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  • 2021.01.20

英語学習に取り組むビジネスパーソンの実態は?

英語学習に取り組むビジネスパーソンの実態は?

私たちのビジネス環境のグローバル化が進んでいます。ひと昔前までは、英語が必要なビジネスパーソンは、海外赴任や出張、海外との直接取引といった業務に携わる場合に限られていました。しかし昨今は、国内と同様に海外からも仕事の問い合わせメールが飛び込んで来たり、自社や関連会社が外国人従業員を雇用することになったり、ということが日常的になっています。

ジェトロが実施した「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(2019年度)によれば、今後3年程度の中期的な方針として、「海外進出の拡大を図る」と回答した企業は56.4%と6割近くの水準を維持しています。さらに、今後3年程度の輸出方針について、「輸出の拡大を図る」と回答した企業は80.4%と8割を超える水準です。

少子高齢化で国内市場は縮小する一方、海外市場は拡大し、昨年まで訪日外国人旅行者は大きく増加してきました。多かれ少なかれ、企業にとっての海外や外国人との関わりは、今後ますます重要になっていきます。それに伴い、従業員に求められる英語スキルも高まっています。

求められる「会議・電話・メール」対応スキル

では、企業は従業員にどのようなスキルを求めているのでしょうか。
TOEIC® Programを実施するIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)が行った「英語活用実態調査【企業・団体】2019」に、「企業・団体が目標とする英語スキルの水準」という設問があります。

選択肢は、簡単なものから難易度の高いものまで、

・「挨拶ができる」
・「簡単な業務連絡などができる」
◎「取引先/海外支店とメールでやり取りができる」
◎「取引先/海外支店と電話でやり取りができる」
◎●「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」※テレカン…電話会議のこと
●「通訳なしでの海外出張に一人で行ける」
●「海外赴任できる」

です。

全体では、◎印をつけた3項が上位でした。「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」が19.9%でトップ、次いで「取引先/海外支店とメールでやり取りができる」「取引先/海外支店と電話でやり取りができる」がどちらも15.5%で2位となります。

しかし、対象を海外売上高比率が20%以上の企業に絞ると、印をつけた「通訳なしでの海外出張に一人で行ける」と「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」が約18%で並び、次に「海外赴任できる」が約17%で続きます。

一方、対象を海外売上高比率が1~19%の企業に絞れば、「取引先/海外支店とメールでやり取りができる」が約29%でトップ、次いで「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」約17%となります。

「会議(テレカン含む)・電話・メール」で議論ややり取りができることが企業の求める3大スキルであり、さらに海外売上高比率20%以上の企業では、「一人での海外出張」「海外赴任」までが求められることになります。なおテレカンを含む会議とは、今ならZoom等のビデオ会議を含むことになるでしょう。

乖離が大きい実際の英語スキル

では、ビジネスパーソンの英語スキルの現状は、どのようなものでしょうか。
「英語活用実態調査【ビジネスパーソン】2019」では、スキルの低いものから高いものまで、

・「話せない」
◎「挨拶ができる」
◎「簡単な業務連絡などができる」
◎「取引先/海外支店とメールでやり取りができる」
・「取引先/海外支店と電話でやり取りができる」
・「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」
「通訳なしでの海外出張に一人で行ける」
「海外赴任できる」

の選択肢を与えてビジネスパーソンに尋ねています。

全体では◎印の3種が上位でした。「挨拶ができる」が23.8%で最多、「取引先/海外支店とメールでやり取りができる」が17.0%で2位、「簡単な業務連絡などができる」が15.7%で3位と、比較的簡単なスキルに留まる結果となりました。一方、先ほどの、企業が目標とする英語スキルでトップだった「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」「取引先/海外支店と電話でやり取りができる」はそれぞれ2.6%、4.5%とワースト1、2となりました。

しかし対象をTOEIC® Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R800点以上の人に絞ると、印の「海外赴任できる」が約46%でトップ、次いで「通訳なしでの海外出張に一人で行ける」「取引先/海外支店とメールでやり取りができる」が約18%となります。ところがこの層でも「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」「取引先/海外支店と電話でやり取りができる」は3~4%程度と割合が低いのです。

どうも「電話での議論」がネックとなっているようです。フェイス・トゥ・フェイスではない電話は意思疎通が難しく、むしろ上級者にとっては出張や赴任で直接現地に行く方が、仕事がやりやすいのかも知れません。逆にメールは、電話と違って対応に時間をかけることができ、定型的な内容が多いため、翻訳機能の進化もあって英語スキルが特に高くない者でも対応しやすい、ということでしょう。

いずれにせよ、「企業が目標とする英語スキル」と「ビジネスパーソンが実際に持つ英語スキル」は、乖離がかなり大きいと言えそうです。

英語学習の実態は

英語学習に取り組むビジネスパーソンの実態は?

