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  • 2021.01.13

副業人材の活用方法

副業人材の活用方法

「副業元年」とされる2018年以降、副業解禁に踏み切る企業が増加傾向にあります。その動きは新型コロナウイルスの影響でますます加速しており、最近では全日本空輸(ANA)が従業員の副業範囲を大幅に広げたことも話題になりました。今後、専門的なスキル・多様な経験を持った「副業(複業)人材」が一層増えるのは間違いないでしょう。

「副業を許可する企業」「副業を希望する個人」が増加すれば、同時に「副業人材を受け入れる企業」も求められることになります。ただ、受け入れ体制が整った企業は必ずしも多いとはいえません。
そんな状況下、他社に先駆けて副業人材活用のノウハウを蓄積することができれば、競争優位を築く一助になります。特に人材難に悩みを抱えていた企業にとっては、またとないチャンスになるはずです。

この記事では、副業人材を活用することでもたらされるメリットと、ケース別の副業人材活用方法をご紹介していきます。

副業人材を活用するメリット

人材不足に悩んではいるものの、それを副業人材で埋めるイメージができない。フルタイムで働かない副業人材を活用することのメリットがわからない。そんな思いを抱く経営者・採用担当者も多いのではないでしょうか。
しかしながら、副業人材の活用には幅広いメリットがあるのは間違いありません。現在抱えている課題の解決につなげることも十分に可能です。

副業人材の活用方法

転職市場にはいない、新たな人材にリーチ可能

昨今は人材獲得競争が過熱しています。コロナ禍で勢いが少し弱まった印象もありますが、少子高齢化が進む日本において、優秀な人材の獲得が難しい状況はこれからも続くでしょう。
そんな大きなトレンドのなか、転職市場で採用活動を展開すると、求める水準の人材に出会えなかったり、コストがかかりすぎたりすることも少なくありません。この傾向は、特に中小企業に多く見られるようです。

一方で、転職市場から「副業人材市場」に目を移してみると、まだ活用している企業が限られるため、先行者優位が得やすい環境にあります。企業規模に関わらず、優秀な人材にリーチできる可能性があるのです。

転職市場と「副業人材市場」では、そもそもの母集団に違いがあります。後者の場合、副業が認められている企業に勤めている人であれば、転職意向の有無にかかわらず全員が協業するパートナーになりえるのです。多くの企業が集まる転職市場で競争するのではなく、「副業人材市場」に目を向けることで、これまでは縁のなかった優秀な人材を自社の戦力にできる可能性が広がります。

副業人材の幅広い経験・ノウハウを活用できる

複数のビジネスに並行して携わっているのも、副業人材の特徴です。ひとつのプロジェクトに集中して成果を出すのも大切なことですが、複数のプロジェクトに関わる中で得られる経験・知恵もあるでしょう。副業人材を積極的に活用することで、その経験やノウハウを自社の事業に活かすことができます。
また、複数のビジネスに携わっているというのは、それだけその人材にニーズがある証左ともいえます。もちろん、人材の質が100%担保されるわけではありませんが、求める人材と協働できる可能性は高いのではないでしょうか。

自社で抱えるよりも結果的にコストが抑えられる可能性がある

副業人材の活用を効果的に行うことで、費用削減効果も期待できます。
高度な専門スキルを持つ人材の場合、自社で採用し育成するには相応の時間とコストがかかります。
一方、副業人材であれば必要な業務だけ活用することで代えられるため、固定費を変動費に転換できるメリットも重なって、トータルのコストを抑えられるケースが少なくありません。

人手不足の解消に寄与するだけでなく、人材獲得競争下ではなかなか巡り合えないような優秀な人材の獲得、コストの最適化といった効果も見込めるのが、副業人材活用のメリットです。

3つのケース別「副業人材の活用方法」

副業人材の活用方法

副業人材を活用するメリットは理解できるものの、具体的な活用場面、活用方法がわからないという企業も多いと思います。副業人材に何を期待するのか、どんな仕事を依頼したいのかによって、その活用方法も変わってきます。

今回は3つのケース別に、その活用方法をご紹介します。

副業人材の活用方法

明確なタスクに対して副業人材を割り当てるケース

まずは、副業人材に依頼する業務が非常に明確であるケースです。例えば講演のテープ起こし、データの入力や整理、ロゴマークやチラシの作成などが典型的です。本ケースの特徴として、納品物がわかりやすいことが挙げられます。そのため、業務依頼の範囲を設定する際に注意すべきことは少なく、「お願いしたことと成果物のイメージが大きく異なっていた」という事態にもなりにくいでしょう。契約形態として「請負契約」が用いられることも多いです。

依頼するタスクが明確な場合、社内人材で完結すればよいのではないかという意見もあるでしょうが、副業人材を活用するメリットはあります。

1つ目は、社内負荷軽減に資するということです。
慢性的な人材不足を抱える会社にとって、副業人材への発注を通じて負荷を軽減するとともに、ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産といった自社の経営資源を得意分野に集中させることは、有効な経営判断だと考えられます。

