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  • 2021.05.21

コロナ禍だからこそ導入したい、電子契約の選び方

コロナ禍だからこそ導入したい、電子契約の選び方

1.はじめに

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、急速にリモートワークが普及しました。その中で、リモートワークを阻害する要因の一つとして取り上げられたのが「押印」業務です。
民間企業だけでなく、官公庁でも押印書類の見直しが図られ、多くの書類から押印をなくす取組みが進められています。
自社内の業務であれば見直しは比較的簡単にできますが、一方、他社と締結する契約書等は相手方の意向もあり、自社の一存だけでは押印をなくすことはできません。その中で注目されているのが電子契約です。

民法で定める契約は、口頭、書面等の契約方式によらず、双方の合意で成立します。
しかし、口頭での契約は後々トラブルの元となる可能性が高く、法令や慣例により書面契約が求められるために、ビジネスでは契約書を取り交わすことが多いでしょう。
それをメール等で契約書のやり取り等を通じて双方の合意を成立させれば、広義的には電子契約が成立します。

しかし、それらの方法は書面での契約書の取り交わしと比べて、法的拘束力はかなり低いといわざるを得ません。電子契約に書面と同等の信頼性を持たせるためには、それなりの仕組みが必要であり、電子契約をする場合は電子契約サービスを利用することが一般的です。
電子契約サービスによりますが、多くの場合契約を締結する際は、契約を締結するためのURLをメールで相手方に送付し、相手方はそのURLからWEB上で必要な項目やサインを入力することになります。

2.電子契約サービスを利用するメリット

電子契約サービスを利用するメリットは、主に以下の3点です。

①コスト削減

書面で取り交わす場合には、印刷代、紙・封筒代、切手代、印紙代等が必要です。
一方、電子契約の場合はいずれも不要で、電子契約サービス利用料がかかります。ただし、印紙代と比較しても安価な場合が多いです。

②契約の迅速化

通常、契約書を取り交わす際は、一方が押印して相手方に郵送し、相手方が押印の上、返送するという手続きを踏むため、郵送の時間を考えるとどんなに早くとも数日かかるのが一般的です。しかし電子契約の場合は、メールでの通知・ログイン等を行うことで押印できるので、早ければ数分で締結できます。

③業務効率化

書面の契約書は、契約前にも契約書面を作成するために印刷、製本、封入封緘、投函の事務作業が必要ですが、電子契約の場合はWEB上の操作だけで済む場合が多いです。
また、書面の場合は契約書の取り交わし後に契約書を保存・管理をする必要があり、物理的な場所が必要となります。電子契約の場合は電子ファイルを保存するだけですので、物理的なスペースを必要としません。

上記のメリットはどの電子契約サービスでも享受できますが、サービスそれぞれに特徴があり、自社の要件にあうサービスを選ばないと十分に享受することができません。そのため、現在数多くある電子契約サービスのうち、どれを選ぶかはとても重要です。
電子契約サービスを選ぶ際のポイント3点をご説明します。

3.選ぶポイント1 法的効力

(1)法的効力

①法令上、電子契約が認められている契約であるか

請求書、注文書、契約書等幅広い文書で既に使われています。しかし、不動産関連の書類を中心に、法令の定めにより電子契約ができないものもありますので、注意が必要です。

【電子契約ができない契約書例】
・不動産取引における重要事項説明書面等(宅地建物取引業法)
・定期借地契約、定期建物賃貸借契約書面(借地借家法)
・マンション管理業務委託契約書面(マンション管理法)
・訪問販売等特定商取引における交付書面(特定商取引法)
・金融商品のクーリングオフ書面(金融商品取引法)          等

ただし、これらの書類に当てはまるからといって諦める必要はありません。政府も電子契約を推進したいため、今後、法令改正が行われる可能性もあります。動向を注視するといいでしょう。

