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  • 2022.03.15

組織戦略に不可欠な5つのポイントとは?

組織戦略に不可欠な5つのポイントとは?

経営の仕事は多岐にわたりますが、重要なもののひとつに「組織戦略を考えること」が挙げられます。企業として売り上げを伸ばし、成長していく過程において、組織自体もその時々に合った形へと成長させていくことが求められます。

しかしながら、現在の会社にとって最適な組織となっているのかどうかを把握するのは難しく、結果的に対応が遅れてしまうことも少なくありません。
この記事では「組織戦略を考える上で不可欠な5つのポイント」について説明していきます。

「組織」とは? 「組織戦略」とは?

そもそも、「組織」とは「特定の目的を達成するために、個人や集団に異なる役割を与えて、その活動を統合・調整する仕組み」を指します。そして、経営における組織戦略とは、「経営戦略を適切に実行し、経営目的を達成できるように、組織を最適化していくための戦略」ということができるでしょう。

では、「組織を最適化していく」とはどういうことでしょうか。参考になるのが、アメリカの経営学者であるチェスター・バーナードが唱えた「組織の3要素」です。具体的には「共通目的・貢献意欲(協働の意欲)・コミュニケーション」の3つが挙げられています。経営目的が明確で、かつ共有されており、組織の中の各人がその共通目的の実現のために貢献意欲をもって働きながら、必要に応じてコミュニケーションをとって活動を統合・調整することができれば、組織として力強く進んでいける、という考え方です。

会社の売り上げが伸び、人が増え、事業に変化が生じる中でも、この3要素が維持されるような組織を形成・維持するように取り組むことこそが、組織の最適化につながります。
そこで重要になってくるのが、今回ピックアップする「組織戦略を考える上で不可欠な5つのポイント」です。

優れた組織戦略の土台となる「人事ポリシー」

組織戦略を立案する上で押さえておきたい5つのポイントのうち、まずひとつ目は「人事ポリシー」です。これは、経営理念をもとに経営戦略を実行し、目指すべき目標に向けて進んでいくために、「会社組織にいる人材がどうあるべきか、どうあってほしいか」を示すものです。各種の人事施策の判断基準になるもので、人事制度の核ともいえます。

「人事ポリシー」は、その性質上、会社の経営理念やビジョンと密接に関係したものになります。しかしながら、会社が成長していくにつれて、いつの間にか、当初掲げていた経営理念の浸透度が下がってきてしまい、「会社に所属する人材のあるべき姿」への意識も希薄になってしまうことが考えられます。具体的な施策の判断基準ともなる「人事ポリシー」が組織の中で曖昧になってしまうと、人事施策の方向性に少しずつズレが生じ、結果として、組織の最適化において重要な「組織の3要素(共通目的・貢献意欲・コミュニケーション)」が維持されないというリスクが生じかねません。

規模が小さいうちはあまり心配することもありませんが、組織として拡大する過程では、「人事ポリシーが一貫しているかどうか」を意識的に振り返る必要があります。

組織・人を最有効活用するために不可欠な「組織構造」と
「人事システム」

組織戦略を立案するうえで押さえておきたい2つ目のポイントは「組織構造」です。

組織の成長に応じて、適切な組織構造は必ず変わってきます。一例として、当初はひとつの事業に集中していたために「機能別組織」で問題なくワークしていたものの、成長の過程で事業が多角化し、「事業部制組織」へと変化する必要性が生じる、といったケースが挙げられます。

つまり、会社の置かれるフェーズが変わる中で、分業と協業のバランスが保てているか、権限委譲ができているかどうかなどに気を配りながら、組織構造の見直しが必要になってくる、ということです。見直しがうまくなされない場合、部署間でのコミュニケーションに問題が起き、貢献意欲も下がっていくことが考えられるでしょう。

「人事ポリシー」、「組織構造」に続き、組織戦略に欠かせない3つ目のポイントが「人事システム」です。「人材採用・配置」、「人事評価」、「報奨」、「能力開発」などが代表的なものになります。人事ポリシーをベースに、人材の能力とコミットメントを最大化できるような人事システムを構築していくことが、組織戦略において非常に大切です。

具体例として、「人事評価」について考えてみましょう。まずは、「人事ポリシー」に沿っているかどうかが重要です。「あるべき姿」に沿った行動ができているかどうかを評価対象とすることで、人事ポリシーが社内に浸透することにもつながります。加えて、成果・能力を評価すること、評価をする上で公平性を保てるように評価基準を明確化すること、適切なフィードバックにより評価の透明性や納得性を高めることなどを通じて、人材のモチベーションを高めることや、能力向上を促すことも重要です。

組織戦略においては、こうした人事施策を通じて、個人の貢献を最大化し、経営目的の実現可能性を高めていくことも求められます。

組織戦略に不可欠な5つのポイントとは?

行動に直接影響を与える「組織文化」と「リーダーシップ」

組織戦略に不可欠な5つのポイントのうち、4つ目は「組織文化」です。組織の中の人たちが共有する価値観、考え方、行動規範とも言い換えられるでしょう。

組織文化は、組織としての、また個人としての行動に直接的な影響を与えます。人事ポリシーに沿った組織風土があるか、顧客のほうをきちんと向いているか、主体性やチャレンジ精神を持っているかなど、企業が成長していく上で必要な文化が形づくられているかどうかに目を光らせる必要があります。必要な文化が組織に根付いていれば、「組織の3要素(共通目的・貢献意欲・コミュニケーション)」も自然と満たされていることが多いです。

アメリカの経営学者であるアンゾフは「戦略は組織文化に従う」と提唱しました。一見優れた経営戦略のように思えても、組織文化を無視したものであれば、適切に実行されずに机上の空論となってしまう可能性が高い、ということです。戦略と行動が結びつかない場合、当然ながら、経営目的を達成できなくなるリスクが高まります。この観点からも、組織文化は組織戦略上の重要なポイントといえるでしょう。

最後に挙げるポイント、それは「リーダーシップ」です。様々なリーダーシップの定義がありますが、ここではシンプルに「経営理念や経営目的などを提示して、伝達し、動機づけしていくこと」を指しています。これまで、組織戦略に必要なポイントとして「人事ポリシー」、「組織形態」、「人事システム」、「組織文化」をピックアップしてきましたが、それぞれについて、組織のリーダーが意味や考え方について分かりやすく伝えていくこと、繰り返し言及していくこと、自らの行動で示していくことを通じて、この4つのポイントを組織に定着させて組織を最適化することが、組織戦略上は重要な意味を持つことになります。

5つのポイントを意識して組織戦略を立案・実行し、
経営目的を達成する

今回は、「組織戦略に不可欠な5つのポイント」として、①人事ポリシー、②組織構造、③人事システム、④組織文化、⑤リーダーシップを取り上げました。

これまでの説明をまとめると、組織戦略とは、「経営戦略を的確に実行し経営目的を達成するために、明確な人事ポリシーのもとで、会社のフェーズに適した組織構造を選択するとともに、人材の能力を最大化できるよう人事システムを整備し、組織文化と戦略の整合性にも留意しながら、リーダーシップを通じて各ポイントを浸透させていく、一連の仕組みづくり」ともいえるでしょう。

組織・人材がうまく機能しているかどうかは、経営戦略を効果的に機能するかどうか、企業が継続的に成長していけるかどうかに直結します。この記事も参考に、自社の組織戦略について、あらためて見直してみてはいかがでしょうか。

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