病もしくはその他の状態の診断の使用を意図するもの」です。具体的には、食料・飲料・化粧品・医薬品・医療機器・放射線放出装置などが該当します。

FDA認証の対象品目】

対象品目

FDA認証の対象品目に含まれる具体的な商品例

食料・飲料

・飲料(アルコール飲料を含む)
・果物、野菜、魚、海鮮食品、卵、乳製品
・未加工農産品(食品または食品成分として使用)
・飼料、ペットフード
・食品添加物、飼料添加物
・栄養補助食品及び食品成分、乳幼児用調整乳
・パン、スナック菓子、砂糖菓子
・食用動物(生体)
・缶詰
・タバコ

化粧品

・化粧品、乳液、洗顔料などのスキンケア化粧品
・口紅、ファンデーション、コンシーラーなどのメイクアップ用品
・ボディークリーム、日焼け止めなどのボディーケア用品
・シャンプー、リンス、トリートメントなどのヘアケア用品
・入浴剤や歯磨き粉などのヘルスケア用品
・香水など

医薬品

・処方箋および市販薬
・ワクチン、血液製剤
・遺伝子治療製品
・薬用シャンプー、薬用トリートメント、育毛剤など

医療機器

・体温計、絆創膏や包帯、メス、ピンセットなど
・妊娠検査キット、電動車椅子、麻酔装置、輸血ポンプ、心臓モニターなど
・ペースメーカーや人工心臓用バルブ、心肺装置など
CTMRIなど

放射線放出装置

・レーザープリンタ、超音波洗浄機、電子レンジなど
X線装置など

なお、これらの対象品目は、FDA認証を取得する際に分類を明確にする必要性が生じます。米国への輸出入を検討する商品が「FDA認証に該当する品目かどうか」をよく確認しておくようにしましょう。

FDA認証を取得せずに対象品目を販売すると罰則を受ける場合がある

FDA認証を取得せずに対象商品を米国に輸出しようとした場合、税関で延滞や輸入拒否を受ける場合があります。さらに、FDA認証を取得せずに米国で対象商品を輸出、販売した場合には罰則を受ける場合があります。

FDA認証を受けずに対象商品を販売した場合のリスク】

課せられる
罰則の例

罰則の対象となる例

警告書の送付

FDAのルールに違反する場合や、製造施設に法的な問題点や改善すべき点がある場合など

商品の差し押さえ

ラベル表示が事実と異なる場合など

活動禁止命令

継続的にFDAのルールに違反し、改善の兆しが見られない場合など

刑事告訴

米国の法律に反する場合、傷害事故などを伴う違反が発生した場合など

たとえば、FDAから製造施設の米国代理人に対して法的な問題点や改善点が記載された「警告書」が送付される場合があります。また、商品のラベルが異なる場合や継続的なルール違反などがあった場合には、FDAによって「商品の差し押さえ」を受けたり、「活動禁止」を命じられたりすることもあります。

なお、傷害事故を伴うような米国食品医薬品化粧品法の違反に対しては裁判によって「1,100万円~5,500万円程度の民事罰金」「懲役を伴う刑罰」いずれか、もしくは両方が課せられる可能性もあります。該当する品目を扱う場合には認証の取得を慎重に行うようにしましょう。

FDA認証の取得方法は扱う商品の分野によって異なる

FDA認証が必要な商品を取り扱う場合には、さまざまな手続きが必要となりますが、具体的な取得方法は扱う品目の分野によって異なる部分があります。

しかし、いずれの品目もFDA認証を取得する際には、扱う商品のカテゴリ内での分類を明確にすると手続きがスムーズです。FDA認証の取得手続きに不安のある方は、輸出規制や関税に関する専門知識を有するコンサルティングファームなどのサービスを活用することも検討してみてください。

食料・飲料

米国では、バイオテロリストによる脅威から国を守るためのバイオテロ法によって食品や飲料を輸入する際、FDAへの事前通知や記録の保存、行政による留置などが規定されています。この事前通知を行う際に、4つの手続きが必要となります。

【食品・飲料のFDA取得方法】
① 製造施設の登録
② 米国代理人の指定
③ 商品ラベルの英語化
④ 食品安全計画の策定
⑤ 事前通知

とくに、③商品ラベルには、FDAが承認している方法による栄養分析の結果の表示が必要です。また、食品の製造過程や調理過程で使用する器具、食器、包装など、食品に直接接触する物質も規制があるので注意しましょう。

なお、バイオテロ法に基づくFDA認証に関する問い合わせ先として、外務省ではFDAのウェブサイトによる最新状況の確認や在日米国大使館への問い合わせを推奨しています。FDAに関して問い合わせを行う際は活用してみてください。
参考:
Registration of Food Facilities and Other Submissions | FDA
米国のバイオテロ法に基づく新たな食品規制について(米国に食品を発送予定の皆様へ)|外務省

化粧品

FDAでは化粧品を「人の体に塗る、馴染ませる、スプレーする等により、体をきれいに美しくし、魅力を高め、または外見を変えるためのものであること」と定義しています。

化粧品現代化規制法(MoCRA)の施工に向けた「ガイドライン案(英語)」によると、アメリカで流通する化粧品の製造または加工施設の運営を行う人は、各施設をFDAへ 登録しなければならないとしています。
また、「第一・二・三類医薬品」など、症状の緩和や予防に関わる「OTC化粧品」は医薬品として規制されるため、留意しましょう。

