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  • 2021.12.22

変化し続ける決済手段の今後について

変化し続ける決済手段の今後について

消費者が商品購入やサービス利用をする際には必ず支払いを行う必要があります。インターネットでの取引においてはクレジットカード決済や代引き(現金決済)、店舗での取引においては現金や電子マネーといった決済手段があります。

本稿では、消費者ニーズとともに変化し続けてきた決済手段とそれを実現するためのしくみ、今後の展望について流通小売業の観点で解説します。

決済手段の変遷

流通小売業においては現在も決済手段の大半が現金ですが、クレジットカード決済や電子マネー決済、最近ではスマートフォンの普及によるQRコード決済など、消費者ニーズの変化とともに決済手段の形態も多様化しています。

①現金決済

店舗取引における決済手段の大半は現金です。キャッシュレス化が進んではいますが、2020年の日本の個人消費に占めるキャッシュレス決済の割合は29.7%であり、約7割は現金での決済が行われています。

②クレジットカード決済

買い物の都度、現金で支払いをするのではなく、カードを提示するだけで支払いができることがクレジットカード決済の特徴です。一定の審査を通じてカードを取得することで、買い物の際の支払いを後払いできるしくみです。後払いの方法としては、利用代金を1回で支払う「一括払い」、複数回に分けて支払う「分割払い」、一定額を毎月支払う「リボ払い」といった選択が可能です。クレジットカードには国際ブランドであるAmerican ExpressDiscoverJCBMastercardVisaDiners、銀聯があります。

③デビッドカード決済

通常は財布の中に入っている現金の範囲で買い物を行いますが、銀行口座から引き出すのを忘れて、必要な額の現金が手元にないために買い物機会を逸することもあります。この不便さを解消する手段がデビッドカード決済です。

デビッドカード決済とは、銀行のキャッシュカードを使って支払いを行う決済手段で、キャッシュカードを提示して決済端末に暗証番号を入力すると、利用代金が銀行口座から即時に引き落としされるしくみです。クレジットカード決済とは異なり、現在保有している銀行口座内の残高が利用代金の上限となりますので、お金の使いすぎの抑止にもなります。

④プリペイドカード決済

あらかじめチャージされた金額の範囲内で買い物を行うことがプリペイドカード決済の特徴です。クレジットカード決済とは異なり、プリペイドカードの取得には審査がないため、簡単に取得できてプレゼントすることも可能です。

プリペイドカードには、「使い切り型」と「チャージ型」があり、「使い切り型」には図書カードやギフトカードなどがあります。「チャージ型」のプリペイドカードには、次項の電子マネーなどがあります。デビッドカードと同様、お金の使いすぎを抑止することができます。

⑤電子マネー決済

少額の買い物での支払い時に小銭を出したり、お釣りを渡す際に小銭を数えたりすることが面倒で時間がかかるといった不便さから、少額決済の手段として流通小売業で電子マネーが普及しました。

電子マネーには「先払い式」と「後払い式」の2種類があります。「先払い式」はあらかじめ電子マネーとして必要な金額をチャージしておき、そのチャージ金額の範囲で支払いを行うというものです。「後払い式」は電子マネーで支払った金額が、あらかじめ申請したクレジットカードの利用額として翌月に引き落としされます。「先払い式」の代表的な電子マネーとしてはSuicaWAONnanacoがあり、「後払い式」にはiDQUICPayPiTaPaがあります。

QRコード決済

昨今はスマートフォンの普及から、スマートフォン上に表示されるQRコードを読み取って支払いを行うQRコード決済が広まっています。クレジットカード決済と異なり、利用者に対して物理的なカードを発行する必要がなく、加盟店に対しても専用端末の供給を行う必要がないことが特徴です。

QRコード決済が最初に普及した中国ではAlipayWeChatPayが代表的ですが、日本国内ではPayPay、楽天ペイ、d払い、au PAYLINE Pay、メルペイなどがあります。

決済手段を実現するためのしくみ

上述の決済手段を店舗で利用するために、さまざまなシステムが導入されています。各種決済手段に関係の深いシステムについて紹介します。

①自動釣銭機(現金決済用)

