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  • 2020.06.03

英会話で「電池切れ」にならないための心構え

英会話で「電池切れ」にならないための心構え

できれば避けたい「電池切れ」

外国語での会話はエネルギーを使います。みなさんは英語での商談中に「電池切れ」になった経験はありませんか?

海外ビジネスの現場では英語が一般的です。仕事上の会話だけでなく、懇親会やレセプションなど「社交の会話」でも英語は欠かせません。
日本語で当たり前に話していることでも、英語だとニュアンスがうまく伝わらず、だんだん気持ちが疲れてきます。無意識に多くのエネルギーを使ってしまい、ロボットが「電池切れ」でダウンするように、話の筋が追えなくなり、そのうち自分の英語が出てこなくなる。慣れればそんなことないと思われるかもしれませんが、英語を外国語として使われている方であれば、多かれ少なかれ覚えがあるのではないでしょうか。

私は初めて海外企業を訪問した際、張り切って英語での会話を続けているうちに、懇親会でいつの間にか「電池切れ」になってしまい、気が付くと相手の話に相槌ばかり打っていた経験があります。
せっかく海外企業との関係構築の機会が得られたのに、満足いかない結果に終わるのはできれば避けたいところです。

今回は、自分の中で「電池切れ」を起こすことなく、英語での会話を長く続けるための心構えをご紹介します。

自分の言葉で話す

まず話し方です。当たり前と思われるかもしれませんが、自分が言いたいことを明確にしたうえで、自分の言葉で伝えることです。自分の言葉であれば、状況や場面に応じてわかりやすく言い換えしながら、会話に集中することができます。
ビジネスの場でこれを行うのは案外難しいものです。特に初対面の相手には「正しい文法で洗練された英語を使って好印象を与えたい」との意識が先行しがちです。すでに相当の英会話レベルに達している場合はそれでよいのですが、完璧を意識するあまり、些細なミスが気になってしまい、会話に集中できなくなります。

また、自分の言葉で話すことは、自分の英語の状況を伝えることでもあります。相手に自分の英語の状況を理解してもらえれば、相手もレベルを合わせて受け答えしてくれるようになります。

相手が「この人は英語に堪能だ」と勘違いして会話のスピードを上げてしまうと、相手の話についていけなくなり、無駄にエネルギーを消費して「電池切れ」につながりかねません。相手がネイティブでなくても同じです。私は、海外の同業者を相手に英語で専門用語を多用した結果、相手から機関銃のように次から次へ聞いたことのない英語が飛んできてしまい、頭の中が真っ白になった経験があります。

自分らしく正直に話していれば、流暢な英語でなくても、しっかり伝わります。英語がペラペラだからといって関係構築できるとは限りません。たどたどしくても自分の言葉で伝えていればこそ、相手にわかってもらえるのです。

Yes/No質問を避ける

次に質問の仕方です。自分から質問して話題を提供することで、話の筋を追いやすくなり、会話に余裕が生まれます。相手に気持ちよく答えてもらえれば、会話が弾み、自分の中でも集中力が途切れにくくなります。

質問には、クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンの2つの質問の仕方があります。クローズド・クエスチョンとは、相手にYES/NOで答えてもらう質問です。一方、オープン・クエスチョンは「5W1H」をベースに自由な回答を求める質問です。

ビジネスの場面などでは、クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンを適切に使い分けることが重要と言われています。例えば、相手とあまり親しくない場合などは、まずクローズド・クエスチョンでYES/
NO質問から始めて会話のリズムを作ったうえで、オープン・クエスチョンに切り替えて自由に答えてもらい、相手との距離を縮めていくという具合です。

実は、「電池切れ」を起こさないためには、相手と親しくない場合でもYES/NO質問は極力避けるべきなのです。なぜでしょうか?

それは、YES/NO質問の形にしてしまうと、相手から帰ってくる答えがYES/NOの一言となってしまい、そこで話題が終わるだけでなく、会話そのものが続かなくなるからなのです。

・こう晴れた日が続くと気持ちいいですよね?
A: Isn’t this clear weather comfortable?
B: This clear weather makes me feel comfortable. What do you think?

・今回の景気刺激策があなたの業界に与える影響はどうですか?
A: Do you think this stimulus package is beneficial to your industry?
B: What’s your position on how this stimulus package affects your industry?

どちらの質問も内容は同じなのですが、Aでは「Isn’t this~?」「Do you think~?」とYES/NOで答える形で質問しています。
相手は一言で返事を済ませることができますので、会話が途切れてしまう可能性が高くなります。Bでは
「What do you think?」「What’s your position~?」と相手に意見を求める形で質問していますので、返事が一言だけという状態は回避できます。

YES/NOで終わるような話題でも、少し言い方を変えて相手の意見を聞くようにすると、相手からもっと長い言葉を引き出して、会話を続けることが可能となります。

その結果、相手は自分の意見を考える時間が必要になりますので、沈黙の時間が続くかもしれません。この沈黙を受け入れる余裕を持つことで、「電池切れ」となる状態を避けつつも実りある会話を生み出すことができるのです。

英会話で「電池切れ」にならないための心構え

1対1で会話する

懇親会など人がたくさん集まる場では、様々な会話パターンが無限に広がります。英語ネイティブが3人以上集まって仲間うちの話題に入ってしまうと、会話のスピードが速くなり、話の筋を追うだけで相当のエネルギーを消費することになります。

私も、初めて海外のレセプションに参加した際に、場の雰囲気に圧倒されて、英語での会話についていけなくなり、どう振舞ったらよいかわからなくなった経験があります。

大人数だからと言って、全員を相手にする必要はありません。例えば隣の人など11で会話できる相手を探し出すことで、それほど苦労なく英語を続けることができます。

ここで注意すべきなのは、同じ相手との会話が長時間にならないことです。懇親会の場ではmingling(いろいろな人と話をすること)が大切とされています。会話が長くなってその場を離れたほうがよいと判断した場合は、次のようなセリフが便利です。

・Excuse me. I have to visit the restroom. (失礼。ちょっとトイレに)

・I think I'm going to go mingle.(ほかの人たちとも話してこようと思います)

・I'd better go say hello to our host. (主催者にあいさつしてきます)

その場を離れる際には、会話が切れるタイミングを見計らって、「話せてよかった」という気持ちを簡潔かつ自然に伝えましょう。

・It was nice talking to you. (お話しできてうれしかったです)

・I had a great time. Thank you. (とても楽しかったです。ありがとうございます)

・I hope I can see you again sometime soon.(近いうちにまたお会いできますように)

このように感謝の気持ちを伝えることで、相手に対して十分に礼を尽くしたと言えます。

自分独自の会話スタイルを見つける

今回、話し方や質問の仕方などにスポットをあてましたが、英語を外国語として話している以上、ネイティブの域に達するのは容易なことではありません。
逆にネイティブにはなり得ないと割り切って、自分独自の会話スタイルを磨くことも重要です。

誰しも自分のスタイルを見つけるのは難しいものです。できるだけ「電池切れ」にならない状態を続けながら、自分にふさわしい会話スタイルを見つけていただければと思います。

参考資料:
Larry King, How to Talk to Anyone, Anytime, Anywhere (Three Rivers Press,1994)
pp39-40, pp52-54

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