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  • 2021.02.19

弱体化する組織に見られる予兆とは?

弱体化する組織に見られる予兆とは?

飲食業や旅行業をはじめ、コロナ禍で大きな打撃を受けた企業は少なくありません。今までは順調だった企業の業績が急に悪化したケースもあれば、以前から徐々に衰退していたところにさらに追い打ちをかける形となったケースもあるでしょう。

特に後者については、少しずつ、自分たちでも気づかないうちに組織として弱体化していることがあります。これまで通り経営しているつもりでも、外部環境の変化に鈍感になり、自社の競争力が失われてしまう。どんな企業であっても、その危険性を常に抱えているものです。
この記事では、弱体化する組織に見られる予兆についてご紹介していきます。

弱体化する組織の共通点

誰もが知っている大企業でも、その成長を継続させるのは簡単なことではありません。一見順調に見えても、徐々にその競争力を失いうることは歴史を見ても明らかです。
では、企業の競争力はどのようにして削がれていくのでしょうか。弱体化する組織の多くには、以下の共通点があると考えられます。

弱体化する組織に見られる予兆とは?

それぞれについて、順にご説明します。

内向き・妥協的な意思決定

企業という組織体にとって欠かせない意思決定。この意思決定の質によって、企業の競争力は大きな影響を受けます。経営の意思決定には正解がないため、適切な材料をもとに、積極的な議論が望まれます。時には激しく意見をぶつけ合うことも必要でしょう。
しかしながら、衰退する企業、弱体化する組織においては、議論の数が少なくなり、意思決定の場面で以下の特徴が見受けられるようになります。

・忖度した意思決定がなされる

衰退する企業では、議論を行う際、お互いの領域を侵さないように口出しを避けたり、自分の意見を押し殺してまで上司の意見に同調したり、といったことが起こりやすくなります。

もちろん、どんな組織においても、多かれ少なかれ上記のようなことは起こります。ただ、その程度が甚だしい場合、立場が上の人や声の大きな人の意見がそのまま通ってしまうこととなり、社内での牽制がうまく働かなくなってしまうリスクが大きくなります。

・根回しによる予定調和を重んじる

自社を振り返ってみたときに、社長や役員など、立場が上の人の考えや指示に対して、誰も反対意見を言うことなく、ミドル層が経営会議前に根回しに奔走している、その調整力こそがミドル層に求められる能力になっている、ということはないでしょうか。また、経営会議の前に、議案に対する出席者の意見を組み込むように尽力した結果、気がつくと妥協色の強い提案になっている、ということはないでしょうか。

弱体化する組織において、「予定調和を重んじる文化」ができ始めていた、というケースは少なくありません。意見の摺り合わせ自体が悪いということではありませんが、そこにばかり意識が行ってしまうと悪影響を及ぼしかねないことは想像に難くないでしょう。

・全会一致が当たり前になっている

「和」を過剰に重視し、意見をぶつけ合うことを避ける傾向がある企業では、会議の決議も「全会一致」を暗黙のルールとしていることが多いです。正解のない議論を行う場合、反対意見が出るのも自然なことですが、どんな議題に対しても全員が賛成している、ということはないでしょうか。

一見、全員賛成というのはよいことにも思えますが、常に反対意見が出ないというのは逆に不自然です。「和」を重視するあまり必要な意見交換ができない場合、企業の衰退につながりかねません。

・犯人捜しを避け誰も責任をとらない

「犯人捜しを極度に避ける」のも衰退していく組織の特徴です。事業には失敗はつきものですが、誰に責任があるのか、その所在をはっきりさせることなく、PDCAを回すこともあえて行わないケースが散見されます。

責任の所在を明確化する目的は、責任者を見つけて批判することではなく、同じ失敗を二度としないために過去から学ぶことです。それを「責任をとることを避ける」ために行わないのは、必ずや企業の競争力低下を招くことになります。

以上のような特徴が見られる場合、往々にして「内向き」で「妥協的」な議論が多くなります。本来注視すべき「顧客」や「競合」ではなく、「自社」の都合を優先してしまうのは、弱体化する組織に顕著な特徴です。
その意思決定が何に基づくものなのか。顧客に評価され競合に勝るための意思決定なのか、社内の合意が取りやすいものに収斂してしまっているのか。この点に常に留意することが、弱体化を防ぐ一助となるはずです。

外部環境の変化に対する感度低下

弱体化する組織に見られる予兆とは?

