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  • 2019.10.15

「経営デザインシート」で、自社の「これまで」と「これから」を見つめ直す

「経営デザインシート」で、自社の「これまで」と「これから」を見つめ直す

「経営デザインシート」とは、内閣府知的財産戦略本部のもとに設置された「知財のビジネス価値評価検討タスクフォース」が提案した、企業が新しい価値を構想(デザイン)していくことを加速するツールです。
「経営デザインシート」という言葉をまだ聞いたことがない、という経営者の方もいらっしゃるかもしれません。本記事では、経営デザインシートが生まれた背景から、作成の仕方まで解説いたします。

1.経営デザインシートが生まれた背景

 企業が新しい価値を構想することが、なぜ求められているのでしょうか?
「経営デザインシート」が生み出された背景には、社会構造の変化があります。20世紀までは大量生産・大量消費が主流でした。モノ不足が背景にあり、大量に製造したモノを市場に投下すれば売れた時代です。

しかし、21世紀からは新技術・新製品でも、ニーズやウォンツを捉えたものでなければ、売れない時代となっています。企業が持つ人材力やノウハウ、ビジネスモデルなど、見えにくい「無形資産」を企業の価値の源泉とし、ニーズやウォンツに接近する価値を生み出す仕組みを構築することが重要になります。

2.経営デザインシートで自社を見つめ直す

(1)経営資産を「見える化」する

価値を生み出す企業の仕組みを考えるためには、企業の強みとなる経営資産を棚卸しし、将来の価値創造の能力を「見える化」する必要があります。
しかし、この経営資産は組織力、技術・ノウハウ、ビジネスモデルなど、企業が日頃「当たり前」として使っている資源のため、なかなか言語化する機会が少ない「見えない資源」ともいえます。
「見えない資源」だからこそ、企業が他企業と差別化し得る原資となるのです。

(2)経営資源の再確認から、戦略策定が1枚のフォーマットで可能

「経営デザインシート」で、自社の「これまで」と「これから」を見つめ直す

「出所内閣府知的財産戦略推進事務局 経営デザインシート(全社用)」を元に作成

内閣府は、経営デザインシートについて次のような定義をしています。

環境変化に耐え抜き持続的成長をするために、

A)自社や事業の存在意義を意識した上で、

B)自社の「これまで」を把握し、

C)長期的な視点で「これから」の在りたい姿を構想する。

D)それに向けて今から何をすべきか戦略を策定する。

A)は一番上の「自社の目的・特徴」と「経営方針」の箇所です。(B)は中段左半分を指します。(C)は、その反対の中段右半分、(D)は下部にある「『これから』の姿への移行のための戦略」を指します。
この経営デザインシートを作成することで、経営資源の見直しからスタートし、外部環境の変化を見つめ、これから自社が提供すべき価値を見極め、それに向けた戦略を1枚のシートで示すことができるのです。

3.経営デザインシートを書いてみよう

初めて経営デザインシートを作成する場合は、項目がよりシンプルになっている、「簡易版」からトライしてみることをお勧めします。今回はこの「簡易版」に沿って作成のポイントを解説します。

「経営デザインシート」で、自社の「これまで」と「これから」を見つめ直す

「内閣府知的財産戦略推進事務局 経営デザインシート(簡易版)」を元に作成

(1)複数人でトライ、新たな価値創造を生み出す

この経営デザインシートは、経営者が1人部屋にこもって作成するものではありません。ぜひ、従業員や外部の専門家と一緒に、たくさんの付箋を使いながら、様々なディスカッションをする中で作成してみてください。

(2)記入できるところから考えていく

オーソドックスな作成の順番は、次の順番です。

①【中段左】これまでどうだった?(資源→ビジネスモデル→提供価値(誰に、何を))

②【中段右】これからの価値を生み出す仕組み(提供価値(どんな相手に、何を)

→ビジネスモデル→資源)

③【上段】将来構想のキャッチフレーズ

④【下段】20〇〇年に向けていまからどうするか

作成のポイントは、この順番にとらわれず、書けるところから記入してみることです。欄を埋めることに一生懸命になってしまいそうですが、参加者全員で「考える」ことに重点を置きましょう。

(3)「これまで」を考える

 まず中段左の「これまで」を考えるポイントについて解説します。

・資源~企業がもつ資源はなにか?
左側にある「資源」については、企業が持つヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源のことを指します。特に、企業がもつ知財やノウハウについてはここに書き出しましょう。例えば、「当社しかできない加工技術を保有している」、「新事業に投資できる強固な財務基盤がある」、「家族のような風通しのよい社風」などです。

・ビジネスモデル~価値に変換する仕組み
真ん中にある「ビジネスモデル」については、「資源」を用いて、価値に変換する仕組みのことを指します。前項「資源」で列挙された経営資源を生かし、どのようなビジネスモデルを築いているのでしょうか?例えば、資源である「当社でしかできない加工技術」により、「グローバルニッチトップ部品の設計・製造」というビジネスモデルを築いている、などです。

・提供価値~誰(顧客)のどのようなニーズに応えてきたのか?
右にある「提供価値」は、顧客のどのようなニーズに応えてきたのかを記入します。例えば、「短納期、少量生産」、「特殊構造を持つ部品製造に迅速対応」などが挙がります。
これら、「資源」・「ビジネスモデル」・「提供価値」については、それぞれの項目がつながりをもつように意識して検討してみましょう。

(4)「これから」を考える~SDGsも取り入れ、外部環境の変化を捉える

「これから」も「これまで」と同様に、「資源」・「ビジネスモデル」・「提供価値」の視点で検討しますが、一つ「外部環境」という項目が追加されています。
これから自社を取り巻く外部環境はどのように変化するのでしょうか?それによって、顧客や提供すべき価値は変化するでしょうか?そういった視点で議論をすると、「これまで」保有している自社の経営資源やビジネスモデルについて、新たな角度から生かせるものが発見されるのではないでしょうか。
また、外部環境ではSDGs(持続可能な開発目標、詳しくは「中小企業こそSDGsに取り組むべき理由~「三方よし」の実現に向けて」を参照)の観点も取り入れてみましょう。

(5)将来構想のキャッチフレーズ、戦略を考える

このように「これまで」と「これから」の経営資源・ビジネスモデル・提供価値・外部環境について検討することで、将来企業がどのような道を進むべきか方向性が見えるでしょう。上段の「将来構想のキャッチフレーズ」には、議論した結果導き出された、企業が向かうべき方向性を一言のキャッチフレーズでまとめます。
また、その将来構想を実現するために、今から何をする必要があるでしょうか?その観点は下段の「いまからどうするか」に記入します。これがそのまま企業の経営戦略にあたります。

4.経営デザインシートを共有し、内外との会話のきっかけに

作成した経営デザインシートは、A4シート1枚で、企業の経営資産を「見える化」できますので、金融機関・投資家・企業支援者など、外部との対話・連携推進に役立てることができるとともに、社内の従業員との対話に役立てることができます。
「経営デザインシート」のフレームワークを利用して自社の経営資源を見つめなおし、新たな価値創造にチャレンジしましょう。

【参考】
内閣府知的財産戦略推進事務局「経営デザインシート―経営をデザインする―」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/siryou01.pdf

デザインシートテンプレートや実際に企業がやってみた記入例、活用例などを
以下のページで見ることができます。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html


記事中の図は下記PDFを元に作成。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/siryou1.pdf
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/designsheet_kani.pdf

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