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世界で見つけた日本製品【アルゼンチン編】

空前のアジアブーム!? アルゼンチンのマーケット事情

空前のアジアブーム!? アルゼンチンのマーケット事情

豊かな自然と世界中の移民が暮らす都市

ブラジルに次いで南米で二番目に大きな国アルゼンチン。北は亜熱帯、西にはアンデス山脈、南には氷河、東には大草原パンパが広がっています。日本の約7.5倍に当たる278万平方キロメートルの国土を有するこの国の人口は4,449万人(2018年)、その約34%にあたる1,497万人が首都ブエノスアイレスに集中しています。主要産業は農牧業(油糧種子,穀物,牛肉)と工業(食品加工,自動車)です。

農業大国として世界大戦中は世界第4位の経済大国まで成長し、南米のパリとまで言われる繁栄を極めたこの国ですが、2001年の経済破綻以降、貧困とインフレ対策は現在も政策の重要課題となっています。
スペインやイタリアからの移民を中心に、ヨーロッパにルーツを持つ人々が大部分を占めていますが、近年では南米各国、アジア、アフリカからの移民も増えています。

日系人が築いた日本への尊敬と日本製品への憧れ

アルゼンチンには中華街や韓国人街がありますが、日系人の子孫が多い(約23,000人)にも関わらず、日本人街はありません。それは日本人がアルゼンチン社会に溶け込んだからだと言われています。勤勉で礼儀正しく、社会で成功を収めている日系二世や三世は、アルゼンチンの人々から高く評価されています。

1967年に作られた日本庭園はアルゼンチン国内外からたくさんの人が訪れる観光名所となっており、毎週末開催される日本文化イベントは沢山の人で賑わいます。

空前のアジアブーム!? アルゼンチンのマーケット事情

日系人や日本への尊敬は日本製品に対する評価にも表れており、日本車はアルゼンチン人の憧れとなっています。また、バイク社会でもあるので YAMAHA もよく目にします。電子機器では、TOSHIBADAIKINCASIOCANONPanasonicが有名です。
近年、中国や韓国企業に押され日本企業撤退が相次いでいるというニュースがありました。政治や経済が不安定という要素もありますが、「日本の製品やサービスは高品質だが、値段が高く対応が遅い。とりあえず使えるものであれば中国・韓国製品で十分」といった意見も耳にします。

空前のアジアブーム!?

和食として定着したSUSHIやラーメンの他に、最近では焼き鳥やカレーライス、WAGYUなども人気です。また、流行の発信地であるお洒落なパレルモ地区では、アジア料理を屋台で楽しめるフードスペース「The Night Market」ができ、毎晩新しい食を求める若者で賑わっています。
イタリア系の移民が多いためピザやジェラート店が多く、アルゼンチン人にも人気ですが、最近は糖尿病患者の増加もあり、健康への意識も高まっています。増え始めたベジタリアンが通う健康食品のお店には、Tofu(豆腐)が必ずといっていいほど置いてあります。

マテ茶文化のアルゼンチン、お茶が流行

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アルゼンチンの人々は日常的にお茶をよく飲んでいます。今も根強い人気なのはマテ茶ですが、昨今では紅茶や緑茶などに留まらず、フルーツやお花をブレンドしたものなどが流行しています。カフェのメニューには何種類ものフレーバーの「Té(お茶)」が並んでおり、スーパーでもたくさんの種類のお茶が売られています。また、鉄器の急須で出すお洒落なお店が増えたこともあり、茶器も人気になっています。

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忙しさ・騒がしさの中にアルゼンチン人が求めるもの

もともとのんびりしているアルゼンチン人も、国際化するにつれだんだんと先進国のように時間に追われる気忙しい社会になりつつあります。政治経済が不安定なこの国では毎日の生活で不安を感じることもあり、ストレスを抱える人も少なくありません。心理カウンセリングに通うことは一般的で、国民の大部分が通っていると言われています。そのような背景の中、「ZEN(禅)」や「REIKI(霊気)」など日本由来の考え方やセラピーが癒しの手段として定着しています。