弱体化する組織に見られるもうひとつの大きな特徴は、外部環境の変化に対する感度の低さです。よく知られる「ゆでガエルの法則」まさにそのもので、緩やかに、ただ確実に変化している外部環境に対して特に危機感も抱かず、何も対策を施さないまま時が経ってしまい、気がついたときには既に対応ができなくなっている、というものです。

そもそも、環境の変化に適応するよりも現状を維持したくなる性質は、多くの組織にとって共通だと思います。だからこそ、外部環境の変化に意識的に目を向けることが重要になりますが、弱体化する組織は得てしてその変化に鈍感で、自社のビジネスモデルが通用しなくなっていることに気づかないことが多いです。

外部に意識が向いていないという点で、既述の「内向き・妥協的な意思決定」とも共通しています。自社に意識が向いてしまい、外部の変化に鈍感になってしまう。増大する環境変化のリスクに気づいても、なかなか社内で言い出すことができない。こういったことは、多かれ少なかれ、多くの組織が抱える問題だと考えられます。
顧客のニーズの変化や競合の戦略の変化を常に注視し、自社の強みが維持できているのか、ビジネスモデルが陳腐化するリスクは高くなっていないかを常にチェックすることが大切です。

適切な意思決定・経営改革の未実現

「内向き・妥協的な意思決定」「外部環境の変化に対する感度低下」の結果として顕在化するのが、「適切な意思決定・経営改革の未実現」です。

外部環境は確実に変化しているのに、自社の組織内に危機感がない。変化に対応する必要性を感じてはいるものの、内向きの意思決定理論に慣れすぎて声を上げるに至らない。経営陣は真正面からの議論を避け、従業員は自分のことを棚に上げて「社内評論家」になってしまう。
このような現象が組織の中で常態化してしまうと、外部環境の変化に即した適切な意思決定を行うことが難しくなり、必要な経営改革の実現も困難となるでしょう。

結果として、これまでの経験を重視しすぎた意思決定に終始してしまうと考えられます。また、今のままではいけないと気づいたときであっても、何をすべきかの深い議論は行われず、安易で不適切な新規投資を行ってしまうケースもあるかもしれません。
「内向き・妥協的な社内風土」と「外部環境変化への感度低下」によって、合理的な意思決定能力が低下し、必要な経営改善が行われない。この負の循環こそが、弱体化する組織に見られる特徴です。

定期的な組織風土の見直しを

どんな業界であっても、外部環境の変化は確実に起こっています。むしろ、その変化は加速している傾向にあります。
現実と現場を重視し、事実に基づく議論を尊重できる雰囲気があるかどうか。立場に関係なく、正論や自由な意見を言えるか場があるかどうか。「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」を重視できるかどうか。「社内の理屈」ではなく「顧客のニーズ」に目を向けた意思決定が行われているかどうか。定期的に組織風土を見直し、弱体化につながる予兆はないか、常に配慮することが必要です。

コロナ禍で外部環境の変化が加速している今こそ、競争力を保てる組織を維持できているかどうか、一度点検してみてはいかがでしょうか。

松本 崇

松本 崇

PROFILE

ライター、コンサルタント
福岡県出身。東京大学経済学部卒業後、大手不動産デベロッパーに入社。オフィスビル部門にて営業や事業企画を担当した後、J-REITのIR室長として投資家コミュニケーションに携わる。

2020年中小企業診断士登録。
同年pfworkを創業。専門性と複業を特長として、企業の経営支援・プロジェクト支援に取り組んでいる。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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