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  • 2020.04.01

英文パンフレット作成時に押さえておきたいポイント

英文パンフレット作成時に押さえておきたいポイント

日本語パンフレットを英語に翻訳するだけでは響かない

「英文パンフレットは、日本語のパンフレットを英語に翻訳すればそれでよい」と思っていませんか。

私は、かつて英文パンフレットの作成を担当していたとき、日本語パンフレットを英訳して、英語ネイティブ(英語を母国語として話す人)に校正をお願いしたところ、「印象が薄い」「読みにくい」と指摘されて、何度も原稿を作り直した経験があります。

英語としては正しいのに、なぜ英語ネイティブに響かなかったのでしょうか?

それは、言葉のニュアンス、書体など、英語としての印象や読みやすさが、日本語と異なるからなのです。

少ない文字で印象付ける

現在、海外進出だけでなく、インバウンド対策としても外国語パンフレットの作成機会が増えています。中国語版や韓国語版など多言語に対応したいところですが、最低限必要なマストアイテムは英文パンフレットです。

英文パンフレットは、日本語のようにスラスラとトークできない営業現場において、非常に重要な役割を担う営業ツールとなります。文字を少なく、写真や図版、イラストなど多用し、初めてその製品・サービスに出会う英語ネイティブの感性にビジュアルで訴えるパンフレットとしなければなりません。

少ない英文でいかに印象付けるか。

信頼できる翻訳者やデザイン会社に依頼できればよいですが、最近では使い勝手の良い翻訳ソフトやデザインソフトも増えています。今回は英文そのものにスポットをあてて、自社で英文パンフレットを作成する場合に押さえておきたいポイントをご紹介します。

名詞の代わりに動詞を使う

英文パンフレット作成時に押さえておきたいポイント

まず押さえておきたいのは、動詞です。日本語と英語は、名詞と動詞の使い方が大きく異なります。たいていの場合、日本語では名詞に、英語では動詞に意味が集中しています。

・当社は先端技術を応用して高品質の製品開発を行っています。
A: We are conducting development of top-quality product with application of state-of-art technology.
B: We develop top-quality product by applying state-of-art technology.

英語としてはどちらも間違いではないですが、Aでは「開発を行っている」を「are conducting
development
」で、日本語と同じく名詞を動詞として英訳し、Bは同じフレーズを動詞だけの「develop」にしています。「応用して」もAは名詞「application」、Bは動詞「applying」にしています。

実はBの方が、英語ネイティブには印象に残りやすいのです。なぜでしょうか。

英語ネイティブの感覚では、名詞は変化のない、意味の固定化された概念を表しています。これに対して、動詞は変化を表しており、意味を多く持つものも多数存在しています。このため、動詞で表現されたアイデアの方が、名詞よりも生き生きとした印象を与えて、記憶に残りやすくなるのです。「make improvements」よりも「improve」、「reach a conclusion」よりも「conclude」、「carry out a revision」よりも
revise」を使った方が、印象に残りやすいのです。

専門用語のような固有名詞まで動詞にする必要はありませんが、名詞をできるだけ動詞に置き換えることが、英語ネイティブの印象を強める第一歩となります。

動作や変化を表す動詞を使う

印象を強めるため、be動詞の代わりに、動作や変化を表す動詞を使う方法もあります。

・当社の製品の特徴は、省エネ性が高く、壊れにくいことです。
A: The feature of our products is high energy efficiency and durability.
B: Our products feature high energy efficiency and durability.

名詞に意味が集中する日本語では、多くの場合、動詞は単に名詞と名詞をつなぐ役割しか果たしません。
「する」「なる」「ある」など、あまり意味を持たない動詞が使われることも多いです。このような背景もあり、日本語を英語に直訳するとbe動詞が多く登場します。Aで使われている動詞「is」の役割は、主語「feature(特徴)」と「high energy efficiency(高い省エネ性)」などの名詞をつなぐものです。動作に紐づいていませんので、英語ネイティブには印象が薄く、伝わりにくくなっています。

Bでは「feature(~を特徴とする)」を動詞にしています。製品の特徴が「持っている」という動作として伝わりますので、短い言葉でも印象に残りやすくなります。

また英語では、主語が動詞と強くつながっており、動作や変化を表す動詞を使うことで、主語を強調する効果も得られます。

・時間と経費を節約するためには、当社の製品が最善の選択です。
A: There is no substitute for our products to save time and money.
B: Our products offer the best way to save time and money.

