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  • 2023.09.25

海外マーケティングの方法と企業の成功事例を解説

海外マーケティングの方法と企業の成功事例を解説

海外へ販路開拓を行う際の、効果的なマーケティングの方法を知りたい人もいるでしょう。海外の市場や商習慣は日本と異なる場合があるため、現地に合わせたマーケティングを考えていく必要があります。

当記事では、海外向けのマーケティングを行う方法や企業の成功事例を紹介します。

海外マーケティングとは自社商品を海外で販売する
仕組みづくりのこと

海外マーケティングとは、日本国外をターゲットにしたマーケティング活動であり、自社商品を海外で販売するための仕組みづくりのことです。宣伝広告活動だけでなく、戦略設計のためのリサーチや、結果をもとにしたデータ分析なども含まれます。

海外マーケティングでは、現地の市場や商習慣により適したアプローチの方法が異なるため、国内向けのマーケティングとの違いについても留意しておかなければなりません。

たとえば、日本のマーケティングでは、セールス手法として自社製品の優れた点や魅力をアピールする場合が多いですが、海外では商品の魅力以上に顧客が得られる利益や価値が重視される場合があります。

ほかにも、言語や業務のスピード感、好まれる広告の形態なども国や地域によって異なります。ターゲットとする国ではどのようなマーケティングが適しているのかを事前に把握し、進出予定先に合わせたマーケティング戦略を立てましょう。

海外マーケティングの方法

海外マーケティングには様々な手法がありますが、近年ではインターネットやスマートフォンの普及により、オンラインを活用したマーケティングが好まれる傾向にあります。

【海外マーケティングに利用できる手法】

マーケティング手法

内容

SNSマーケティング

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったマーケティング手法。

投稿のシェアによる拡散が期待できる

SEMマーケティング

(サーチエンジン・
マーケティング)

検索エンジンからの自社WEBサイトへの訪問者を増やすためのマーケティング手法。

SEOやリスティング広告などがある

動画マーケティング

自社のWEBサイトやYouTubeなどに自社製品やサービスをアピールする動画を投稿する手法。

顧客の視覚と聴覚に訴えることで情報を効率的に伝えられる

口コミ・レビュー
マーケティング

消費者の口コミを意図的に利用して、商品やサービスの認知度と売り上げ向上を目指す手法。

消費者からの信頼性が高く、購買の後押しにつながりやすい

OMOマーケティング

オンラインとオフラインを融合した、顧客体験の向上を目指すマーケティング手法。

ECサイトと実店舗を連携した無人決済や、モバイルオーダーシステムなど

たとえば、SNSマーケティングでは投稿のシェア機能により、国内外に幅広く情報を拡散することが可能です。企業や商品の認知度向上を目的に、世界的に活躍する芸能人やインフルエンサーを起用したSNSマーケティングを行っている企業もあります。

また、近年注目されているのが、オンラインとオフライン両方の視点を取り入れたOMOマーケティングです。海外のアパレル会社では、ECサイトで商品を購入する際に現地の実店舗のスタッフとオンラインでつながり、商品説明を受けられるサービスを展開している事例もあります。

オンラインによる海外マーケティングでは、日本にいながら世界中の顧客に自社商品やサービスをアピールできます。宣伝の方法次第で、幅広い国や地域への販路開拓が可能となるでしょう。

海外マーケティングの進め方

海外マーケティングを実行するためには、以下の準備を行いましょう。

【海外マーケティングの進め方】
・現地の情報収集を行う
・マーケティング戦略を設計する

調査に基づいた計画を立て、プロモーションを実行することによって、顧客のニーズや海外の市場に合ったマーケティングが可能です。適切なマーケティングを行うためにも、事前調査は重要なフェーズです。

さらに、プロモーションを開始した後も結果の分析を行い、施策の改善を重ねることでマーケティングの質の向上につながるでしょう。

事前調査を行う

海外マーケティングを行うには、まず現地のニーズや市場動向、商習慣などに関する事前調査を行いましょう。海外では文化や習慣、経済状況などの違いなどから顧客のニーズや市場の状況が日本と異なる場合があり、現地の状況に合わせた施策を考える必要があるためです。

事前調査では以下の項目を中心に、自社の事業展開に必要な情報を調査しましょう。

【海外マーケティングで調査すべき項目】
・市場規模
・顧客のニーズ
・競合他社
・規制と法律
・商習慣
・パートナー企業
・自社分析

商品やサービスが優れていても、海外でのニーズがない場合や規制によって販売ができない場合にはマーケティングを成功させることが困難となります。事前調査で海外進出予定先の市場やニーズ、法規制などを把握し、自社商品の展開が可能かを判断しましょう。

なお、現地のニーズや市場調査を行うにはインターネットなどを活用したデスクリサーチや現地調査、専門家への依頼など様々な方法があります。海外市場調査については「海外市場調査に必要な項目と調査方法を解説」でも解説しているので、詳しく知りたい人は参考にしてみてください。

マーケティング戦略を設計する

事前調査の内容をもとに、マーケティング戦略を設計しましょう。マーケティング戦略とは「誰に」「何を」「どのように」販売していくかを決めることであり、ターゲットや商材、具体的な宣伝方法などを決めていきます。

