2023.09.25

海外市場調査に必要な項目と調査方法を解説

海外マーケティング

海外進出を考えている企業の中には、現地の市場調査をどのように行うべきか悩んでいる人もいるでしょう。

当記事では、海外市場調査において必要となる項目や調査の方法を解説します。

海外市場調査の前には調査項目を確認しておく

海外市場調査を行う際には、調査を行う項目を事前に確認しておきましょう。調査項目を明確にしない状態で市場調査を進めると、マーケティング戦略を立てる際に必要となる情報が不足し、現地の市場や顧客のニーズに適した宣伝広告活動ができない可能性があるためです。

海外市場調査で、調査しておくべき項目は以下の通りです。

【海外市場調査の項目】

項目	概要
現地市場の現状	現地の政府や企業、専門機関などが公表するデータから市場を分析する。市場規模の把握や売上予測などに活用できる
顧客のニーズ	アンケートやSNSなどから海外のニーズやトレンドを調査し、自社の商材が海外顧客に受け入れられるか判断する。日本とはニーズが大きく異なる場合もある
競合他社	企業のHPなどから、競合の企業数や人気の商材などを調査・分析する。現地顧客の傾向や自社の優位性確保の可能性などを判断する
規制と法律	ターゲットとする国や地域の規制や法律を調査し、自社の商材が販売可能かを確認する。外資規制などにより進出が困難となる場合もある
商習慣	現地でビジネスを行う上での様式やマナーを理解する。言語や文化などを含む商習慣を理解することで、現地の価値観に合わせたマーケティング戦略を立てられる
パートナー企業	流通や生産、現地の弁護士や税理士などのパートナー企業を見つける。国際業務に長け、信頼できるパートナー企業を選定する
自社分析	海外進出にフォーカスした場合の自社の強みや弱みなどを分析・理解しておく。強みを活かした施策によるビジネスチャンスの獲得や、課題への対策によるリスク低減につながる

海外と日本では、市場や顧客のニーズ、法律などさまざまな違いがあります。市場調査を通じて海外進出先の地域の情報を事前に把握し、現地に合わせたマーケティング施策を考えることが求められます。

なお、扱う商材や企業のマーケティング戦略などによって、調査が必要な項目は異なります。自社の海外進出に必要となり得る情報を事前に社内で確認しておくことで、調査の抜け漏れを防ぐことができるでしょう。

海外市場調査の方法は複数ある

海外市場調査を行うには、以下の方法があります。

【海外市場調査の方法】
・デスクリサーチを行う
・アンケートやモニター調査を実施する
・現地に赴いて調査する
・海外企業とのネットワークを活用する
・専門家に調査を依頼する

海外市場調査は、社内で行える調査から実際に現地へ行って調査する方法、外部からの協力を得る方法などさまざまです。調査方法によって得られる情報も違うため、複数の調査方法を併用することで幅広い内容の情報収集ができるでしょう。

なお、調査方法や依頼先によって費用や調査に要する時間は大きく異なります。自社の海外進出の予算やスケジュールに合わせ、市場調査の方法を選択してください。

デスクリサーチを行う

デスクリサーチによって、現地の情報収集を行うことができます。デスクリサーチとは、インターネットや資料などを用いた調査方法であり、現地の市場規模や習慣など既に明らかになっている情報を入手するための手段です。

デスクリサーチでは、現地の政府や専門機関、企業のホームページなどから市場調査に活用できるデータを収集できます。欲しいデータが掲載されているWEBサイトが日本語に対応していない可能性もあるため、現地の言語に対応できる人材を確保することが望ましいです。

海外市場調査の方法の中でも比較的低コストで市場調査を行うことができるため、海外進出の検討段階や予備調査を行う際にはデスクリサーチが適しています。

ただし、インターネット上の情報は内容に誤りがある場合や、最新のデータではない場合もあります。調査したデータを使用する際には、出典元や調査時期を確認しましょう。

アンケートやモニター調査を実施する

海外に住んでいる人に向けて、アンケートやモニター調査を実施してニーズやトレンドを調査する方法もあります。現地に住む人の実際の意見を聞くことができるため、どのような商品やサービスを展開するかなど、マーケティング戦略の設計に役立てることが可能です。

近年ではインターネットやスマホの普及により、世界各国に向けて手軽にアンケートやモニター調査を実施できる環境が整っています。また、SNSを利用すれば情報の拡散機能により多くのユーザーの目に触れ、キャンペーンなどと併用することで多くの回答が期待できます。