なお、化粧品製造・梱包・配送などを行う業者は、化粧品や成分に関する情報をFDAに報告する化粧品自主登録プログラム化粧品自主登録制度「Voluntary Cosmetic Registration Program(英語)への登録が推奨されています。

医薬品

FDAにおける医薬品は「人や動物の疾病の診断・治療・予防を行うために与える薬品」と定義されたものです。医薬品は、処方箋薬から薬用シャンプーまでさまざまな種類のものがありますが、非処方箋薬のFDA取得は次の流れで行われます。

【非処方箋薬のFDA取得方法】
① FDA 医薬品評価研究センターによる諮問委員を召集
② 非処方せん薬, OTC 医薬品製剤 Rx to OTC のスイッチの判断
③ FDA による承認

医薬品のFDA認証を受けるためにはGCP( Good Clinical Practice)によって定められている国際的な基準に適合した臨床研究が必要になります。なお、新薬の承認審査は、FDA内にあるCDERCenter for Drug Evaluation and Research)によって行われます。
参考:米国における一般用医薬品承認システムの概要|厚生労働科学研究成果データベース

医療機器

医療機器のFDA認証は商品の分類によって必要となる登録、届出、申請が異なります。

【医療機器の取得方法】
① 米国で販売したい商品がFDA規制の医療機器に該当するか確認する
② 申請を予定する機器がClass Ⅰのどれに該当するかを確認する
③ 規制番号(Regulation Number)を調べ、クラスに応じた申請及び登録を行う

FDAでは、医療機器に関して、リスクのレベルに応じClass Ⅰ~に分類しています。FDAで医療機器に該当するものは、体温計や手術に使用するメスやピンセット、CTMRIなどの大型機器など1,700種類以上あるため、申請する場合にはどのクラスに該当するものか事前に調べて置く必要があります。

Class

該当する医療機器

Class

絆創膏、包帯、歯ブラシ、デンタルフロス、サングラス

Class

温度計、電動式椅子、妊娠診断キット、輸液ポンプ

Class

人工心臓用パルプなど

なお、日本では医療機器に分類されていないものもFDAでは医療機器に該当する場合もあるため、取り扱う商品の分類をよく確認しましょう。

放射線放出装置

FDAで放射線放出装置に該当するものは、電子レンジやレーザープリンタ、超音波洗浄機、X線装置などです。FDA認証を取得する場合には、まずは商品のエネルギーレベルに準じたレーザークラスを決定することから始めます。

FDAにおけるレーザークラスとは米国でのレーザー製品に対する規制のことで、FDA内の組織である
CDRH (Center for Devices and Radiological Health) によって規定されています。レーザークラスでは、製品から放射されるエネルギーレベルなどに基づいて目や健康に対する危険度に応じた分類を行います。

FDACDRH)が規定するレーザークラス

レーザークラス

詳細

Class I

・直接、または観察用光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いた観察が危険とされないレーザー光

Class II a

・裸眼での長時間のビーム内観察は安全だが光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いた観察は危険とされるレーザー光
・波長 400710 nm の可視帯域レーザーに適用される

Class II

・慢性的な観察は危険とされるレーザー光
・波長 400710 nm の可視帯域レーザーに適用される

Class III a

・慢性的でも一時的なものであっても観察が危険とされるレーザー光
・短時間であっても光学機器での直接的な観察が危険とされるレーザー光
・波長 400710 nm の可視帯域レーザーに適用される

Class III b

・一時的でも直接的に皮膚や目にさらすことが危険とされるレーザー光

Class IV

・一時的でも直接的に皮膚や目にさらすことが危険とされるレーザー光
・拡散反射光であっても皮膚や目に障害をもたらすレーザー光

参照: Code of Federal Regulations Title 21CFR -

なお、国内でのレーザークラスは、日本工業規格 C6802レーザ製品の安全基準」によって規格が制定されています。

【放射線放出装置のFDA取得方法】
① 商品のエネルギーレベルなどに基づいてレーザークラスを決定する
② 規定されている各要求事項に適合されているか確認する
CDRH へ提出するプロダクトレポートを作成し、申請する

放射線放出装置を米国に輸出する場合、アクセッション番号という登録番号の取得が必要となります。
また、米国外で製造された放射線放出装置を輸出する場合は、いつでもFDAからの連絡を受けられるよう、アメリカに住所を持つ代理人の任命も必要です。

なお、放射線放出装置はFDA認証の取得に加え、毎年アニュアルレポートを提出することも念頭に入れておきましょう。

まとめ

FDA認証とは、日米両国における薬機法や食品衛生法に違反しておらず、適正な商品である証明となるものです。日本の企業や個人がアメリカ国内で対象となる商品を販売したり、日本から米国に輸出したりする際に必要となります。

FDA認証の対象品目として、食料・飲料・化粧品・医薬品・医療機器・放射線放出装置など「人または動物の疫病もしくはその他の状態の診断の使用を意図するもの」が規定されています。

FDA認証を取得せずに対象商品を米国に輸出しようとした場合、税関で延滞や輸入拒否を受ける場合があります。さらに、FDA認証を取得せずに米国で対象商品を輸出、販売した場合には「商品の差し押さえ」「活動禁止」を命じられたり、「1,100万円~5,500万円程度の罰金」「懲役を伴う刑罰」が課せられたりする場合もあります。

FDA認証が必要な商品を取り扱う場合には、さまざまな手続きが必要です。具体的な取得方法は商品の分野によって異なる部分があるため、FDA認証を取得する際には、扱う商品のカテゴリ内での分類を明確にしておきしましょう。

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