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世界で見つけた日本製品【メキシコ合衆国編】

北米のラテンアメリカ、メキシコ合衆国

北米のラテンアメリカ、メキシコ合衆国

国土は日本の5倍、約1億3,000万人の多民族国家

メキシコと言えば南米のイメージがあるのではないでしょうか。しかし実は地理上では北米に区分されています。日本人には治安が悪い国だと思われがちですが、人々は明るくお互いに助け合う文化で、多くの世界遺産を持つ魅力的な国です。

日本の約5倍にあたる196万平方キロメートルの国土を有し、日本とほぼ同じぐらいの人口にあたる約1億3,000万人が暮らしています。日本が少子高齢化の問題に直面しているのに対し、若年層の多さが強みとなっています。北部にはスペイン系住民が多く住んでおり、オアハカやチアパスなど南部には民族衣装を着ている先住民も暮らしています。

メキシコ人は日本人に対して勤勉で時間を守るというイメージがあり、日本人を見習いたいという人もいます。日系企業で働いているメキシコ人の中には、日本のやり方に対して厳しく感じている人もいるようですが、大半のメキシコ人は日本に対してリスペクトをしている印象を受けます。

日本食
ローカルスーパーのオリエンタルコーナーとお米コーナー

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ローカルスーパーのオリエンタルコーナーの食材

ローカルスーパーやアメリカ資本のウォルマートにはオリエンタルコーナーがあり、そこには写真のような醤油やふりかけ、パン粉、インスタントのご飯やラーメンなどが売られています。意外にもふりかけはメキシコ人に人気の商品です。

メキシコ国内には日本の食料品店もあり、食材、調味料、お菓子、冷凍食品などの食料品だけでなく包丁や食器類なども手に入ります。食材は日本の24倍の価格で売られていますが、買い物客にはメキシコ人も多く、比較的可処分所得が多い層、日本の文化に精通している層が買いに訪れているようです。

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棚に並べられている醤油とサッポロ一番

メキシコ料理といえばタコスのイメージがありますが、お米も主食として食べられています。
トルティーヤにご飯、肉、豆、野菜などを巻いて食べたり、メキシコの家庭ではミックスベジタブルと調味料で炊いたピラフご飯をよく作ったりしています。

スーパーのお米コーナーには数種類のお米が陳列されており、その中にはSUSHIと書かれたジャポニカタイプのお米もあります。写真のお米は日本円に換算すると1kg270円ですが、一般的なお米は1kg当たり約125円ほどなので、ジャポニカ米は若干高めに設定されています。

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お米コーナーのSUSHI用と書かれたジャポニカ米

そして、スーパーの乳製品コーナーに必ずあるのがヤクルトです。
スーパーでは1パック5本入りで売られていますが、ティエンディータと呼ばれる個人商店ではヤクルトを1本から販売しており、海外にいる日本人にとってはありがたく、メキシコ人にとっても非常に身近な飲み物です。身近すぎて、もしかすると日本の飲み物と認識されていない可能性さえあります。

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乳製品のコーナーのうち一つはヨーグルトを含め全てヤクルト製品

日本のものと意識されていないほど現地に溶け込んでいる食品と言えば、インスタントラーメンMARUCHANもその一つで、MARUCHAN=インスタントヌードルでメキシコ人の食文化に浸透しています。こちらで売られているインスタントラーメンは日本のインスタントラーメンに比べると少し物足りない味ですが、メキシコ人は色々なサルサや具を入れて自分好みの味にするので、物足りないくらいがちょうど良いようです。

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メキシコで買える日本のインスタントラーメン。MARUCHAN、CUP NOODLES。焼きそばのUFOもある。 味はローカライズされている

首都のメキシコシティに行くと日本食の認知度も上がりますが、いわゆる日本食・和食を知っているメキシコ人は富裕層や、日本の食文化に精通している人に限られてくるように思います。
メキシコシティや主要都市では日本で食べるのと同じレベルの日本食を食べることができますが、マンゴーが乗った寿司など、ローカル向けにアレンジされたものも多くあります。
ただ、日本食を含むアジア系料理を提供する場所が増えているので、外国の料理への関心は高まってきているのでしょう。

