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世界で見つけた日本製品【セネガル編】

自社の強みを生かせる市場としてセネガル、アフリカを捉えてみては?

自社の強みを生かせる市場としてセネガル、アフリカを捉えてみては?

2019年8月末に横浜でアフリカと日本間の最大のイベントであるTICAD7(第7回アフリカ開発会議)が開催されました。これまでのアフリカは環境・貧困などの社会的課題を解決するソーシャルビジネスを行う場として注目されていましたが、今回の会議では、日本企業にとって将来的に利益を取りに行くビジネスの場へと変わったといえるでしょう。

セネガル共和国はアフリカの最西端に位置する国。かつて欧州と西インド諸島との三角貿易が行われていたこの国は、現在西アフリカ地域の中心地としてまさに経済発展しようとしています。セネガルの基本的な情報や、今発展しているビジネス、そして今後のポテンシャルについて現地在住者からの視点でレポートします。

政治情勢が安定しており治安もよいセネガル

セネガルの面積は197,161㎢(日本の約半分)、西側は大西洋、東側はサハラ砂漠に囲まれた年中温暖な国です。人口は約1,585万人(2018年)で、約48%がウォルフ民族、続いてセレール民族(約15%)、フルベ民族(約13%)という民族構成となっており、国民の95%はイスラム教徒です。フランスの植民地であったことから公用語はフランス語ですが、その他ウォルフ語など各民族言語なども使われています。現在の主な産業は農業や漁業ですが、近年国内で油田とガス田が発掘され、今後主産業の比重は変化していくと思われます。

またセネガルは「民主化・経済改革においてアフリカ諸国の模範的存在」と呼ばれ、政治情勢はアフリカの中でも群を抜いて安定しています。また他のアフリカ諸国と比較すると政治・治安リスクが少ない国と言えます。セネガルの国民性も穏やかで平和的なため、日本人にとって暮らしやすい国と言えるでしょう。

セネガルはまさに今開発ラッシュ!

経済成長率は6%(2019年)、とりわけGDPの3分の2を占める第三次産業において、商業分野や物流・通信分野が発展を遂げています。セネガル政府は2035年までの新興国入りを目標に開発戦略を定めた「セネガル新興計画(PSE)」を策定し、経済成長の分野の多様化、民間セクター振興を図っています。

そのためダカールおよび近郊は開発ラッシュとなっています。経済特区整備によって、2017年には新空港が設立され、政府機関の移転や大学の開設に加え、工業団地の建設など大規模な外国企業参入が活発化しています。MicrosoftIBM等の海外企業の多くはセネガルに事務所があります。セネガルは情勢が安定しているため西アフリカ地域のハブとして機能しているようです。

一方日本企業は、コマツ株式会社、カゴメ株式会社、三菱商事株式会社など十数社が駐在事務所や現地法人を設置しておりますが、海外企業と比較すると数は少ない状況です。しかし今年2月に、日本側が要望した日本企業向けのワンストップ窓口や日本企業専用の経済特区を創設するとセネガル政府が発言しました。これをきっかけに日本から進出を検討する企業が増えるのではないでしょうか。

中間層の台頭によって国内消費は拡大する可能性あり

セネガルの貧困率は46.7%(2011年)といまだ高い状況ですが、ダカール市内にはショッピングモールができ、昨年末に初上陸したケンタッキー・フライドチキンは週末には大変賑わいます。
また、毎月ファーマーズマーケットが開かれ、セネガルで生産された有機野菜や天然化粧品、ファッション商品を扱う店が多く並びます。セネガルでは今後経済成長とともに購買力が高まり、健康食品や海外製品などの中間層向けの消費も活発化していくことが考えられるでしょう。

自社の強みを生かせる市場としてセネガル、アフリカを捉えてみては?

セネガルは「着倒れの国」と呼ばれるほどファッション・美容にこだわりがあります。セネガル女性は日常でもアフリカンワックスと呼ばれる布を自分なりにデザイン・アレンジしてオリジナルのドレスを着ていることが多いのですが、イスラム教最大の祭事である犠牲祭(タバスキ)の際には毎年新品を作ります。イスラムのお祝い時には消費が上がる傾向があるようです。

自社の強みを生かせる市場としてセネガル、アフリカを捉えてみては?

日本製品ビジネスはまだまだ参入の余地あり

セネガル国内でも日本製品を目にすることができます。どんな日本製品、日本企業がセネガル国内に進出しているのでしょうか。

●外食産業

昨年ダカール市内に日本人が経営するMatcha Caféがオープンし、寿司や抹茶ドリンクを提供しています。ダカールでは他に日本の緑茶や抹茶を扱う店はなく、連日大人気となっています。他にも日本人経営の和食レストランや寿司を出す韓国レストランなどもあり、日本食は少しずつセネガルでも広まっています。

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●食品産業

セネガルではフランス系大手スーパー(CasinoAuchan、カルフール)が参入しており、醤油や海苔等の日本食品が手に入ります。

日本食品は「エスニック食品」のコーナーに置かれ、醤油、海苔、わさびやインスタント食品(ラーメン、みそ汁)などが売られています。
日本製品はキッコーマンの醤油が普及していますが、その他の商品の大半は「Tanoshi」「Oishiya」などの非日系ブランドや他のアジアのメーカー(Suzi Wanなど)の製品が多く販売されています。そのほとんどは中国産で、価格は日本製品よりも安く売られています。
日本食品の専門店はありませんが、中華系スーパーや韓国系スーパーでも食材に共通点が多いことから日本食材を扱っています。調味料や乾めん、海苔などが流通しています。

また、セネガルでも有機食品に対する関心が高まり、フランス系のスーパーやダカール市内に有機商品を扱う店舗が増えています。しらたきやゴマなど日本食関連の食材も扱われ、日本食=健康食品というアプローチで商品を展開しているようです。

自社の強みを生かせる市場としてセネガル、アフリカを捉えてみては?

