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  • 2022.08.17

コロナ禍海外渡航レポ

コロナ禍海外渡航レポ

※注意:本稿では2022年4月末から5月初旬にかけて、筆者がエチオピア連邦民主共和国経由でエジプト・アラブ共和国(以下「エジプト」)に渡航した際の状況を記載しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響は、国によっても時期によっても異なり、各国の対応及び日本における制度は日々変化しています。本稿はあくまでイメージをつかむ参考としていただき、実際に渡航される際は最新状況の確認をお願いいたします。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、海外渡航が難しい期間が続いていましたが、2022年に入り、少しずつ海外に行けるようになってきています。しかし、ワクチン接種証明書などの以前はなかった書類の準備など、新しい海外渡航の在り方は多くの人にわからないことだらけであり、実際に海外に行くことは二の足を踏んでしまう方が多いかと思います。本稿ではそうした読者のために、2022年のゴールデンウィークにすべて自分で手配をしてコロナ禍での旅行を実現した経験をご紹介します。

入国のための書類準備

入国のために必要な書類として、現地入国前一定時間以内の陰性証明書、ワクチン接種証明書、またはその両方が一般に要求されます。エジプトの場合はどちらか片方があれば十分でしたが、私は念のため両方を取得しました。陰性証明書は海外向け陰性証明書発行に対応したPCR検査テストセンターで、ワクチン接種証明書は自治体の窓口で取得することができます。

また、陰性証明書やワクチン接種証明書に気を取られていると忘れそうになるのが、ビザです。コロナ禍の影響を受けて、通常はビザなしで行ける国や、ビザ・オン・アライバルで入国できる国でも、制度を一時的に中断していることがあります。

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自治体のワクチン接種証明書発行窓口

エジプトは通常ビザ・オン・アライバルでビザを取得できますが、インターネットの情報では、ビザ・オン・アライバルが中断されていることになっていました。
もしビザ・オン・アライバルがなければ大使館に書類を持って行って1週間ほども待たなければならない計算になります。しかし、在日エジプト大使館のウェブサイトを確認したところ、ビザ・オン・アライバルが復活しているという記載があり、最終的には大使館に電話確認をしてそれが事実であることを確認しました。

このように、制度の変化が激しいことから、インターネットの情報が適切でない場合もあります。確実な情報源をチェックすることが必要です。

閑散とした空港

今回の渡航では新東京国際空港(成田空港)を利用しました。コロナ前であれば、ゴールデンウィークの旅行客でにぎわっていたはずですが、4月末時点の空港は閑散としており、店も多くは閉まっている状態でした。

旅慣れている人ほど、空港で何が手に入るかを知っているため、足りないものを空港で買おうとする傾向にありますが、現状では空港で店が開いているとは限らないため、事前に手配をしておいたほうが良いと考えられます。私の場合は、空港で海外用のWIFIを借りるつもりでしたが、店が閉まってしまっており、借りることができなかったため、現地でインターネット環境の確保に苦労することとなりました。

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開いている店舗が少ないため、案内図が張られている電子案内板

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閉店している店舗

海外でPCR検査センターを探す

書類の取得で盲点になるのは、日本帰国時にも検査証明書が必要であるということです。このことは、私も出発時まで把握しておらず、成田空港で繰り返し流されている館内放送で知りました。日本人であっても現地出国前72時間以内に受けたPCR検査証明書を提出する必要があり、提出ができない場合は入国が認められません。

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厚生労働省「検査証明書の提示について

PCR検査センターの場所は在エジプト日本大使館からリンクされている大手医療グループのウェブサイト等から検索することができます。ところが、エジプトでは、高温な気候が幸いして1日当たりの感染者は1~2桁程度と極めて少数であり、それにともなってかPCR検査センターが実際に行ってみると閉鎖をされているという状況がありました。また、ラマダン明け休み(イード・アル・フィトル)のタイミングとも重なってしまいました。
結果として最初に訪問した2ヶ所は閉鎖、3ヶ所目はラマダン明け休みのために休業、3ヶ所目のドアに案内されていた4ヶ所目のセンターでようやく検査することができました。当初の予定では短時間で済ませて、カイロ郊外にある屈折ピラミッドを訪問する予定でしたが、午後の遅い時間帯になってしまったため、あきらめざるを得ませんでした。

