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  • 2022.08.05

こう変わった!小規模事業者持続化補助金2022

こう変わった!小規模事業者持続化補助金2022

はじめに

小規模事業者持続化補助金(持続化補助金、と略されることもあります)は、ものづくり補助金、IT導入補助金と並び、中小企業になじみの深い補助金制度です。
持続化補助金は、2022年度の「第8回受付締切分」から大きく変わりました。その変更内容を中心に解説します。

持続化補助金とは

「小規模事業者持続化補助金<一般型>」とは、小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援するために、経費の一部を補助するものです。

ここでいう小規模事業者とは、

・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)…常時使用する従業員の数 5人以下
・宿泊業・娯楽業…同 20人以下
・製造業その他 …同 20人以下

の法人、個人事業、特定非営利活動法人です。
常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。

なお持続化補助金は、通常の<一般型>のほか、災害発生時などに<○○災害型>などとして特別な募集を行うことがあります。昨年までは<一般型>に加え<低感染リスク型ビジネス枠>(いわゆるコロナ対策枠)の2つの類型で募集されていましたが、後者は202239日の申込締切で終了しました。今年度の持続化補助金は、現状では<一般型>だけで募集されています。

2022年度募集スケジュール

小規模事業持続化補助金は通年募集ですが、締切が年数回設定されています。今年度は以下4回の締切となっています。

8回受付締切…202263
第9回受付締切…2022920
10回受付締切…202212月上旬
11回受付締切…2023年2月下旬

2022年度からの変更ポイント

1.申請枠の変更

持続化補助金「第8回受付締切分」以降の大きな変更点として、申請の枠が5つ新設され、計6枠となったことが挙げられます。

①通常枠…補助上限額50万円、補助率2/3
通常枠の名の通り、②~⑥の特別な枠の条件に当てはまらない場合はこちらになります。
販路開拓の取り組みなどについて、事業者みずからが作成した経営計画に基づき、申請を行います。補助率は2/3ですから、75万円の費用に対し50万円が補助されることになります。

②賃金引上げ枠…補助上限額200万円、補助率2/3(または3/4
販路開拓などの取り組みに加えて、事業所内最低賃金を、補助事業の終了時点で地域別最低賃金より+30円以上にした事業者が対象になります。既に達成済みなら、現在支給している事業場内最低賃金より+30円以上とした事業者が対象です。また、業績が赤字の事業者が賃金引上げを行う場合は、通常2/3の補助率が3/4へ引き上げられます。
ただし、達成できなければ補助金は支給されません。

③卒業枠…補助上限額200万円、補助率2/3
販路開拓などの取り組みに加えて、雇用を増やし、前述の小規模事業者のカテゴリーから脱する規模になる事業者が対象です。
ただしこちらも、補助事業期間の終了までに達成できなければ補助金は支給されません。

④後継者支援枠…補助上限額200万円、補助率2/3
販路開拓などの取り組みに加え、アトツギ甲子園(※)においてファイナリストに選ばれた事業者が対象です。
※アトツギ甲子園とは、中小企業庁が主催する、中小企業の後継者・後継者候補が新規事業アイデアを競うイベントのことです。かなり対象が絞られる枠と言えそうです。

⑤創業枠…補助上限額200万円、補助率2/3
特定創業支援等事業による支援を受け創業した事業者が対象です。
特定創業支援等事業とは、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または認定市区町村と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施する支援のことです。商工会議所による創業塾などが該当します。公募締切時から過去3年間にこれらの支援を受け、かつ過去3年間に開業した事業者が対象になります。

⑥インボイス枠…補助上限額100万円、補助率2/3
免税事業者が、新たにインボイス発行事業者に転換して販路開拓などに取り組む場合が該当します。2021930日から2023930日までの課税期間で一度でも免税事業者であった、または免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス発行事業者に登録した事業者が対象になります。
なおインボイス制度に対応するためのデジタルツール導入費用については、IT導入補助金2022で補助されますので、併せてご参照ください。

②~⑥の新設枠は、補助上限額が大きく魅力的ですが、申請できる人はかなり限られるものもあります。間口が広いのは②賃金引上げ枠、⑥インボイス枠でしょうか。該当する方はトライするのが良いと思います。

2.申請用紙の変更

目立たない変更ですが、申請用紙(申請事項を記入するフォーマット)が新しいものになっています。例えば、昨年の申請が採択されず今年度に申請内容をブラッシュアップして再トライするような場合は、申請用紙は使い回せなくなりました。フォーマット自体を更新する必要があります。

こう変わった!小規模事業者持続化補助金2022

注意すべき点

経費内容について、大きな変更がありました。

1.ウェブサイトやECサイトの構築・更新費用が、総額の1/4までに制限

昨年までの小規模事業者持続化補助金では、ウェブサイトやECサイトの構築・更新費用は、チラシや看板の制作費用と同じ「広報費」という枠に含まれており、特に上限は定められていませんでした。そのため、持続化補助金の全額を使って自社のホームページやネット通販サイトを構築する、という申請が可能でした。

今年度から、「広報費」のうち「ウェブサイト関連費」が切り離され独立項目となり、その上限が補助総額の1/4と定められました。
通常枠で申請する場合、補助総額は50万円ですから、ウェブサイト関連は最大でもその1/4125000円までしか認められないことになります。昨年までの例にならってウェブサイト構築を主体に補助金申請を検討している方は、特に注意が必要です。

2.機械装置等費は変わらない

一方、広報費と共に需要の高い項目である「機械装置等費」については、昨年までと変更はありません。設備投資に関する費用のほとんどはこの項目になりますが、汎用性が高く目的外使用になりえるもの(車・オートバイ・自転車・文房具等・パソコン等)は補助対象外ですので、昨年までと変わらず注意が必要です。

3.加点項目も大きく変更

加点項目とは、提出すれば審査の際に有利になる項目のことです。今年度から、以下の9項目に一新されました。

①パワーアップ型加点
②赤字賃上げ加点
③経営力向上計画加点
④電子申請加点
⑤事業承継加点
⑥東日本大震災加点
⑦過疎地域加点
⑧災害加点
⑨事業環境変化加点

このうち④の電子申請加点は、JGrantsというシステムを用いた電子申請を行った場合に加点されます。電子申請にはgBizIDプライムという事業者ごとのIDの取得が必要です。取得には書類の郵送による審査と1週間程度の日数(書類に不備がない場合)が必要です。

また⑨の事業環境変化加点とは、ウクライナ情勢や原油価格、LP ガス価格等の高騰による影響を受けている事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点(=事業環境変化加点)されるものです。経営計画書に物価高騰等の影響を受けている内容を記載する必要がありますが、積極的に利用すべき加点項目でしょう。

おわりに

持続化補助金の申請には、地域の商工会・商工会議所の窓口に申請書類を提出し、「事業支援計画書」(様式4)の交付を受けることが必要です。「事業支援計画書(様式4)」の交付の受付締切は、前述した公募締切の、原則として1週間前となります。
先ほどのgBizIDプライムの取得とあわせ、余裕を持った計画的な申請を行いましょう。

渡辺 英史

渡辺 英史

PROFILE

ライター、コンサルタント
東京都中小企業診断士協会 城東支部所属。

福岡生、熊本育ち。上智大学卒業後、大手メディア企業に入社。広告マーケティング・調査、営業、企画開発・イベント運営、ウェブ記事配信、データベース事業等に携わる。現在は新聞系IT企業勤務。2020年中小企業診断士登録、有資格司書。


お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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