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  • 2017.06.21

意外なところから見つかる新商品アイデアとは?

意外なところから見つかる新商品アイデアとは?

「売上拡大」のために新商品を作りたい、というのは多くの経営者が共通して持っている願いです。しかし、新商品の企画に慣れていないと「そうは言っても、どうすれば売れるものを考えることができるのか……」と、なかなかアイデアが出てこずに困ってしまう場合も少なくありません。そこで、「売れる新商品」のアイデアは意外なところから見つけられることを、いくつかの事例を通して紹介します。


高級食材を使用し、こだわりを前面に押し出す店の前は、強気な価格設定にも関わらず常に長蛇の列を成しています。なぜ消費者は安さから高級志向へと転化しているのか。昨今のハンバーガー、ラーメン事情からその理由に迫ります。

「いちご大福」がヒット商品になった理由とは?

今ではごく当たり前に売られている「いちご大福」ですが、50年前にはまだありませんでした。昔からある大福の中にいちごを入れた、というシンプルな商品ですが、食べてみるといちごの甘酸っぱさとあんこの風味の組み合わせは「どうしてこれが今までなかったんだろう?」と思えるほど絶妙で話題となり、1985(昭和60)年にヒットした商品として記録されています。


このように元からあるものに「ちょっとしたアレンジ」を加えるのは新商品開発の定番的手法です。食品の世界ではこれがきわめて多いことはどなたも実感されていることでしょう。ラーメン、カレー、サンドイッチ、おにぎりなどで、この種のバリエーションが無数にあります。


それだけに、ちょっと目を引くことはできてもヒット商品になるのは難しいものです。コンビニエンスストアでは毎週100種類程度の新商品が発売されていて、1年経ったときに残っていものはごくわずかです。「ちょっとしたアレンジ」による新商品開発は比較的簡単で、競合他社も同じことをするため現実には激しい競争の中に埋もれてしまうことのほうが普通です。しかし、そんな中でもぽっかりと開いた「発想の空白」からアイデアが生まれることがあり、そんな空白から生まれた商品は長く定番として残るものです。「いちご大福」はまさにそうした商品でした。当時和菓子業界では「大福に生ものを入れる」という発想がなく、元祖の1つとして知られている東京・新宿の和菓子店では店主がショートケーキを食べていてひらめいたと言います。


ずっと1つの業界でビジネスをしていると、「今までの常識」に知らず知らずとらわれていて、こうした「発想の空白」に気がつかないことがあります。自社の商品にも「ちょっとしたアレンジ」ができないか? を考えてみると良いでしょう。

古典的名作の表紙を変えたら異例の大ヒット!

「ちょっとしたアレンジ」は、商品そのものではなく、パッケージデザインや販売単位、販売チャネル、使い方の提案などに施すと効果的な場合もあります。


『人間失格」と言えば太宰治の古典的名作ですが、2007年に集英社が表紙に人気漫画家のイラストを採用した新装丁版を出したところ、1ヶ月で7万5千部を売り上げる異例の大ヒットとなった例があります。他にも、保湿機能の高いティッシュペーパーとして有名な王子ネピアの「鼻セレブ」シリーズは、動物の鼻が見えるように撮ったクローズアップ写真のパッケージが、「カワイイ上にわかりやすい」と人気を呼びました。また、Nintendo DS 用のゲーム「レイトン教授と不思議な町」のヨーロッパ版は日本国内向けとは違う重厚なパッケージに変更し、国内の販売数を大きく上回る売上を記録しています。

販売単位変更や使い方(食べ方)の提案が効果を上げることも!

赤ちゃんが生まれたときには欠かせない「紙おむつ」を、ユニ・チャームはインドネシア市場では1枚単位で買える個別包装形態で売り出しました。必ず毎日使うものだけに、日本国内では数十個単位で販売されるのが普通ですし、社内では猛烈な反対意見もあったそうです。しかし、現地をよく知る担当者の粘り強い説得を受けて個別包装販売戦略を採用した結果、大成功。インドネシアでの紙おむつ市場に占めるシェアは60%を超えています。


また、カルビーは1991年から販売しているシリアル商品「フルーツ・グラノーラ」について、それまでは「子どもの朝食」というイメージで消費者に認知されていたのに対し、「おとなの健康的な食事のわき役」というイメージに変えた新しい販促活動を展開。その結果2012年度に対前年比169%の大幅増を記録し、「グラノーラ・ブーム」と言われるほどの注目トレンドを作ることに成功しました。


これらの例からも、商品そのものに限らず、パッケージ、販売単位、使い方、売る場所などにも新商品・販売促進の手がかりはあることがわかります。

新しいアイデアを生むのは「よそ者」「若者」「ばか者」?

近年、「地方創生支援」というテーマでよく言われることの1つに、新しいアイデアをもたらして地域を元気にしてくれるのは、それまでの常識にとらわれずに一からアイデアを考えて粘り強く実行してくれる「よそ者」「若者」「ばか者」である、という説があります。


確かに、「大福に生ものは入れない」という和菓子業界の常識にとらわれていたら「いちご大福」は生まれなかったでしょうし、「紙おむつはバラ売りしない」という国内の常識にこだわったらユニ・チャームのインドネシア事業の成功はあり得なかったでしょう。
しかし、大事なのは「常識にとらわれず」に「粘り強く試す」ことであって、それは「よそ者」「若者」「ばか者」でなくとも可能です。逆に、それまでの経験が豊富だからこそ様々なトライアルのアイデアを出せる面もあります。

「いちご大福」も、いちごを入れるというアイデア自体は単純でも、商品としてのクオリティを保ってそれを完成させるためには様々な試行錯誤が必要だったと言います。ユニ・チャームのインドネシア戦略も、「バラ売り」というアイデアだけではなく、一般家庭を何百件も訪問調査して得た現地のニーズに合わせて徹底的な商品改良をした上でのものでした。これらは単純な「よそ者」「若者」「ばか者」ではなく、関連技術を知る業界のプロだったからこそできたことと言えます。


ただ少なくとも1つ言えるのは、「違う世界に触れることは大事である」ということです。和菓子店の店主はショートケーキを食べて「いちご大福」のアイデアを思いつきました。ユニ・チャームはインドネシアを訪ね歩いて商品改良のヒントを集めました。


あなたは新商品を考えるために、違う世界に触れていますか? 毎日同じ場所を通勤で使い、同じ人と話をしているだけではアイデアは生まれることはないでしょう。自社の新商品を必要としそうな人がいる、その場所に出かけて話を聞いてみることが大事です。

「売れる」新商品アイデアは、必ずしも商品そのものについてのものとは限りません。パッケージデザインを変えることで売れ始める商品はよくあります。お客様が買いやすい販売単位、買いやすい場所になっているでしょうか? なじみのない商品(食品)についてその使い方(食べ方)をきちんと説明できているでしょうか? そんな様々な面からアイデアを探しましょう。常識にとらわれずに新しい発想を得るためには、違う分野に触れることが重要です。新しい客層、たとえば海外に売り出すときには実際に現地の人の生活や考え方をよく知ることからアイデアが生まれてきます。そして粘り強く育てることが大事です。

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