地球の反対側にあるアジアは「エキゾティック」を感じる対象であり、騒がしくカオティックなブエノスアイレスに住む人々にとって、「静寂」や「整然」を感じられる日本文化は癒しを感じられるものとなっているのでしょう。

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多岐に渡る日本文化への興味

ブエノスアイレス近郊のラプラタ市にある日本人学校では盆踊り大会が開催されており、15,000人以上が参加します。コスプレや浴衣で参加する人も多く、名物の焼き鳥の屋台を筆頭に100近くの露店が並びます。

日本の哲学や伝統文化に憧れを持つアルゼンチン人は多く、墨絵や和太鼓、合気道や空手を学ぶ人もいます。着物のデザインにヒントを得た服や折り鶴のピアス、和紙を使った商品などの日本風商品も店頭に並んでいます。

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また、アルゼンチン人は植物が大好きです。ブエノスアイレスの市内を少し歩けば、どの建物のベランダにもたくさん植物が並べられているのに気づくでしょう。Bonsai(盆栽)も定着しており、園芸店だけでなく路上でも販売されています。移民した日本人が花卉業を営むことが多かったため、花卉業は日系人が多い職業とされています。

実際に日本に行った人が求めるもの

日本はアルゼンチン人にとって夢の旅行先の一つであり、年々渡航者は増加傾向にあります。2019年はラグビーワールドカップもあり、日本旅行者は48,500人と2018年の16,500人から3倍近く増加しました。一度日本に行くと強烈な日本ファンになるようで、何回もリピートする人もいるようです。 

日本から帰ってきた人から「トイレを買って帰りたかった」という話もよく聞きます。ヨーロッパのビデ文化はありますがウォシュレットトイレはまだ普及しておらず、大体のトイレには便座の横にビデが置かれています。また、雪はあまり降らないとはいえ、冬場は5℃近くまで冷え込むブエノスアイレスでは、温かい便座は喜ばれるに違いありません。

アルゼンチンで販売されている和食関連商品

ブエノスアイレスに日本食品専門店は数えるほどしかなく、日本食品の多くは中華街を中心とした中国・韓国系のスーパーの中に陳列されています。和食器や炊飯器、ホットプレートなども販売されています。

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お米と米酢、醤油、わさびなどが寿司キットとして売られており、健康ブームに乗って味噌も目にするようになりました。梅酒は日本好きの人に大人気で、日本酒はお洒落な飲み物として広く知られています。日本料理を作ってほしいとアルゼンチン人に頼まれたとき、カレーや焼きそばを作るととても喜ばれます。

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アルゼンチン進出について

日本に興味・好意を持っている人が多い中、現地に根強いネットワークを持つ中国・韓国移民が輸入する製品が日本製品より優勢です。商品力や価格競争力でそのマーケットの構図を変えていけるかが鍵となるでしょう。

「とりあえずやってみてから考える」というアルゼンチン人に対し、綿密に計画を練ってから動きたい日本人。生き方・考え方が全く違うので、一緒に仕事をするとなると難しく感じることもあるかもしれません。ただ、即興性が高く融通が利くという長所もあり、アルゼンチン人のクリエイティビティに助けられる部分もあるでしょう。

折田 かおり

折田 かおり

通訳・翻訳、ライター

PROFILE

大阪外国語大学卒業。リスボン大学へ国費留学。
国際会議企画・運営、国内大手劇団での広報等の企業勤務を経て30代半ばでアルゼンチン移住。
文化芸術分野を得意とし、首都ブエノス・アイレスを拠点に通訳・翻訳、現地コーディネーター、ライターとして活動。現地企業視察アテンド、日本企業向けの情報リサーチ業務もこなす。
アルゼンチンタンゴ歌手としても活躍中。

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