調査できる分野は顧客ニーズに関する内容に限られますが、海外顧客のリアルな意見を知ることができるため、マーケティング施策の手掛かりとなるでしょう。

現地に赴いて調査する

実際に海外へ足を運んで、現地調査を行う方法も有効です。現地調査では、データだけでは分からない海外の治安や経済状況など、リアルタイムの情報を自身で確かめることができるためです。

たとえば、飲食店の場合、競合他社の店舗を視察することで現地におけるニーズの高さや人気商品の傾向、混雑する時間帯などを把握することができます。また、実際に競合他社の商品を試すことや、サービスを体験することによって、インターネットや文献だけの調査よりも精度や信頼性の高い情報を得ることができます

ただし、現地調査には渡航費や現地へ派遣する人材の確保などのコストが発生します。費用対効果を考え、現地調査の目的を明確にした上で現地に派遣する人材や人数を調整しましょう。

海外企業とのネットワークを活用する

海外企業との接点がある場合は、ネットワークを活用して情報提供を依頼することもひとつの手段です。現地の市場やビジネスを熟知した企業からは、現地ビジネスのノウハウや企業間のコネクションなど、経営視点での有益な情報を得られる可能性があります。

海外企業との接点がない場合は、海外企業が集まるビジネスイベントへの参加や展示会への出店なども有効です。イベントへの参加を通じて、来場者だけでなく他の出展企業とも交流を持つきっかけとなります。

海外企業とのネットワークを構築することは、情報収集に加えてお互いのビジネスチャンスにつながる可能性があります。ビジネスパートナーとして良好な関係を続けるためにも、相手企業の国の商習慣や文化を尊重し、丁寧な対応を心がけましょう。

専門家に調査を依頼する

ノウハウ不足や人材確保の面で自社での市場調査が難しい場合には、海外市場調査の支援機関などを通じて専門家へ調査を依頼することも検討しましょう。

市場調査をはじめ、資金調達や人材確保など企業の海外進出のサポートを依頼できる企業や団体があります。知識やノウハウが豊富な専門家に依頼することで、効率的に調査を行うことができるほか、自社にはない視点でのさまざまな情報を得ることが可能です。

依頼にはコストが発生しますが、時間や労力の削減とともに精度の高い市場調査を行えることから、質の高いマーケティング施策を立てることができるでしょう。

なお、海外進出のサポートサービスや支援機関について知りたい人は「企業の海外進出サポートサービスの内容や選び方のコツを解説」の記事も参考にしてみて下さい。

Alibaba.comでは顧客の利用データに基づいた市場調査が
できる

世界190以上の国と地域のバイヤーが集まる越境ECサイト「Alibaba.com」では、顧客の利用データに基づいた市場調査が可能です。

データ分析機能を使えばエリアや国別のアクセスランキングも確認でき、どの地域のバイヤーが⾃社の製品に興味を持っているかを閲覧数やクリック数などを基に分析できます。サイトへ問い合わせがあった場合は、チャットやオンラインミーティングで顧客へ直接のヒアリングも可能です。

また、市場調査では対象とする国や地域を絞って調査を進める場合が多いですが、Alibaba.comでは世界中の利用者のデータを収集できます。海外における自社製品の需要を判断する基準にもなるため、海外進出先の選定など戦略を立てる際の情報収集としても活用が可能です。

幅広いエリアの市場調査を効率的に行うことができることから、市場調査の課題となりやすい手間や費用などの課題の解決につながります。Alibaba.comのサービスについて詳しく知りたい人はアリババ株式会社の公式サイトをご確認ください。

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まとめ

日本と海外では、市場の状況や顧客ニーズ、法律などさまざまな違いがあります。企業の海外進出を考えている場合には、事前に市場調査を行い、現地に合ったマーケティング施策を考えることが求められます。

海外の市場調査の方法は、社内で行うことができるデスクリサーチやアンケートを用いた調査、実際に進出予定地へ赴いて調査を行う現地調査などさまざまです。自社の海外進出に必要な情報や予算、スケジュールなどに応じて市場調査の方法を検討してください。

自社での調査が難しい場合には、専門家や支援機関へ依頼をして市場調査を代行してもらう方法もあります。依頼時にはコストが発生しますが、現地に精通した専門家に依頼することで効果的な市場調査を行うことができるでしょう。