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競争から協調へ (会宝産業株式会社)

競争から協調へ (会宝産業株式会社)

中古自動車を解体し、パーツを国内外に販売する石川県金沢市にある会宝産業株式会社。1969年の創業当時は、廃棄自動車を買い付けて解体し、鉄くずを国内で販売していた。だが、高度成長期に大量に増え続ける産業廃棄物に危機感を覚え、徐々にエンジンや部品販売も手掛けるようになる。

ある時、中古エンジンの買い付けに来たクウェートのバイヤーが、当時日本で販売していた価格の3倍で購入を申し入れてきた。海外に商機を感じた同社は海外事業を推進し、口コミやHPからの問い合わせなどから、順調に海外での売上を伸ばしていった。

販路拡大を検討していた折、世界中のバイヤーから引き合いを集められるアリババのサービスを知り、迷わず利用を決めた。サービス開始後、それまで取引先が少なかった南米圏からの受注を獲得。狙い通りだった。

競争から協調へ (会宝産業株式会社)

海外事業を推進する同社には課題があった。本来商品の価格は売り手が決めるのが一般的なのに対し、中古エンジン業界は真逆。バイヤーが価格を決める慣習だった。走行距離などが不明瞭な中古エンジンに対してバイヤーが直接商品を見て値踏みをするのである。この慣習は自分たちの商品価値をマーケットに認めてもらう努力を怠った結果だと捉えて改革に着手した。

改革の一つが、中古エンジンの状態を可視化した独自の評価規格「PAS777」だ。この規格を取得した中古エンジンにはタグが付けられ、現在は海外でもこのタグが安心の証として認知されるまでになった。

また、誰もが納得できる価格で中古部品の取引ができるマーケットとして、中古自動車部品のネットオークションをUAEで開催した。それまで中古自動車部品の競りはあったが、ネット入札でのオークションは世界的にも例がない試みだった。オークションの開催にあたってはライバルであるはずの同業者と組み、協同で出品した。会長が掲げる『競争から協調へ』という言葉の通り、将来のマーケットを一緒に作っていく同志と捉えての判断だった。

これまでの輸出先は累計86カ国を数え、海外売上も年商の80%を占める。今後は、中古エンジンを世界中に届けるだけでなく、そこに日本の和の心、物を大切にし、後始末をきちんと行う文化も合わせて届けたいという。今後の展望にも社会貢献への姿勢が社員に伝播し創り上げている「会宝スピリッツ」を感じた。

実は会宝の社名の由来は、「宝に会う」という意味を込めてつけられた社名。今日も会宝産業は産業廃棄物に魔法をかけ、宝を循環させているに違いない。

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