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  • 2022.04.21

頭の中のモヤモヤをスッキリさせる!
経営者、経営幹部のための思考整理術

頭の中のモヤモヤをスッキリさせる!経営者、経営幹部のための思考整理術

昨今のコロナ禍により対面コミュニケーションが制限される中で、対面によらない言葉や文章によるコミュニケーションの重要性がかつてないほどに高まっています。
このコラムでは経営者や経営幹部が自分の考えを整理して、自分の言葉で相手に伝えるためのノウハウをご紹介します。

なぜうまく言葉にできないのか?

「せっかくよいアイデアが浮かんだのに忘れてしまった」
「よい考えがあるのにうまく整理できない。部下にきちんと説明できない」
こんな経験をしたことはないでしょうか?

もし当てはまることがあるとすれば、それはあなたの頭の中が整理できていないからです。何となく漠然と考えているため、頭の中がモヤモヤした中途半端な状態に留まっています。そしてこの段階ではまだ具体的な言葉にはなっていません。すぐに忘れて頭の中から消えてしまいます。

有名な「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は1日経つと覚えたことの約70%を忘れてしまうそうです。このように人の脳は記憶したことをすぐに忘れてしまう仕組みになっています。だから大事なことを忘れないようにするためにも、きちんとした言葉にして残しておく必要があるのです。

言語化とは

人が頭の中で考えている時は、自分だけがわかる曖昧な言葉で考えています。このため他人に説明するためには、他人にも理解できる言葉に変換する必要があるのです。これがいわゆる「言語化」というものです。従ってこのモヤモヤした状態から脱するためには、言語化の作業が必要になるのです。

では具体的にどうやって言語化すればよいかについてご説明します。

言語化の進め方

実際に言語化を進めるために、まずは考えていることを紙に書き出してみるとよいでしょう。

コーチングの世界では「オートクライン」という概念があります。「オートクライン」とは自分が話した言葉を自分の耳で聞くことによって、今まで自分が気づかなかった新たな考えに気づくことを意味します。これによって納得感を高め、モチベーションの向上につなげることができるのです。

そして紙に自分の考えを書き出すことは、これと同じ効果が期待できます。
具体的には以下のようなステップに沿って進めるとよいでしょう。

ステップ1:テーマを決めて紙に書き出してみる

現在気になっていることの中からまずは大まかなテーマを決めます。
(例えばコスト削減や新規開拓など)
その上で、決めたテーマに沿って以前から考えていたことや、その時にふと浮かんだ言葉などを全て紙に書き出してみましょう。具体的なやり方としては、A4のノートに書き出してみるのがお勧めです。ノートがなければA4のコピー用紙でも結構です。手で書くことで脳が刺激を受けるため、さらに新たなアイデアが浮かぶことも期待できます。

ステップ2: 一通り書き出したものを眺めてみる

一通り書き出したものを眺めながらもう一度考えてみます。もっと他にもアイデアがないか考えてみたり、書いたものに違和感があれば見直したりしてみましょう。一度頭の中から言葉として外に出したものを客観的に見てみます。頭の中で考えていた時とはまた違った視点で見ることができるため、新たな気づきを得やすくなります。

ステップ3:書き出したものの中から重要なものを選ぶ

書き出したものの中から、現時点で特に重要と思われるものに印をつけます。キーワードを丸で囲むなどして抽出します。

ステップ4:「何を」「誰に」伝えたいのかをイメージする

抽出したキーワードの中から、今回は「何を」「誰に」伝えたいのかをイメージします。「何を」については、「自分が本当に伝えたいことは何か」を考えて絞り込みます。「誰に」については、「具体的に伝えたい相手」をイメージします。例えば部下や取引先の担当者ですね。なお、特に伝えたい相手が浮かばない場合でも、自分自身に対して伝えることをイメージしてみるなどして、伝えるということを意識しましょう。

ステップ5:言葉を整理して文章にする

前のステップでイメージした「何を」「誰に」を踏まえて、短い文章にしてみます。重要と思われる言葉やキーワードを使って文章を作成します。この際、文章を長くしすぎないように注意してください。1文はできれば70字くらいに収めるようにしましょう。文章を短くすることで相手に伝わりやすくなり、自分自身も整理しやすくなります。また、項目が多い場合は、箇条書きにすると伝わりやすくなります。

ステップ6:わかりやすい言葉、文章になっているかをチェックする

読む側の立場になってもう一度読み直してみます。「本当にこの内容で理解してもらえるか」、「理解しにくい表現はないか」、といった点に注意して表現を見直します。相手に伝えるためにはわかりやすい表現になっていることが必要ですが、これは結果的に自分自身がきちんと理解できることにもつながります。

なお、言語化の作業を行う場合は、できれば午前中、特に朝の時間帯がお勧めです。朝は脳がリフレッシュされて集中力があるため、効果的に取り組むことができるのです。

頭の中のモヤモヤをスッキリさせる!経営者、経営幹部のための思考整理術

言語化のメリット

言語化は自分の考えを相手に伝えるために不可欠なものですが、それ以外にも次のようなメリットがあります。

メリット1:ものごとを整理して要約する力がつく


言語化力を高めることで、ものごとの内容を整理して要約できる力をつけることができます。こうした要約力があれば、資料を読んだり人の話を聞いたりした時に、内容の概要と本質をつかむことができるようになります。

メリット2:自分の考えを客観視して進展させることができる


頭の中で考えているだけでは、ものごとは進展しません。実際にはただ悩んでいるだけの状態が続いているのです。しかし言語化することでこの状態を変えることができます。自分の頭の中にあるものを外に吐き出すことで客観的に見ることができます。そして書いたものを見ることで、そのことに対して意識が向かいます。その結果、悩んでいる状態から先に進めることができるようになります。

メリット3:第三者からフィードバックがもらえる


相手に伝えることで何らかのフィードバックを受けることができます。自分とは違う視点からの意見やアドバイスを受けることで、新たな気づきを得ることができます。

言語化力を高めるために

実際に言語化をやろうとしても最初はなかなかうまくいかないことも多いでしょう。しかし、普段から以下のような習慣を持つことで言語化力を高めることができます。

習慣1:気がついた時にすぐにメモをする

何か思いついたことや気づいたことがあれば、その場ですぐにメモします。小さな手帳をいつも持ち歩くようにすれば、思いついた時にすぐにメモすることができます。もしくはスマホのメモ帳機能を使うのも有効です。こうしたメモを普段からストックしておけば、比較的容易に言語化の作業を行うことができます。

習慣2:毎日3行日記を書く

就寝前に3行程度の日記を書いてみることも有効です。一日の中でうまくいったことや嬉しかったことを、箇条書きにして3つ書いてみるとよいでしょう。毎日少しでも文章を書くことで書くこと自体に抵抗感がなくなってくるはずです。

習慣3:本や雑誌、新聞を読む

適切な言葉で表現するためには語彙力を増やす必要があります。そのためには、多くの活字に触れることが有効です。本や雑誌、新聞を読むことで語彙力を高めることができます。

今回は自分の考えを整理するための手法として、言語化のノウハウについてご紹介しました。

アフターコロナの時代には、経営者や経営幹部にとっても言語化は必須のスキルとなっています。経営者や経営幹部が自分の考えや主張を的確に言語化できるようになれば、会社としての成長に大きく役立つはずです。ぜひこの機会に言語化力の強化を図り、言葉によるコミュニケーション向上につなげていただければ幸いです。

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