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  • 2017.06.26

ハイチオールC、ドライゼロから学ぶ、商品が売れないときにやるべきこと

ハイチオールC、ドライゼロから学ぶ、商品が売れないときにやるべきこと

力を入れて売りだした新商品が売れない、かつての人気商品の売上が減少している、そうした事態に陥ると、焦りが先行して販路開拓や広告のたたき直しにばかり目が向きがちです。
しかし「誰に売るのか」を再検討することで、新たな販路が見いだせるケースもあります。

その商品を本当に欲しがるのはいったい誰なのか、根本から見直して見事ヒットにつなげた事例を見ていきましょう。

男性から女性にターゲットシフトした「ハイチオールC」

ネット上の噂を検索すると、ハイチオールCが二日酔いに効くらしいという口コミが多数見つかります。それもそのはず、1972年の発売当初は二日酔い・全身倦怠の改善を謳う中高年の男性向けビタミン製剤として扱われていたのです。その背景には、1967年に発売された同じシステイン配合の滋養強壮剤「エスファイト」の存在があったと思われます。

転機となったのは、1998年です。ハイチオールCの成分には二日酔い解消へ導く肝臓への働きがありますが、メラニンの無色化と新陳代謝を活発化する効果も認められていました。

折からの美白ブームとドラッグストアの台頭を追い風に、訴求ターゲットを女性にシフト変更したところ、
「シミ、のんで治そう。ハイチオールC」のフレーズが瞬く間に話題をさらい大ヒットとなります。それまで1日当たりの服用量が12錠だったのを6錠とし、錠剤を小型化して飲みやすく改良したのもこのときです。

中高年男性から若い世代の女性へと、思い切ったターゲット変更に舵を切ったことで、新規販路が開けた瞬間でした。

ノンアルコールビールの白地ターゲットに焦点をあてたドライゼロ

2010年に売り出されたアサヒビールの「ダブルゼロ」は、他社のノンアルコールビール飲料に大きく引き離されていました。さらに東日本大震災による工場への影響もあり、当時のシェア率はわずか2%だったといいます。「一人負け」と揶揄されていた商品が、「ドライゼロ」に生まれ変わって、他社製品を圧倒するまでになったのはそれから2年後のことです。

ヒットの陰には、のべ5000人以上に及ぶ顧客への徹底した調査がありました。当時、ノンアルコールビール市場が主なターゲットとしていたのは、女性やドライバー、妊婦など。そのため、ライトで健康的な味わいが主流となっていました。

しかし顧客のデータから見えてきたのは、求められているのは「本格的なビールテイストである」ということでした。普段からビールを飲み慣れている人がノンアルコールビールを選択しなければならない場面で、ビールの完璧な代替品となり、男性が満足できる商品にニーズがあることを突き止めたのです。

“ビールの味に近い飲料”のニーズは、それまでノンアルコールビール市場でターゲットとされていなかった層から浮かび上がりました。新たなターゲットに向けた商品開発により、ドライゼロは発売後まもなく24%というシェア獲得に成功します。

売れるかどうかは「ポジショニング」で決まる

マーケティング施策において、ポジショニングは欠かせない手法です。

ポジショニングが目指すところは、ターゲットが抱く自社製品の明確な位置づけです。他社製品との決定的な違いをターゲットに把握させ、差別化によって購買行動を促します。同じような商品が並ぶ中で、消費者に価値を認めてもらうためには、自社製品独自のイメージを植えつけなければなりません。
ポジショニングを検討するときに重要視するのは、顧客の視点です。なぜその商品を購入しようと思うのか、他の製品とどう違って映るのか、どういった場面で購入したいのか。そうした要素を丁寧に洗い出し、自社製品のあるべきポジションをつかみます。

このポジショニングが的確に成されているかどうかが、売上向上の大きなカギとなります。

どれほど良い商品が開発されたとしても、訴求する相手を間違えていれば購買者の心に届きません。同じ商品であっても、ターゲットや訴求ポイントを変えることで新規販路開拓につながることもあります。
既存の販売戦略に不安があるときは、自社製品の持ち味を再度鋭く追求し、ターゲットの層を固定せずに見直しを図ると、思いがけない打開策が生まれるかもしれません。

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