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  • 2020.11.09

中小企業・小規模事業者のIT導入の第一歩

中小企業・小規模事業者のIT導入の第一歩

AI、IoT、Fintech、DX、クラウド、ビッグデータ。これらの言葉を耳にしない日がないくらいITに関する用語が飛び交っています。
他方では、中小企業・小規模事業者のIT化は進んでいないと言われ続けています。また、昨今のコロナ禍のため、大企業や力のある企業と経営資源に限りのある中小企業・小規模事業者との格差はますます広がる一方です。

しかし、中小企業・小規模事業者も決してあきらめる必要はありません。中小企業・小規模事業者であっても、一歩ずつ、また支援機関やコンサルタントの支援を受けながら推進することで無理のないIT導入ができるのです。今回の記事では、中小企業・小規模事業者のIT導入の第一歩をご紹介します。

中小企業・小規模事業者でIT化が進まない理由

2018年度版中小企業白書によると、IT化が進まない理由として「コストが負担できない」、「導入の効果がわからない、評価できない」、「従業員がITを使いこなせない」が主な理由となっています。また、「課題は特にない」が約2割とありますが、そもそもこれまで自分たちが長年やってきたことが正しいと考えているに過ぎない経営者もまだまだ多く存在します。

中小企業・小規模事業者のIT導入の第一歩

IT導入の必要性

IT導入の必要性について、これまで多くの経営者は生産設備の導入や、採用活動など様々な投資を行ってきました。しかし、いざIT投資となると、多くの経営者は、どうしてよいかわからない状態となります。また、ITベンダーの説明がわからないこと、高額なIT導入費用が必要となることなどから、トラウマとなっている経営者も多く存在します。

中小企業白書では、「IT導入した企業」と「IT導入していない企業」の売上高の差は業種を問わず大きいといったデータがあります。さらに、今後はIT導入をはじめIT活用しなければ生き残れない世の中になりつつあるといわれています。苦境に立たされる中小企業が生き残っていくためには、ITを活かした「生産性向上」に取り組まなければなりません。

IT導入のプロセス

そもそも、IT導入活動は通常のビジネス活動において生まれるものです。すなわち、IT導入活動は、あくまでも経営改革の実行のために行うものです。
下図は、通常のビジネス活動における経営改革活動、IT化推進活動、ITベンダー活動の関係性とプロセスを示しています。これまでIT導入が進まなかった理由も、実は下図のようなプロセスが曖昧であった、また理解が不十分であったとの可能性もあります。

中小企業・小規模事業者のIT導入の第一歩

経営者のリーダーシップと外部専門人材の活用

IT導入活動はあくまでも経営改革の一環であるため、まずは経営者が夢を持ち、経営ビジョンを明確に示し先頭に立って、経営改革を進めるというリーダーシップが必要です。これは決して経営者がITを勉強しなければならないという訳ではありません。経営改革や、業務改革などのプロジェクトを主導し、従業員任せにせず、社内外の関係者と密なコミュニケーションを取ることが必要です。

また、経営者の良き相談相手となる人材が必要となります。このためには積極的に外部機関を利用することをおすすめします。具体的には、公的機関や中小企業診断士、経営コンサルタントなど「経営とIT導入に明るい人材」に支援を依頼し、社内プロジェクトチームを発足させ、戦略策定から一緒になって取り組むことが良いでしょう。いわば経営者の相談相手であり、プロジェクト推進者へのコーチ役となるのです。

コスト負担に対する不安解消

ここからはIT導入が進まない上位3つの不安について、解決策をみていきます。

コスト負担に対する不安について、ハードやソフトそれ自体に関し、相応の初期投資が必要なのではといった不安があるでしょう。この点について、最近ではクラウド型サービスが増え、サーバーも不要で、無料、少額プランなど多彩なサービスがあり、昔に比べ大きくIT導入の敷居が下がったといえます。