●農業・水産業

セネガルの主な産業は農業・水産業であることから、一次産業の高付加価値化を目指し日本企業が進出しています。

カゴメ株式会社は西アフリカ市場の戦略拠点としてセネガルに加工用トマトの営農会社を設立し、自社の農業技術資源を活用し新たなトマト産地を形成するとともに、将来的にセネガルおよび西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)域内のトマト加工品市場への参入を目指しています。

また、日本へタコの輸出をしているセネガルでは、漁民が小型木造船を伝統的に使用しており、操業の安全性や漁獲物の衛生管理が課題となっています。そこで、豊田通商株式会社/CFAO(豊田通商子会社)とヤマハ発動機株式会社は、ガラス繊維強化プラスチックを用いて作られた船を現地で製造・普及させ、適切な衛生管理などによる漁獲物の品質及び価値向上を目指しています。

●電気・電子情報機器産業

ソニー、パナソニック等日本メーカーの電気・電子機器製品もセネガルで流通していますが、セネガルでは日本製品の価格は高く、価格帯が安い非日系メーカーであるフランス系メーカー(TefalMOULINEXを扱うGroupe SEB社等)や韓国のLGなどがスーパーの店頭に多く並んでいます。

自社の強みを生かせる市場としてセネガル、アフリカを捉えてみては?

●医療機器・その他機械産業

機器・機械産業で日本製品の質は高評価であり、いくつかの日本企業が現地法人や駐在事務所を設置しています。コマツ株式会社ではセネガルに西アフリカのハブとして駐在事務所を設置し、鉱山・建設機械事業を展開しています。また、ニプロ株式会社では現地法人を設立し、透析製品など医療用資材の販売を行っています。

●自動車関連機器産業

セネガルでは日本車も多く見られ、中古車輸入業のエクシア株式会社やサンパワー株式会社も現地法人を設置しています。日本車以外にもルノーやTATA、ヒュンダイも多く見られます。

●電力産業

ダカール近郊の発電プラントに関して三菱重工が稼働・運営サポートをしています。主に三菱重工の欧州拠点が運営しており、日本や欧州から運転・保守指導のためにエンジニアを定期的に派遣し、発電所を安定稼働させています。

セネガルにおける日本製品は少しずつみられるものの、中国・韓国製品やフランス製品と比較すると多くはありません。しかし上述した日本製品は非日系製品よりも故障や欠陥が少なく、質・精度の高さはセネガルでも高評価です。

セネガル政府は、今後特に誘致したい産業として食品加工、建設資材製造、衣料品製造(縫製)、電機・ITを挙げています。前述した農業・水産業におけるセネガルの一次産業の高付加価値化、機器・機械産業における高品質な製品は日本企業の商機であるといえます。価格競争力があり、高品質で付加価値がある日本製品は今後セネガルのマーケットにおいて需要が高まるでしょう。

日本製品の強みを生かしたビジネスを

近年アフリカへ進出する日本企業は増えてきているものの、他アフリカ地域と比較するとセネガルを含む西アフリカへ進出している企業は少ない状況です。セネガルでは今後経済成長によって中間層向けのビジネスが活発化していくでしょう。

彼らはより豊かな生活を送るために、物流や流通網等がさらに整備されることを望んでいます。アフリカでは現在ケニアを中心にICTを活用したスタートアップ企業が多く活躍していますが、現在セネガルでもその活躍は顕著で、ケニアの次に可能性があると言われています。今後経済成長とイノベーションによる新たな商流はますます発展していくことでしょう。

将来的に人口が減少し、高い経済成長が見込めない日本だからこそ、双方Win-Winで持続可能な国・企業の在り方を目指すことが重要です。まさしくSDGsビジネスの実践が求められているのです。SDGsの達成のために事業を推進し経営していくことで、中長期的な利益を生み出し、企業価値を高めることができます。セネガルを含めたアフリカを、自社の強みが生かせるマーケットとして捉えてみてはいかがでしょうか。

黒須 仁美

黒須 仁美

コンサルタント、リサーチャー

PROFILE

1986年生まれ栃木県出身。大阪大学大学院修了。
大学院で社会人類学を専攻し、南アフリカの都市黒人貧困層社会ネットワークについて研究する。
その後外資系IT/戦略コンサルタント会社にて組織変革や政策・事業策定支援に従事し、2019年にフリーランスに転身。
現在は西アフリカのセネガルに家族と暮らしながら、コンサルタントやリサーチャーとして活動している。
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