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ラマダン明け休みによる休業のお知らせ

特にビジネスで訪れる場合には無視できないかく乱要因になりえますので、PCR検査を受けられるセンターがどこにあるのか、本当に開いているのかを事前に確認しておくことをお勧めします。

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エジプトのPCR検査センター

日本への帰国

現在、日本は世界的に見ても入国制限が厳しい国です。帰国便にチェックインするときからその影響はあり、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策質問票にウェブ上で回答しているかを確認されます。私がチェックインした際は、携帯電話のバッテリーが切れかけ、かつWIFIがなかなかつながらず、さらに航空会社ではどのサイトから回答をすればよいのか案内をしてくれないために自分で検索をして探さなければならないという悪条件であったために、かなり時間がかかり、搭乗時間がギリギリになりました。

海外に渡航をする場合は、どうしても相手国に入国できるかが心配になりますが、通常は帰国時の方が厳しいと考えられるため、日本入国の制度を確認しておくことをお勧めします。

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厚生労働省質問表の画面

途中でトランジットしたアジスアベバ・ボレ国際空港、乗り継ぎをした仁川国際空港では新型コロナウイルスに基づく手続はほとんどありませんでしたが、新東京国際空港では厳密な入国前の検査があります。

まず、入国後の隔離が必要か否かの確認手続きがあります。入国後に隔離が必要な国は5月初旬時点では多くありませんでしたが、エジプトはその1国でした。エジプトの場合はワクチン接種証明書があれば自宅隔離、なければホテル隔離に振り分けられます。

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入国前検査手続のために待機する搭乗客

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搭乗客に渡されるチェックシート

その後、PCR検査を受けます。唾液を使うタイプの検査であるため、唾液がなかなかたまらずにかなり苦しい思いをしました。結果が出るまでの時間が短いタイプの検査ではありますが、それでも1時間程度かかるため、無料で配布される食べ物などを食べながら、待機をします。最後に陰性となったら、その証明書を受領して入国審査官に提出し、日本に入国します。

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PCR検査場

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検査結果待ち待機場所

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配布される食糧

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入国審査官に提出する陰性証明書

AIを活用した自宅隔離

入国して自宅に帰ると、1週間の自宅隔離期間になります。
隔離期間中は、携帯電話にインストールを求められるMySOSアプリによって管理されます。
具体的には、①1日数回の位置情報報告、②1日1~2回程度のAIによる自動電話、という2つの仕組みにより、自宅で待機していることを証明します。

①では、1日数回現在地報告を行うように通知が携帯電話に表示されます。「現在地報告」ボタンを押すと、その時の位置情報が送られます。ただし、これだけでは携帯電話を家族に預けて出かけてしまうような人が出る可能性があるため、②のAIによる自動電話、がかかってきます。MySOSアプリ上でテレビ電話を行い、対象者は画面上に表示される枠線の中に顔を入れます。その映像により、通話をしているのが対象者本人かどうか、家の中と思われる場所から通話しているかどうかが確認されるわけです。

外出が許される例外がPCR検査です。検査を受け、結果を提出すると、隔離期間が1週間から3日間に短縮されるという仕組みになっています。検査結果はデータで届きますので、そのデータをMySOSアプリから提出し、承認をされると3日目に自宅待機が完了です。

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現在地確認通知画面

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AIによる自動電話着信画面

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AIによる自動電話画面

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自宅隔離完了通知画面

以上が私のコロナ禍での海外渡航をした流れです。限られた時間の中で、自宅待機があったため、私の場合はゴールデンウィークと有給休暇2日を目いっぱい使って渡航していますが、実際にはほとんどの国に対しては、自宅待機は求められていません。そのため、書類さえ確実にそろえられれば、すでに海外渡航に対するハードルは必ずしも高くないといえます。数年ぶりの海外渡航をしたい人にとっては、すでに可能な状況ですので、是非検討をしてみてください。

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