このギャップを埋めるため、ビジネスパーソンはどのような学習を行っているのでしょうか。
「英語活用実態調査【ビジネスパーソン】2019」によれば、「普段、英語の学習をしていますか」の問いに「はい」と答えた人は39.9%と4割に達しました。この調査の対象者が日経ビジネスオンラインの登録者であることを割り引いても、かなり高い数値と言えそうです。

・学習時間

「はい」と答えた人全体の、1週間の英語学習時間は、平均3時間42分でした。これをTOEIC L&R800点以上の人に絞ると、平均6時間4分となります。高いスコアの人は、それだけ学習に時間をかけています。

・学習の時間帯

では、いつ学習をしているのでしょうか。全体では「休日」53.2%が最も高く、以下「通勤の途中・移動中」48.4%、「退勤後」45.2%と続きます。一方TOEIC L&R800点以上の人は「通勤の途中・移動中」が約67%と最も高く、次いで「休日」約53%、「退勤後」約45%の順です。

高いスコアの人ほど勉強時間を割き、通勤・移動時間など隙間時間を有効活用していると言えそうです。

・学習方法

学習方法はどのようなものでしょうか。全体では「参考書・問題集」42.5%、「スマホのアプリ」39.2%、「英語の新聞や雑誌、WEBサイトを読む」31.7%、「英語の映画や動画を見る」30.1%、「CDなどの英会話教材」18.3%の順となります。ところがTOEIC L&R800点以上の人に絞ると「英語の映画や動画を見る」が約40%でトップとなります。以下「英語の新聞や雑誌、WEBサイトを読む」「参考書、問題集」約38%の順になります。

高いスコアの人は英語の映画やドラマを理解しながら楽しむことができ、また英字新聞・雑誌や英文ウェブサイトの閲読を含めて学習の糧にしている、と言えそうです。

上級者の学習方法と道のり

学習方法や期間について、別の角度から見てみましょう。
エンワールド・ジャパンは、ビジネスレベル以上の英語力を保有する正社員を対象にした「英語の学習法に関する調査」を20203月に発表しています。なおビジネスレベルとは英語で仕事をこなすレベルのことで、中級(日常会話レベル)、初級(挨拶レベル)より上位です。

・効果があった学習法

英語力向上に効果があった学習法は「仕事の実戦で英語を使う」(79%)が圧倒的に多く、以下「英会話(対面)」(57%)、「英語のネイティブスピーカーと友達になる」(45%)、「映画、海外ドラマ」(34%)と続きます。

ビジネスレベルになると、読み書きよりも対話、それも仕事での実践が最も効果が高いということでしょう。

・学習期間

ではビジネスレベルの英語力を習得するのに要した期間はどのくらいでしょうか。「5年以上~10年未満」(28%)が最も多く、以下「3年以上~5年未満」(22%)、「10年以上~20年未満」(19%)が続いています。「20年以上」という回答も10%ありました。

ビジネスレベルの英語を習得するには、長い道のりになると思っていた方がよさそうです。
しかし仕事上のメリットのほかにも、字幕なしで洋画が楽しめるようになったり、閲覧できるウェブサイトの幅が圧倒的に広がったり、外国人とのコミュニケーションが日常になったりと、人生を豊かにすることにつながるでしょう。
英語の学習は、文字通り「新しい世界」を切り開いてくれるのです。

■出典と調査概要
「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)

【企業・団体調査】
・調査対象:20171月~20188月にTOEIC Programの公開テスト団体一括受験申込または団体特別受験制度(IPテスト)を利用した2,442の企業・団体
・調査方法:WEB調査、質問紙郵送調査を併用
・調査期間:201811月~20192
・有効回答数:528

【ビジネスパーソン調査】
・調査対象:日経BPが運営する「日経ビジネスオンライン」の登録者(20~50歳の有職者)
・調査方法:WEB調査
・調査期間:201812
・有効回答数:466

「エンワールド・ジャパン 英語の学習法に関するアンケート結果」
・調査対象:同社サービスに登録しており、正社員として働いているビジネス以上の英語力保有者(英語を母国語とする人を除く)
・調査方法:WEB調査
・有効回答数:1,159

TOEIC is a registered trademark of Educational Testing Service (ETS). This website is not endorsed or approved by ETS.

渡辺 英史

渡辺 英史

PROFILE

ライター、コンサルタント
東京都中小企業診断士協会 城東支部所属。

福岡生、熊本育ち。上智大学卒業後、大手メディア企業に入社。広告マーケティング・調査、営業、企画開発・イベント運営、ウェブ記事配信、データベース事業等に携わる。現在は新聞系IT企業勤務。2020年中小企業診断士登録、有資格司書。


お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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