②本人確認レベル

電子契約時に相手がサインをする方法として「電子署名」方式と「電子サイン」方式があります。どちらにするかは、契約書の重要性と相手方との関係で決めるといいでしょう。

(ア)「電子署名」(当事者署名型)
認証局による本人確認がなされるものであり、書面契約でいえば実印が押されているレベルです。厳格な本人確認ができ、法定効力も強いですが、自社だけでなく契約の相手方に「電子署名」をあらかじめ取得してもらう必要があります。

(イ)「電子サイン」(立会人署名型)
契約相手に送付したメールアドレス等で本人を認証し、電子契約サービス事業者がタイムスタンプや暗号化などで契約を保証する方式です。相手方はメールを開いてサインをするだけなので手間が少なく、現在広く浸透している方式です。

しかし、メールが本来の契約者以外に送られるリスク等もあるため、上記の「電子署名」と同等の法的効力を持たせるためには、本人確認を「2要素認証」で行う(電話番号を利用したショートメッセージでの確認等、もう一つ別の方法で認証を行う)等の注意が必要です。
なお、法令上「電子サイン」も「電子署名」の一部ですが、慣例上、上記のような表現の使い分けをしています。

4.選ぶポイント2 サービス内容

コロナ禍だからこそ導入したい、電子契約の選び方

電子契約サービス事業者は、電子契約以外に色々なサービスもあわせて提供しています。ポイントとなる主な機能は以下の通りです。

①ワークフロー機能

相手方の契約締結の日時等の証跡に加えて、契約書作成を含めた社内の承認プロセス管理をすることができます。それぞれのアカウントに、契約書の作成・承認等の権限をあらかじめ設定しておくことで、契約のプロセスを管理するだけでなく、契約書の作成者・承認者はもちろん、コメントや変更履歴、承認日時等の管理ができ、証跡にもなります。この機能を使わない場合は必要に応じて、社内の契約書作成プロセスを別途メールやファイルサーバー等で管理することになります。

②契約書の保存

契約書を保存するために、クラウドを提供しているサービスがあります。契約書をまとめてクラウドに保存することで、一元管理が容易になるだけでなく、閲覧・検索が容易になります。また、多くのサービスではアカウントの権限設定により、閲覧できる人を制限できるので、社内統制上も有用です。

なお、電子帳簿保存法等の法令に定められた契約書を締結する場合は、保存に関する法令要件を満たすために、独自にシステム構築することはハードルが高いため、特にこれらのサービスを利用するとよいでしょう。

③他のITツールとの連携

社内で既に使っているITツールと接続できる機能です。たとえば、KintoneSalseforce等で顧客管理を行っている場合、接続することでより簡単に契約書の作成や管理ができるメリットがあります。多くのサービスは、他システムと接続するためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を公開しているので、それを使って接続します。

5.選ぶポイント3 料金体系

多くの電子契約サービスの費用体系は、基本料金+従量課金です。基本料金はアカウント数(利用者)やサービス内容によって異なります。
従量課金は基本的に契約書の締結数となります。

限定された機能のみを使う場合は基本料金が無料のサービスもありますので、まずは使ってみるという手もありますし、逆にある程度契約数が見込める場合は、最初から基本料金が高い代わりに従量課金が安いサービスを選ぶという手もあります。

6.まとめ

電子契約を締結する際には、上記のポイントを考慮しながら電子契約サービスを決定した上で、相手方と相談することになります。
世間一般で、オンラインへの抵抗感は低くなってはいますが、まだ過渡期であり、相手方から難色を示される場合もあるかもしれません。その場合は、メリットを理解してくれる相手先から始める等、まずはスモールスタートで使ってみることをおすすめします。

那須 美紗子

那須 美紗子

PROFILE

ライター、コンサルタント
岐阜県出身、東京在住。2006年より、大手企業にて新サービスの導入、ITシステムの企画・導入、業務改善などに従事。
2019年中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会 城北支部所属。
また、自身の育児経験を活かし、育休後アドバイザーとして、子育てをしながら働く親の支援活動も行う。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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