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  • 2018.03.16

買わずに借りる時代へ。シェア・レンタルビジネスはどう進化する?

買わずに借りる時代へ。シェア・レンタルビジネスはどう進化する?

スマートフォンの普及を背景に、個人が所有する遊休資産を他者に貸し出す「シェアリング・エコノミー」が増加しています。シェア・レンタルサービスが身近な存在となり、ライフスタイルにも変化がみられます。消費心理の変化を解説するとともに、いま注目のサービスを紹介しましょう。

「所有」よりも「シェア」を選ぶ価値観へ

国内のシェアリング・エコノミーの市場規模は、2014年度には約233億円でしたが、2018年度には462億円まで拡大すると予想されています(矢野経済研究所「シェアリング・エコノミー(共有経済)市場に関する調査結果2015)。これには、モノの所有に対する価値観が大きく変化したことが理由のひとつとして考えられます。

PFG生命が2016年に行った「シェアリング・エコノミーと所有に関する意識調査 2016」によると、「多くの物を所有することは幸せだ」と回答した人の割合は4割を下回り、逆に「そう思わない」と回答した人が6割を超えています。また、「自分のスキルや知識が、誰かの役に立つのは嬉しい」(93.2%)、「不要な物は捨てるより、譲ったり売ったりしたい」(79.1%)、「レンタル品や中古品の利用に抵抗はない」(67.1%)といった回答も高くなっており、大量消費を豊かさの象徴としていた価値観が大きく変化していることを表しています。

シェアリング・エコノミー型のサービスにどのような魅力を感じるかという設問では、50代、60代は「無駄が少なく、環境に優しそう」が半数以上を占め、20代、30代は「お財布に優しそう」との経済的理由が他の世代より高くなっていました。

「借りる」ことへの抵抗感が減少し、各世代においてシェア・レンタルするメリットに関心が集まっていることがわかります。一過性のブームではなく、今後も成長が見込まれる市場とみることができるでしょう。

日本のシェア・レンタルビジネスの現状は?

幅広い年代から支持を得ているシェア・レンタルサービスでは、これまでになかったサービスが次々と登場しています。そのひとつが「ファッションレンタルEC」と呼ばれる、アパレルの月額制レンタルシステムです。

「air Closet」は、月額6800円を支払うことで、スタイリストが選んだ洋服3着が自宅に届くサービス。送料負担やクリーニングが不要で、気に入った服は購入することもできることから、若い女性を中心に利用者が拡大しています。

「Laxus(ラクサス)」は、月額6800円で高級ブランドバックを使うことができるサービス。シャネルやルイ・ヴィトンといった30近いブランドの高級バッグを自分で選び、無期限で使用できるため、幅広い世代に人気が広がっています。

また、実店舗を活用したレンタルサービスも登場しています。有楽町マルイにある「フォードットウオッチ」は、高額時計を集めたレンタル専用の店舗。約60点の時計を手に取りながら、好きなものを選ぶことができます。価格は、10~15万円の時計が対象となる月額3980円のプランのほか、60~200万円の時計が対象となる月額1万9800円のプランなど、4タイプが用意されています。

他にも、相乗りで移動にかかる費用を安く抑える「ライドシェア」や、自分が所有する駐車場の空き時間を他人に貸す「駐車場シェア」、空き部屋を旅行者などに貸す「民泊」などのサービスも注目を浴びています。

中国ではレンタルサービス「淘宝租賃」(アリババ)がスタート

日本以上にシェアビジネスが普及している中国では、新たなレンタルサービス「淘宝租賃」がスタートし注目を浴びています。これは、アリババが運営するCtoCサイト「淘宝」のサービスのひとつで、「万物をレンタルできる」ことを目指しています。

アリババグループの旗下にある信用情報機関「芝麻信用」と連携し、個別に保証金、頭金の有無や額を決めることで信用事故を小さく抑えることを実現しています。サムスン、ハイアールなど、70ブランドの公式レンタル業務をはじめとする200のレンタル業者も業務を開始します。

ターゲットにするのは、「90后」と呼ばれる1990年代に生まれた世代。収入は高くないが消費に貪欲。それでいて占有欲はあまりなく、個性や多様性を重視している世代といわれ、対面を気にする年長世代とは違う感覚を持っています。

レンタルできるモノの中には、家電や家具、ベビー用品、礼服、ブランドバックなどのほか、熱気球やクルーザーもあり、まさに“万物”というにふさわしい内容となっています。このレンタル事業により、中国人のライフスタイルが変わるといわれており、世界中から注目を浴びています。

新たなライフスタイルを生みだすサービスに期待

価値観の変化に合致するシェア・レンタルビジネスは、今後も加速することが予想されます。モノを所有するのではなく、シェアしながらライフスタイルを豊かにしていこうという考えは、経済活動にも大きな影響を与えるでしょう。これからのシェア・レンタルビジネスの発展から目が離せません。

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