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CASE小さな花屋が海外売上比率9割超の貿易会社になるまで本当に良い物を売る 商売の本質株式会社CLOVER TRADING

売上は行動力に比例する 三代目社長の開拓力

大阪と京都の中間に位置する大阪府高槻市。ゆっくりと時間が流れる、大阪を代表するベッドタウンだ。JR高槻駅から車で10分ほど走らせた場所に株式会社CLOVER TRADING はある。 一見するとどこにでもある「街のお花屋さん」という外観だが、実は年商の90%以上を海外売上が占める貿易会社である。8年前までは海外売上0、貿易未経験だったという同社がアリババをきっかけにしてどのように海外販路を拡大していったのだろうか?社長の西井氏にお話を伺った。

家業の花屋を継ぎ、貿易会社を立ち上げる

家業の花屋を継ぎ、貿易会社を立ち上げる

同社の創業は1930年に祖父の西井正之助氏が京都のお寺に専属で花を納める「個人商店 花正」を京都で開業したことに始まる。父の西井忠義氏がその跡を継ぎ、1969年に高槻市に移り生花店を始めた後、園芸業に手を広げた。
その後、現任の西井健二氏が会社を継ぎ、新たに造園業も手掛けるようになり、さらに2010年からは貿易会社も興した。この貿易会社が株式会社CLOVER TRADINGである。

立ち上げの経緯は、高槻の造園事情と、イギリス留学時代の友人から聞いた情報が深く関わっているという。

「当時の高槻では私と同じくらいの世代の人が、親の庭の敷地に二世帯住宅を建てるというのが流行っていた事もあって、庭先に生えている松や槙を伐採処分する仕事があった。処分する木々がもったいなくもあり、心苦しく感じていた時に、イギリス留学時代の知人から『ヨーロッパで日本の植木が結構売れている』という話をたまたま聞いて。『じゃあ売ろう』と思って会社を興しました。」
商材の貿易事情について調べる前に会社だけは先に興したという西井氏。このエピソードだけでも行動を起こすまでが早いのが十分わかる。

実際に貿易業を始める様になったのは、Alibaba.comに出展をしてから。アリババとの出会いは、貿易について調べていた時にネット検索でアリババがヒットして資料請求をしたことに遡る。サービス内容を営業から聞いた西井氏は、その後出展を決めて本格的に貿易業を始めるようになる。

主導権を握るため、最初に損をする

初めての成約はアリババに出展してから半年後。相手はベトナムの商社で20フィートコンテナ1本分、自腹を切って無料で発送した。そこには貿易の勝手を覚えるということ以外にも、自身が考える商いの原理原則によるところが大きい。

「国内も海外も取引で決定権を持っているのは、常に買い手です。買い手はお金のリスクが常にありますから。なので、売り手が決定権を持つには自分達が損をすればいいのです。それと初めての取引相手とは、相手が信頼できるかも確認します。
一度取引をすれば相手が取引に慣れているか確認できますので、自分が最初に損をして輸出をすれば、『良い案件だったけど成約にならなかった』ということもなく、慣れている取引相手かも確認できるので、最初は自腹を切ってコンテナ1本を無料で送りました。送る量もあまりなかったのですが、貿易の流れも知りたかったのであえてコンテナで出しました。幸いすぐに次の注文が来て良かったです。」

主導権を握るため、最初に損をする

ネットを通してやりとりをしている時に良い手応えがあったからこそ無料で発送したのだが、多くの企業がやっている正攻法ではない事も確かである。
また、輸出を一度経験してからは「いくらくらいですか?」と聞かれた時にも、少し膨らませて話せるようになり良い勉強代だったと同氏は振り返る。

先行投資と考えて面倒事も引き受ける

先行投資と考えて面倒事も引き受ける

初成約後、今度はドイツのバイヤーから植木と盆栽の引き合いが舞い込む。
定期的な受注が続いた後、なんと今度は鯉を仕入れたいとリクエストが届いた。実はこのバイヤーは鯉の専門業者で、元々は他の業者と取引をしていたのだが、数回に渡る植木取引で西井氏を信頼したバイヤーから「鯉を扱ってみないか?」と声をかけられる様になったのだ。

それまで一度も錦鯉を扱ったことがなかった西井氏は最初こそ戸惑ったものの、折角なら本場の錦鯉を知って欲しいとの思いから、錦鯉の生産者に片っ端から電話をし、めぼしい業者への訪問アポイントを取り付けた。
その後バイヤーに「錦鯉を買い付けに一緒に広島に行きましょう」と提案をし、買い付けに同行したという。そのバイヤーからは積極的に動いてくれた事をとても感謝され、その後も盆栽・植木・錦鯉のリピートに繋がるなど懇意にしている。

また、初成約があったベトナムの商社からは、植木や盆栽のリピートが何度も続き、西井氏もベトナムに毎月訪問するようになる。現地ではバイヤーの知人や仕事仲間を紹介され、彼らからも注文が入る好循環が生まれた。

さらには彼らに来日してもらい、日本のスーパーやホームセンターに連れて行ったところ爆買いの様な現象になり、「是非、日本のスーパーマーケットをベトナムにも作って欲しい」と話を持ちかけられるようになる。
最初は断り続けていた西井氏だったが「後押しするから」と何度も口説かれて、気乗りはしなかったもののそこまで言うなら、ということで遂にはベトナムに日本製品を置くスーパーを作ることになった。
現在は、現地企業に株式譲渡をした為スーパー事業は手掛けていないが、それでもスーパーの出店を考えている企業からの問合せが届くのだとか。

目先の利益だけでなく、将来的な利益を見込み、先行投資で信頼を勝ち取ってきた結果、売上に繋がったと言える。

花屋で培った商売の原点〜本当に良いモノを売って売上を伸ばす〜

海外事業8年目に当たる今期、海外年商はおよそ3億円になる同社。売上の大半は植木と盆栽の輸出だという。
植木では特に樹齢100年以上の「槇」の人気が高いそうだが、年々その数が減っており、次に人気が出る商材を今まさに模索している。商材も含め、今後どのように海外ビジネスを進めようと考えているか、展望について西井氏にお伺いした。

「世界にまだ知られていない、日本で眠っている伝統工芸品を海外に売っていきたい。日本製品の多くは手に取って使ってみないと本当の良さが伝わらないモノが多い中、まだまだ海外の人の手に取ってもらえていないモノがあると思います。それを損得計算抜きにして、もっと多くの人に知ってもらいたい。」

花屋で培った商売の原点〜本当に良いモノを売って売上を伸ばす〜

「本当に良いものを売る」この考え方は物心ついた頃から、店頭で花を売っている父の背中を見て育ったことが大きいと分析する西井氏。
「良くない花を売ったらお客様は返って来ないし、逆に良い花を出せば安くしなくても売れる、というのを実体験で知っているのは大きいと思います。父もそういう考え方でしたので、これが商売の本質だと信じています」

アリババをきっかけにして海外売上を伸ばし続ける株式会社CLOVER TRADING。同社成功のポイントは中小企業が新規事業を立ち上げ、推進していく上で多くのヒントが詰まっている。

Company Information

会社名:株式会社CLOVER TRADING

業態:卸売業
取扱商材:植木、盆栽、錦鯉 等
年商:3.2億円
海外売上:3億円
従業員数:3名

Alibaba.comを使った海外成功事例

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