海外進出に失敗する要因は?事例を交えて解説
海外進出を考えている方の中には、失敗事例を確認して自社の事業に活かしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。また、海外進出の失敗に繋がる要因を知りたい方もいると思います。
当記事では、海外進出に失敗する要因を解説します。中小企業庁の調査をもとにした事例も紹介しているので、海外進出を検討している方は、参考にしてみてください。
海外進出の失敗要因
海外進出に失敗する要因は企業の規模や提供するサービスによって様々なものがあります。
- 事前の調査不足
- 管理人材の確保
- 現地環境の変化
※参考:中小企業庁による「海外撤退の実態−戦略的撤退と撤退経験の活用−」
事前の調査不足
海外進出の主な失敗要因は、事前の調査不足です。海外市場の事前調査が不足することで、進出先の製品需要が想定よりも低くなる場合や販売先の確保が困難になることがあるためです。
海外進出に失敗した企業が挙げる要因として、販売先の確保が出来ないことや製品需要の不振があります。これは、進出先のターゲット層や消費実態などの調査が不足していたことが主な理由として考えられます。
事前に調査が必要になるのは、進出国や現地販売代理店、提携するメーカーなど多岐に渡ります。海外事業のノウハウを持っていない企業は、海外市場の調査を専門的に行う企業に依頼することも検討してみてください。
人材の確保と維持
現地の視察や商談などに対応できるグローバル人材の確保および維持は、海外進出の失敗に繋がる要因のひとつです。
実際に進出した企業の中にも、現地企業やパートナーとの不調和を海外進出が失敗した要因に挙げている企業もいます。海外拠点を構える企業は、現地の拠点を管理する人材が確保できずに事業を維持できなくなる場合もあります。
また、語学堪能な人材を雇用できたとしても、ビジネスにおける商習慣の違いによって商談や営業時のコミュニケーションがうまく成立しないことがあります。そのため、現地の習慣やビジネスマナーなどの理解も必要になります。
語学に加えて文化や商習慣などに理解がある人材を求める企業は多いため、採用活動がうまくいかない可能性があります。海外進出する企業は、自社従業員の教育体制を見直すなど採用以外で人材を確保する手段も検討しておきましょう。
現地の環境変化
進出した国や地域の環境が変化によって発生する影響が海外事業の失敗に繋がる可能性があります。
海外進出に失敗した事例として、現地の賃金引上げによる人件費の増加や資材・設備などの高騰による生産コストの増加があります。特に、人件費の安い新興国に進出した場合、環境の変化が海外事業からの撤退に繋がりやすくなります。
なお「企業の海外進出におけるリスクと対処法を解説」では、海外進出の際のリスクを解説しています。カントリーリスクのような現地の環境変化についても説明していますので参考にしてみてください。
海外拠点を構えずに展開する方法によって失敗要因を
軽減できる
海外拠点を構えずに展開する方法によって失敗要因を軽減できる場合があります。海外進出の失敗要因には、現地に拠点を設けることで発生するものがあるためです。
具体的には、海外向けにECサイトを展開する越境ECを活用することで、現地スタッフの賃金上昇や現地施設、設備の維持費などのリスクを避けることができます。また、自社ホームページを多言語対応にすることで、外国語ユーザーにアプローチする方法もあります。
ほかにも、オンライン海外展⽰会などを活用して世界中のバイヤーに向けて製品を掲載することで、日本にいながら販売先が確保や開拓を進めることが可能です。
ただし、海外拠点を構えない場合でも、海外からの問い合わせに対応する体制やシステムの構築が必要になります。海外拠点を構えない場合は、Webを活用する手段が中心になるため、海外進出を支援する企業やWebサイト制作を行う企業へ依頼することを検討しておきましょう。
海外進出の費用を補助する制度がある
海外進出する企業は、補助金制度の利用によって海外進出に掛かる費用の補助を受けられる場合があります。
たとえば、「ものづくり補助金 グローバル市場開拓枠」は、海外事業の拡大・強化を目的とした設備やシステム投資などの費用を支援する補助金です。また、海外展示会の出展費用や販売促進費などの海外進出に関わる費用を支援する制度を展開する公共団体もあります。
中小機構「支援情報ヘッドライン」では、都道府県が実施する補助金や助成金制度を検索できます。セミナーやイベントなどの情報も検索できるため、海外進出を検討する企業の方は活用してみてください。
まとめ
海外進出を失敗する要因には、「事前の調査不足」「管理人材の確保・維持」「現地環境の変化」などがあります。また、販売先の確保が困難になることで海外事業を維持できなくなる場合もあります。
海外進出のノウハウが不足していると感じた場合は、海外進出をサポートする企業へ依頼する事で問題点を改善できる可能性があります。海外進出のサポートサービスの利用を検討している方は「企業の海外進出サポートサービスの内容や選び方のコツを解説」を確認してください。
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