Aで使われている動詞「is」は、主語「there」を受けたものですが、どちらも動作を伴っておらず、「誰が何をどうする」が明確に伝わりにくくなっています。

Bでは、動詞「offer(提供する)」を使うことで、最もアピールしたい「our products(当社の製品)」が主語として強調されます。このように動作や変化を表す動詞を使うことで、強調したい要素を明確に伝えることができます。

欧文書体を使い分ける

英文パンフレット作成時に押さえておきたいポイント

書体を気にしないパンフレットほど読みにくいものはありません。ゴシック体でぎっしり書かれた文章を「読みにくい」と感じた方も多いと思います。それは英語も同じです。

私は何の迷いもなく、明朝体のアルファベットで書かれた英文原稿を英語ネイティブへ渡したところ、「読みにくい」とクレームを受けた経験があります。恥ずかしながら、そのときはじめて欧文書体の重要性を知りました。

これは理屈ではないと思います。私たちが明朝体やゴシック体に慣れているように、英語ネイティブには欧文書体が読みやすいのです。

せっかく苦労して英文パンフレットを作成しても、書体の選択を誤ってしまってはもったいないです。パンフレットに限らず、海外へのビジネスレターなど、さまざまな場面で欧文書体は欠かせません。ぜひ押さえておきたいポイントです。

日本語書体に明朝体とゴシック体があるように、欧文書体にもセリフ体とサンセリフ体という基本的な種類があります。

長文を読ませるにはセリフ体

セリフ体は日本語の明朝体にあたります。セリフとは文字の先端にある小さな飾りのことです。手書きのペンで書かれた文字に基づいていると言われています。

英文パンフレット作成時に押さえておきたいポイント

[書体]Times New Roman

セリフ体の特徴は、文章を読むのに目障りになるような強い個性がないことです。一つひとつの構成要素が気にならず、文字そのものに注意をひくことがありません。このため、パンフレットの本文など長大な文章を読んでもらいたいときにセリフ体は最適です。

印象付けにはサンセリフ体

サンセリフ体は日本語のゴシック体にあたります。「サン」とはフランス語で「~がない(sans)」という意味で、サンセリフ体とは「セリフのない書体」ということになります。

英文パンフレット作成時に押さえておきたいポイント

[書体]Franklin Gothic Medium

サンセリフ体の特徴は、セリフを持たないためシンプルで見やすいことです。もともとセリフ体とのコントラストを強調するために、ポスターやチラシ、看板など商業目的として開発された書体と言われています。

サンセリフ体は書体の種類が豊富なことも特徴ですので、どの書体を選ぶかを重視します。タイトルや小見出しによく用いられますが、デザイン性を重視する場合には、本文に使用されることもあります。
サンセリフ体がパンフレットの印象を大きく左右するといっても過言ではありません。パソコン搭載の書体だけでなく、Webからも多くの書体を無料ダウンロードできますので、自分が求めるデザインをイメージしながら、いろいろ調べてみることをおすすめします。

英語ネイティブに伝わらない内容は見直す

今回、動詞や書体にスポットをあてましたが、そもそもパンフレットのコンテンツ自体が英語ネイティブに向かないこともあります。

例えば、日本酒や味噌などのパンフレットには、創業からの長い歴史・沿革やこだわりの醸造法が記載されています。このような歴史や伝統を英訳しても、日本の文化や土地勘に詳しくない英語ネイティブには伝わりにくいものがあります。むしろ麹のもつ健康的でヘルシーな側面を、機能・効果の根拠データなどを使いながら訴求する方が効果的だったりします。英語ネイティブに伝わらない内容は思い切って削除し、本文を見直す作業も出てくるかもしれません。

英文パンフレット作成の前に、現在の日本語パンフレットの内容が海外やインバウンドの営業現場で通用するか、振り返ってみることも重要です。

参考資料:
Gerald W. Morton, Effective Business Writing: Principles and Applications
(Florida: Harcourt Brace & Company,1996) pp4-8, pp24-34

田中 敏夫

田中 敏夫

ライター、コンサルタント

PROFILE

1969年生まれ、岡山県出身。
1993年エネルギー関連会社入社。販売に関わる事業領域において、小売店支援や法人営業、市場調査・分析、マーケティング、データ解析、海外資料翻訳、印刷企画・編集など、幅広い実務経験を持つ。
2020年中小企業診断士登録。
現在は、販売部門で会社全体の組織マネジメントに従事するとともに、小売・サービス業などの経営支援や商工団体向けの研修・セミナー講師に携わる。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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