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  • 2023.05.30

日本企業における現状の海外進出数と傾向を解説

日本企業における現状の海外進出数と傾向を解説

少子高齢化や人口減少などによる日本市場の縮小を受け、海外進出を考える日本企業が多く存在しています。日本ではどのような企業が海外へ進出しているのか、またどのような理由で海外進出を検討しているのかを知りたい人もいるでしょう。

当記事では、日本企業における現状の海外進出数と傾向を解説しています。

日本企業の海外現地法人数は2万社以上

政府統計のポータルサイトe-Statのデータによると、2021年度における日本企業の現地法人数は25,325社です。支店や合弁企業などを含めると、7万拠点を超えています。

【日本企業の海外進出数の推移】

年度

日本企業の現地法人数(社)

1989年

6,362

1990年

7,986

1995年

10,416

2000年

14,991

2005年

15,850

2010年

18,599

2015年

25,233

2020年

25,703

2021年

25,325

1980年代後半の円高の影響を受け、1990年代から日本企業の海外進出が活発化しました。円高になることで日本への輸入価格が下がることから、物価や人件費の安い海外へ生産拠点を設けて日本で販売することで、コストを削減し企業利益の増加につながるためです。

日本企業の海外現地法人数は年々増加しており、2012年には2万社を突破しています。現在はコスト削減だけでなく、縮小する日本市場への対策や新たな技術やノウハウの獲得など、海外進出の目的も変化しています。

2019年末に始まった新型コロナウイルスの世界的な流行の影響もあり、2021年には日本企業の海外現地法人数の減少が見られました。しかし、輸出や越境ECの利用など海外へ拠点を設けない海外進出も広まっており、海外進出への意欲も回復傾向にあります。

日本企業が海外進出する主な理由は販路の拡大

日本企業が海外進出をする主な理由は、販路の拡大です。JETROの調査によると、2022年における海外進出先の選定理由として83.1%の企業が「市場規模・成長性」と回答しています。

少子高齢化や人口減少のなどの影響により、日本国内の市場は縮小傾向にあります。日本企業が海外進出することで、巨大な市場をもつ中国やアメリカのほか、経済成長を遂げている新興国へ販路を開拓し、企業利益の増加につなげることが可能です。

日本文化の浸透や品質への高い評価から、海外における日本製品の需要は高まっています。日本企業の海外進出は、販路を拡大させて企業の利益を増やすチャンスとなるでしょう。

日本企業における国別の海外進出状況

日本企業の最大の海外進出先となっているのが中国です。日本企業の現地法人数は7千社を超えており、2位のアメリカの2倍以上となっています。

【日本企業の海外進出企業数(国別)】

現地法人企業数(社)

中国

7,281

アメリカ

2,971

タイ

2,370

ベトナム

1,230

インドネシア

1,139

シンガポール

1,102

韓国

767

インド

604

e-Stat「第52回 調査結果(2021年度実績)

市場規模の大きさから、中国やアメリカが日本企業の海外進出先として多く選ばれています。14億人を超える人口を有する中国や、世界最大のGDPを誇るアメリカの市場へ参入することで、日本企業は売上の増加や認知の拡大が期待できます。

中国は市場規模の大きさに加え、日本からのアクセスが良く時差も少ないことから、日本企業の海外進出先として高い人気を維持しています。

また、近年はタイやベトナムなどの新興国にも注目が集まっています。経済成長や市場拡大の可能性のほか、中国の人件費高騰などの影響により、今後は新興国への海外進出も増加することが予想されます。

日本企業における業種別の海外進出状況

海外進出をしている日本企業を業種別に見ると、製造業が最も多くの割合を占めています。製造業の中でも、運送機械と化学分野は日本の技術力が高く評価され、海外での需要も高いため、多くの企業が海外進出をしています。

【日本企業の海外進出企業数(業種別)】

業種

現地法人企業数(社)

製造業

10,902

卸売業

7,198

サービス業

2,541

運輸業

1,432

情報通信業

850

小売業

710

e-Stat「第52回 調査結果(2021年度実績)」

日本企業の海外進出が活発化した1980年代後半は円高の影響が強く、多くの製造業が海外で現地法人を設立して生産拠点を移しました。円高の場合は輸出価格が高くなり、日本への輸入価格が下がることから、海外に生産拠点を置くことで企業のコスト削減につながりやすいためです。

また、日本よりも人件費の相場が低い国へ進出し、多くの労働力を確保することも海外進出の目的となっていました。しかし、中国における人件費の高騰など、世界的にも賃金の引き上げの動きが見られ、以前よりも海外進出が人件費の削減につながりにくくなっています。

近年の傾向としては、製造業よりも卸売業やサービス業、情報通信業などの非製造業による海外進出の割合が増加しています。コスト削減のために海外へ生産拠点を設けるのではなく、国内需要の縮小を補うという海外進出の目的の変化に伴い、日本から海外進出をする業種の割合も移り変わっていくでしょう。

中小企業では越境ECを利用した海外進出が増加傾向にある

中小企業では、越境ECやオンライン展示会などのオンラインを利用した海外進出が増加傾向にあります。越境ECとは、インターネットを通じて国境を越えた電子商取引を行うECサイトであり、スマホやタブレットなどの普及とともに広まりを見せています。

JETROのアンケート調査によると、製品の販売にECを利用したことがあると回答した中小企業は2021年時点で43.2%であり、2016年の23.6%から5年間で2倍近くの割合に増加しています。また、ECを利用して海外向け販売を行っている中小企業のうち、約半数の44.1%が海外に拠点を設けず日本国内から越境ECによる海外展開を行っています。

越境ECを利用すれば、店舗を構えることなく販路を拡大できるため、初期投資やランニングコストを抑えて海外へ事業展開できます。大企業の場合、既に海外に拠点があり現地の拠点を通じて海外進出をする企業の割合が多いですが、新規で海外進出を目指す中小企業の間では越境ECの利用が増加しています。

スマホをはじめとするITインフラの普及により、越境ECの市場規模は拡大しています。海外へ拠点を設けることなく世界各国へ自社商品を提供できる越境ECは、海外進出を考える中小企業にとって有効な手段のひとつとなるでしょう。

なお、当サイトを運営するアリババでは、企業と海外のバイヤーを繋ぐ「Alibaba.com」というサービスを行っています。オンライン上のやりとりによって190か国以上のバイヤーにアプローチできるため、オンラインによる海外進出を検討している方は「Alibaba.com」からサービスの詳細を確認してみてください。

まとめ

2021年度の調査によると、海外に現地法人を設ける日系企業数は2万社以上にのぼります。円高の影響を受けた1980年代後半以降、日本企業の海外進出数は年々増加傾向にあり、現在は縮小する日本市場に対応するため販路開拓を目的に海外進出をする企業が多く存在します。

現在、日本企業の主な海外進出先となっているのは、中国とアメリカです。市場規模の大きさや購買力の高さが、海外進出先として選ばれる要因となっています。

海外進出している日本企業を業種別に見た場合、最も多いのは製造業です。しかし、コスト削減のための生産拠点の移転ではなく、国内の需要を補うために海外進出をする企業が増えており、卸売業やサービス業などの割合が増えています。

近年、中小企業の間では越境ECの利用が増加しています。海外に拠点を設けることなく自社商品を海外向けに展開でき、コストやリスクを抑えられることから、中小企業の海外進出において有効な手段のひとつとなるでしょう。

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