買い物時に現金で支払いを行う際、顧客から受け取った現金を入金し、買上額を差し引いた釣り銭を自動的に算出して、出金するシステムです。適切な金種を自動的に判別して、釣り銭として出金します。例えば、2,340円の買い物にて1万円札で支払いをした場合の釣り銭は7,660円となりますが、この釣り銭の金種は、5千円札1枚、千円札2枚、500円硬貨1枚、100円硬貨1枚、50円硬貨1枚、10円硬貨1枚となります。

紙幣のデザインが変わる、2千円札や500円硬貨が新たに発行されるなど、時代とともに現金そのものも変化していますが、その都度、自動釣銭機も改変されています。

②ICリーダ(クレジットカード決済用)

クレジットカードにはカードの両面にカード情報を記録した「磁気ストライプ」が付いています。従来は、この「磁気ストライプ」からカード情報を読み取ってクレジットカード決済を行っていましたが、カード情報が流出するなどセキュリティ面に課題がありました。この課題を解決するために「ICチップ」を埋め込んだカードが広く普及しています。

最近ではさらなるセキュリティ強化の観点から、改正割賦販売法に基づいたカード情報保護のための暗号化が必須となっており、「国際ブランドによる業界セキュリティ基準」に準拠したICリーダが普及しています。「国際ブランドによる業界セキュリティ基準」とは、電子的なクレジットカード情報に特化した犯罪手口に対抗するために、国際ブランド5社(American ExpressDiscoverJCBMastercardVisa)が策定した共通のセキュリティ基準で、「ペイメントカード業界データセキュリティ基準」と呼ばれています。

③非接触リーダ&ライター(電子マネー決済用)

電子マネーは「FeliCa」と呼ばれる通信方式を使って、カードをリーダ&ライターにかざすだけで、瞬時にカード情報の読み取りと決済結果の書き込みを行うしくみです。「FeliCa」とは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードのための通信技術で、カードをかざすだけで高速データ送受信を可能とし、データ書き換えも自由自在です。1枚のカードで何役もの使い方が可能であることも大きな特徴です。

カードをかざす時間が短すぎて決済処理が完了していない状態を検知する機能や、決済未完了となった際の履歴確認機能なども装備しています。最近では、非接触型のクレジットカードも広まっており、電子マネーと同様に非接触リーダ&ライターにカードをかざしてクレジットカード決済を行います。

④バーコードリーダ(QRコード決済用)

QRコード決済では専用端末などの設備が不要で、店舗内のレジに付属しているバーコードリーダを使ってスマートフォン上のQRコードを読み取ります。
バーコードリーダには、従業員が手に持ってバーコードを読み取る「ハンドスキャナ型」と、レジカウンターなどに据え置きしてバーコードを読み取る「固定スキャナ型」の2種類があります。

変化し続ける決済手段の今後について

決済手段の今後について

新型コロナウイルス感染防止のために消費者が現金を触ることを敬遠していること、従業員のコロナ感染防止や業務効率化にもつながることから、キャッシュレス決済に注目が集まっています。
流通小売業においては、QRコード決済でバーコードリーダがスマートフォンに接触しないようにする、クレジットカード決済でICリーダへのクレジットカードの挿入を顧客自身で行ってもらうなど、コロナ感染防止対策を行いながらキャッシュレス決済の利用を促進しています。

「キャッシュレス・ロードマップ2021」によれば、2025年にはキャッシュレス決済比率が40%に到達し、2027年には日本全国どこでも誰でもキャッシュレスが可能となり、さらに2030年には世界最高水準のキャッシュレス社会を目指すとしています。

今後、さらにキャッシュレス化が進むと思われますが、キャッシュレス化を実現するための技術革新も必要であることを忘れてはなりません。キャッシュレス化により、今まで以上に便利で快適な買い物ができるような社会となることを期待しています。

キャッシュレス参考サイト

一般財団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2021
https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/05/roadmap2021.pdf

吉川 和明

吉川 和明

PROFILE

ライター,コンサルタント
1965年生まれ,京都府京都市出身。
2021年中小企業診断士登録

大手電機メーカー系列のソフトウェア会社にて、流通業向けPOSシステム開発に長年携わり、現在は大手流通業向け法人営業を担当。得意分野は流通系ITシステム、業務改革、プロジェクトマネジメント、ファシリテーション。


お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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