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スーパーのSUSHIとYAKIMESHI。約200円から300円

メキシコシティには牛丼でお馴染みのすき家があります。牛丼の他に、豚丼、ラーメンなども提供されており、メキシコ人にも人気があります。
日本食材店ではメキシコのすき家の牛丼、カレー、豚丼の冷凍レトルトを約250円で買うことができるので、日本人駐在員の間でも人気が高いようです。

日本車メーカー

メキシコといえば、忘れてはいけないのが自動車関連企業の多さです。アメリカと国境を接しており、若年層が多いことや人件費が安いことから自動車工場が多く、バヒオ地区(中央高原地帯)と呼ばれる、メキシコシティの北部にあるエリアには日本の自動車メーカーが集まっています。
日系自動車メーカーの進出に続き、関連企業やサプライヤーも進出したため、在メキシコの日系企業の数は10年前に比べると34倍になっているとも言われています。

先日1年半ぶりにメキシコの隣国グラテマラを訪れました。前回グアテマラを訪れた時にはトヨタ車が多く走っているイメージがあったのですが、今回の訪問ではマツダ車が圧倒的に増えたことに驚きました。

また、メキシコでは以前から日産車を圧倒的に多く見かけますが、今ではメキシコ国内に工場を持つホンダやマツダ、また工場は持たないもののメキシコに輸出販売しているスズキなど、多種多様な日本車が多く見られるようになりました。

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グアテマラのマツダ

日本文化とソーシャルネットワーク

日本の文化に興味を持っているメキシコ人は多いです。
日本のアニメは世界中で見られていますが、メキシコではセーラームーン、聖闘士星矢やドラゴンボールに人気があります。

メッセージツールとしてWhatsAppが主流で、日本のLINE同様スタンプを送り合うことができますが、セーラームーンや聖闘士星矢やドラゴンボールのスタンプが送られてくることもよくあります。公式に購入したスタンプではないようですが、無料の面白いスタンプを探して使っています。

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WhatsAppのスタンプ

日本とメキシコの交流は400年と歴史が長く(日墨外交は今年で132年)、日系メキシコ人も多く暮らしています。ここ10年で加速した日系企業の進出で在留日本人が増えたこともあり、日系住民が多く住む地域では、盆踊りや日本の映画週間など、日本とつながりの強いイベントも行われています。

日本の文化が好きなメキシコ人は、開催日程を日本人の友人に聞いたり、FacebookTwitterで調べたりして情報収集をしています。SNSはメキシコ人にとってもなくてはならないツールになっています。

買い物大好きメキシコ人

メキシコ人は貯金ができない国民性と言われるほど、買い物が大好きです。
ブルーカラーの労働者の給与は毎週、ホワイトカラーにはキンセナと呼ばれる月2回の給与の支払いがあります。日本のように月1回の給与だとその週で使い切ってしまう可能性があるため、給与が分けて支払われているようです。キンセナの1週間後には全部使いきってしまっていたり、ボーナス支給日の翌日にはすでに支払で消えてしまったりするメキシコ人も少なくありません。

主要都市には高級デパートやショッピングモールなどが多くあります。定期的なセールもありますが、クリスマスの1ヶ月前に行われるBUEN FINと呼ばれるセールでは人々の購買意欲が高く、商業施設の駐車場がいつも満車になります。

富裕層や可処分所得が多い層は、食品、服飾品の品質にもこだわり、高くてもいいものを買う傾向がありますが、一般的なメキシコ人は価格に目を引かれがちで、セールやお得なキャンペーンに飛びつく人が多いように思います。

メキシコの今後

アメリカと国境が隣接していることもあり、またはメキシコの最も重要な輸出市場は米国であることから、メキシコの経済はアメリカ経済に左右される傾向にあります。2019年は10年振りのマイナス成長となりましたが、不景気になっても国民の購買意欲にあまり影響がないように見受けられます。

「日本風」ではなく、「本物の日本」が感じられるものであれば、増加した在留日本人や日本文化に精通しているメキシコ人向けに需要が見込めるでしょう。
若年層も多く、今後もまだ伸びしろのあるメキシコを市場として、また地理的にもアメリカへの輸出も容易なことから製造拠点として検討されてはいかがでしょうか。

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