2つ目は、専門的なスキルの活用が可能ということです。
例えばロゴ作成を例にとってみても、「センスのよいロゴを簡単に作れる」スキルを持った従業員がいる企業がどれだけの割合で存在するでしょうか。慣れないことに企業内のリソースを割くよりも、プロに任せたほうが結果的に時間面でも費用面でもお得というケースが少なくありません。

3つ目は、業務の棚卸や標準化が進むという点です。
依頼内容によっては、タスクを具体化し適切に伝えることが重要になるため、依頼プロセスを通じて業務の整理が自然と行われます。担当者内に溜まっていた業務ノウハウを見える化するよいきっかけになるのではないでしょうか。

タスクが明確な本ケースは副業人材の活用難易度が最も低いので、まずはここから取り組んでみるのもよいと思います。

プロジェクトの中で副業人材を有効活用するケース

業務範囲や求められる成果は明確な一方で、手段やプロセスには定まったものがないプロジェクトで副業人材を活用するケースです。
新システムの開発、新規事業の立ち上げ、人事制度の刷新などをイメージするとわかりやすいでしょう。ある特定のプロジェクトに対して副業人材をアサインすることになりますが、基本的には社内人材と副業人材とが協働して進めていきます。

本ケースの特徴は、まず仕事の規模が大きいこと。そして、前ケース以上に「社内にそのプロジェクトに関するノウハウを持った人がおらず、副業人材に補完してもらう必要性が高い」ということです。新規事業を始めたいが、その立ち上げノウハウやそもそも割ける余剰人員が少ない。新システムを組み立てたいがその進め方に不安がある。人事制度を刷新したいが、初めてのことで何から手を付けていけばいいのか勘所がわからない。こういった「社内の人材だけではいかんともしがたい課題」に対する解決策を見出していく力を求めているケースであり、前ケースでもメリットとして掲げた「副業人材の専門的なスキルを活用すること」に重点を置いたケースともいえます。

本ケースでは前ケースと比べて、業務委託期間が長くなるのも特徴です。数カ月から、場合によっては数年というケースもあります。腰を据えて取り組んでいくために、従業員と副業人材との間での密な関係構築がより重要になるでしょう。その意味で、専門性はもちろん、人柄やコミュニケーション能力も考慮した人材選定が求められます。

なお、このプロジェクト型のメリットとして、その副業人材のノウハウを従業員に一定程度移転できるということも挙げられます。協働しながらプロジェクトを推進していくなかで、副業人材の知恵を吸収し、自分のものとしていくことで、今までにないノウハウをもった従業員の育成につなげることができます。OJTを通じた社員教育とも捉えられるでしょう。

長期的な課題やミッションに共に取り組むケース

前段のプロジェクト型よりもさらに一段抽象度があがり、長期的な課題やミッションのみが与えられるケースです。目安はあっても明確な期間は存在せず、具体的な納品物・成果物もありません。ただ達成したい目標はあり、それに向かって社内の人材と副業人材とが一丸となって進めていくことになります。

本ケースの例としては、企業の長期的な経営戦略の立案・モニタリング、企業や基幹サービスのブランディングなどがあげられます。前ケース以上に、高度なノウハウと中長期的な関係構築が重要になります。人材選定においても、他の2ケース以上に経験と人間力を見極める必要がありますし、業務の性質上、顧問やアドバイザーという形で契約を結ぶこともあるでしょう。

最初から100点満点の副業人材活用を行うのはなかなか難しいと思います。ただ、失敗する確率を下げるために、また早く100点に近づけるためにも、「自社の課題は何なのか」「どんな場面で副業人材を活用したいのか」「提供してほしいノウハウはどのようなものなのか」を十分に検討したうえで、目的にあった委託の仕方・人材選定を行うことが重要です。

なお、副業人材はどこで見つけるのか、という課題もあります。紹介でつながるケースもあれば、SNSなどで直接スカウトするケース、副業のプラットフォームを活用して見つけるケースもあります。
最近では、ココナラ、ランサーズ、クラウドワークス、Another worksskill shiftWorkship、コデアルなど、数多くのプラットフォーマーが存在しています。プラットフォームごとに得意としている領域が異なるので、活用の際には自社に合ったプラットフォームを選ぶことが大切です。

今こそ積極的な副業人材活用を

自社に合った優秀な副業人材は本当にいるのか。いたとしても副業人材を有効に活用できるのか。そういった不安から、どうしてもその活用まで踏み出せないという企業も多いのではないでしょうか。

ご紹介してきた通り、副業人材活用のメリットは多いです。またケース別に考えることで、有効活用するハードルも下げることができるでしょう。もちろん、スモールスタートすること(限定的な部分で活用してみること)、契約の中で依頼する内容を明確化することを通じて、リスクヘッジを行うことも重要です。

大きなトレンドとして、副業人材が増えていくことは間違いありません。同時に、副業人材活用のノウハウの有無が、企業の競争力に影響する時代がそこまでやってきています。副業解禁の流れがさらに加速している今こそ、「副業人材活用」に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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