マーケティング戦略は、以下のフレームワークを参考に設計していきましょう。

【海外マーケティングに有効なフレームワーク】

フレームワーク

概要

主な目的

STP分析

市場を細分化し、ターゲットの選定と自社の立ち位置を決定する

ターゲットの明確化

4P分析

自社における「商品」、「価格」、「流通」、「販売促進」の4要素を分析する

具体的な施策の検討

既存事業の改善

3C分析

「顧客」、「競合他社」、「自社」の3要素を分析する

企業の現状把握

5フォース分析

競合や業界全体の状況を分析し、自社の競争優位性を検討する

競争戦略の設計

KPI

施策の目標達成度を測るための具体的な指標を設定する

施策の成果測定と改善

これらのフレームワークを実行することで、精度の高い分析やターゲティングができるため、マーケティングの効果を高めることにつながります。全てを行う必要はないので、自社の状況やマーケティングの目的に合わせて適切なフレームワークを選択し、戦略を設計してください。

マーケティング戦略が決まったら、具体的なスケジュールと行動計画を立てて実際のプロモーション活動を実行していきます。

なお、プロモーションを開始後は効果測定を行い、設定したKPIをもとに施策の結果分析を繰り返すことが大切です。成功要因を新たなマーケティングに生かすことや、課題点を洗い出し改善策を考えることにより、マーケティングの質の向上につながるでしょう。

海外マーケティングの成功事例

海外マーケティングを行い、販路拡大を成功させている企業の事例を紹介します。

【海外マーケティングを成功させた企業の事例】
・事前の市場調査の結果をもとにPRの方向性を定めることで成功した事例
・顧客目線で新しいメッセージを見つけ海外展開の可能性を見出した事例
・マーケティングのデジタル化により感染症流行下でもチャンスを獲得した事例

企業の海外マーケティングの成功事例を参考に、自社の戦略を検討してみましょう。

事前の市場調査の結果をもとにPRの方向性を定めることで成功した事例

オーダーメイドのウエットスーツを専門に扱う企業では、インフルエンサーを起用したSNSでのPRによって商品の認知度拡大に成功しています。

日本市場の縮小を受け海外での事業展開を決意し、韓国に向けたマーケティングを開始しました。事前の現地調査において、韓国ではフリーダイビングがレジャーではなく競技としての認知が高いことが分かったため、機能性をPRする内容に方向性を定めることでターゲットに刺さるプロモーションが可能となりました。

また、注目度の高いインフルエンサーを起用したSNSでの情報発信により、商品や企業ブランドの認知度の拡大につながっています。今後は現地企業と協力しながら、アフターフォロー体制の強化に注力する予定です。

顧客目線で新しいメッセージを見つけ海外展開の可能性を見出した事例

こんにゃくや葛切りなど、日本の伝統的な低カロリー食品を中心に製造・卸売りを行う企業では、越境ECメディアとのタイアップによってマーケティングの新たな切り口を見つけることに成功しています。

海外進出にあたり、自社の英語サイトを作成するなど北米市場の開拓を進めていましたが、主力商品である「こんにゃく米」はもともと米食の文化がない北米の商品PRに苦戦していました。

しかし、越境ECメディアとのタイアッププロモーションで「キヌアのようにサラダにかけて食べられる新しいスーパーフード」として商品を売り出したことで、顧客目線での新しい切り口のメッセージが見つかり、商品PRの可能性が開けました。

さらに、越境ECメディアとタイアップしたSNS配信やアンケートを利用し、顧客ニーズの調査を進めています。今後は健康食品に関心の高い北米市場を中心に海外への販路開拓を進め、新規顧客の獲得を目指していく予定です。

マーケティングのデジタル化により感染症流行下でもチャンスを獲得した事例

日本酒の製造を行う企業では、若年層の日本酒離れを機に紙媒体でのマーケティングからデジタル化することにより、国内のみならず海外への販路獲得につなげています。

拡散力の高いインフルエンサーを起用したSNSや動画での宣伝活動により、海外の顧客へも商品のPRが可能になりました。また、インバウンド需要向けに1本5万円の高級酒をSNSのプレゼントキャンペーンに転用したことで、フォロワーを600人から10万人に増やすことにも成功しています。

さらに、デジタルマーケティングに手ごたえが出始めた頃に世界的な感染症の流行があったことから、オンラインでのマーケティングに一層力を入れることを決意しました。海外とビデオ会議アプリをつないで実施する、オンラインでの酒造見学や試飲会なども開催しています。

今後はSNSでの口コミやメディア露出による新規顧客の獲得と、アプリ等を使ったマーケティングの自動化によって国内外への販路拡大を目指していく見通しです。

まとめ

海外マーケティングとは、自社の商品が海外で売れる仕組みを作ることであり、宣伝広告活動に加えて事前のリサーチや結果分析なども含まれます。文化や商習慣などの違いにより、適したアプローチ方法が日本と異なる場合があるため、現地に合わせたマーケティング施策を考えることが大切です。

マーケティングの方法として、近年はSNSや動画などを活用したデジタルマーケティングが普及しています。インターネットを通じて宣伝広告活動を行うことにより、日本にいながら世界各国へ自社商品をアピールできます。

宣伝広告活動を始めるためには、事前の調査に基づいた戦略の設計が重要です。海外の市場や顧客のニーズ、商習慣などを調査したうえで「誰に」「何を」「どのように」販売していくかを、フレームワークをもとに考えていきましょう。

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