とはいえ、IT導入には費用は不要というわけではありません。限られた財源のなか、身の丈にあった投資額にするためには、IT投資の目的を明確にする必要があるのはいうまでもありません。加えてその目的とは従来の単なる更新投資から価値創造投資といった新しい付加価値創出につながる効果があるかどうかについても考える必要があります。

どうしても費用面が問題となる場合は金融機関からの融資や補助金、助成金の制度活用も積極的に検討しましょう。IT導入補助金では下限30万円~上限450万円まで補助額があり、申請も登録されたベンダーが行うため、経営者にとって負担は少なくなっています。

導入効果の評価に対する不安解消

IT投資の効果の測定・評価の方法はあらかじめ決めておく必要があります。そのためにも経営者のビジョンと戦略目標の策定が必須です。将来のあるべき姿と現状のギャップの洗い出し、さらに自社の強み・弱み・機会・脅威の面から検討することで取り組むべき「重要成功要因」(CSFCritical Success Factor)を挙げていきます。

重要成功要因とは目標達成するために最も影響がある要因をいいます。優先順位をつけ、IT導入で強化すべきポイントを明確にします。すなわちマーケティング力、開発力、設計力、生産力など、何についての強化を一番に図るのかを明確にしていきます。

そして、IT導入投資効果はそれらの経営課題の解決度や、戦略目標の実現度で評価を行います。IT導入したツールによっては、効果の測定が難しいものもありますが、その場合でも「従業員の意思疎通が早くなった」、「従業員が余裕をもって働けるようになった」などいった定性的な評価を行うようにします。

従業員のITスキルに対する不安解消

中小企業・小規模事業者では、そもそも従業員が少なく、日常業務で手一杯といった企業が多く存在します。中小企業・小規模事業者は、今後IT無しの経営を今後も続けていくことはいずれ難しくなるでしょう。しかし、中小企業・小規模事業者がIT人材を採用することは困難を伴うものといわざるを得ません。

そこで時間とお金がかかることを念頭に、従業員のなかで、IT人材教育を行い、キーマンを育てることが必要となります。人材が育つまでは、外部の専門家によるITの維持運用方法の指導や、ITスキル向上の研修を受けるなど、外部人材を活用すれば良いと考えましょう。

IT人材の育成を行うにあたり、ITスキルの有無に関わらず業務全般にわたるベテラン従業員を推進者または協力者にすることが有効です。これは長年の業務経験があり、業務や改善ポイントを把握しており、IT導入を図る上でも協力がないと良い仕組みを構築することはできないからです。

最近では少なくなりましたが、職人肌でIT導入に否定的なベテラン従業員もいるかも知れません。そういった場合でも経営者がIT導入の必要性をしっかりと説明しましょう。他にも複数人を育成することや、経営陣にIT担当を置く(CIO)ことも有効です。
重要なのは従業員が一丸となった体制づくりで推進することです。

できることから少しずつ

今回IT導入についての第一歩についてお話しましたが、大事なことは「経営改革の一環のプロジェクトにする」「経営者のリーダーシップを図る」「社内外の合意形成」です。これらの点を外部の専門家の支援を受けながら、是非ともIT活用が必要と判断した業務から少しずつ始めてはいかがでしょうか。

IT導入における各種支援機関や参考サイト

中小基盤整備機構「ここからアプリ」 https://ittools.smrj.go.jp/
中小基盤整備機構「よろず支援拠点」https://yorozu.smrj.go.jp/
ミラサポ専門家派遣 https://www.mirasapo.jp/specialist/
商工会議所・商工会等の活用

増田 雅英

増田 雅英

PROFILE

ライター、コンサルタント
大阪府中小企業診断協会所属

大阪府出身。大学卒業後、大手SIerに入社。大手・中小企業の基幹システム開発・保守業務のエンジニアを経て、現在はプロジェクトマネジメント業務に従事。

2020年中小企業診断士登録、個人事業主としても開業。
企業の経営支援、IT導入プロジェクト支援、執筆業に取り組んでいる。
PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)、メンタルヘルスマネジメントⅡ種

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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