三輪氏がAlibaba.comに初めて参入したのは2011年のことでした。文房具、ハンドクラフト、日用品を扱う商社である株式会社グランツリーは、海外市場への進出を目指してプラットフォームに参加。しかし、膨大な数のバイヤーからの問い合わせに対応しきれず、一旦立ち止まり、社内体制を見直す必要がありました。
それでも諦めなかった三輪氏は、2015年にAlibaba.comへ再挑戦。効率的に問い合わせを管理できる社内システムを構築し、戦略を洗練させた結果、新規顧客とリピーターの両方を獲得し、プラットフォーム上での存在感を確立しました。しかし、製造業者との複雑な連携が必要な予期せぬ問い合わせが増加し、長期的な成長を見据えて再び事業を一時休止する決断を下しました。
その粘り強さが実を結びました。2022年、三輪氏はAlibaba.comに再び参入。今回は信頼できるブランドパートナーのネットワークを築き、海外事業を株式会社グランツリーに一任する体制を確立しました。これにより、バイヤーのニーズに迅速に対応できるようになり、サービスの質が大幅に向上。さらに、リピーター向けの専用ECサイトを立ち上げ、購買プロセスの効率化と持続的な売上成長を実現しました。
現在、株式会社グランツリーはAlibaba.comを通じて年間180万ドル以上の売上を達成し、中国、米国、オーストラリアを含む30カ国以上に輸出を行っています。月平均50件の問い合わせに対応し、終日ログイン体制でグローバルな事業拡大を続けています。三輪氏はAlibaba.comが提供する機会に深く感謝し、「世界中のバイヤーとつながることができた」と述べています。
三輪氏の影響はビジネスの枠を超えています。Alibaba Japan主催のサプライヤーイベントで講演を行い、起業家たちを励ますとともに、AGSアワードにも積極的に参加し、学び続ける姿勢を示しています。「世界のサプライヤーとつながり、多くを学べることが楽しみです」と語る彼女の言葉は、共成長の力を信じる姿勢を反映しています。
三輪一美氏の物語は、単なるビジネス成功の話ではなく、レジリエンス(回復力)、戦略的進化、そして卓越性を追求する精神の証です。変化を受け入れ、戦略を洗練し続けることで、持続的な成長と新たな機会を生み出すことができる。彼女の経験を共有することで、他の企業にも適応力を持ち続ける重要性を伝えています。Alibaba.comのようなグローバルプラットフォームを活用すれば、無限の可能性が広がり、持続的な成功へとつながることを証明しています。