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世界で見つけた日本製品【ウクライナ編】

新しいもの好きが多い?ウクライナのマーケット事情

新しいもの好きが多い?ウクライナのマーケット事情

ウクライナってどんな国?ウクライナの基礎知識

ヨーロッパの東に位置するウクライナ。国境をロシアと接する東部はいまだロシアとの紛争中ですが、近年はIT大国と言われるほどIT分野では目覚ましい発展を遂げています。

携帯電話料金の支払いをはじめとする様々な手続きがオンライン上ででき、街のいたるところでオンライン決済を利用できます。ほとんどの人がVpassと言われるクレジットカードを持っており、カードリーダーに当てるだけで決済が完了します。オンラインバンクでは営業終了後の15時以降であってもすぐに着金するなど、日本より進んでいる部分もあります。

国土が広く、人口は4200万人と日本の半分以下のため、人口密度は高くありません。首都キエフでも人口は300万人。地下鉄は時間によっては混みますが、東京との比ではありません。キエフは不動産建設ラッシュのピークの真っただ中にあり、街のいたるところには新しいマンションの広告が貼られています。

紛争中のため物価が非常に安くなっていますが(紛争前の1/3程度)、政治的な事情によって通貨が安くなっているだけで、物の品質が悪いわけではないため、非常に生活しやすい状況と言えます。

ウクライナは「美人の国」としても名高く、著名なモデルや女優を多く輩出しています。バイオハザードのミラジョボビッチもウクライナ出身です。一方で人柄は素朴でアジア人差別がほとんどないため、私たち日本人にとっても暮らしやすい国です。

宗教に関しては東方正教会を信仰している人が多いですが、若者にはあまり宗教の影響は強くないので、ビジネスをする上で特に気にすることはないと思います。

ウクライナ人に大人気の外食産業

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ウクライナはソ連から独立したばかりの国。ソ連時代にはもちろん外資系のレストランは存在せずソ連の大衆食堂しかなかったため、その反動からか、ウクライナ人は新しいグルメやお店を好む傾向にあります。食に関して保守的な印象はありませんが、辛いものが苦手な人が多いので、東南アジア系や韓国系のスパイスが効いたものは現地の味そのままだと敬遠されるかもしれません。

和食はウクライナでも人気があり、ここ5年で寿司屋が続々とオープンしています。ウクライナでは乾燥した魚を食べる習慣がもともとあるため、生魚にも抵抗はないようです。
お寿司のネタとしてはサーモンやウナギ、エビに人気があります。お店ではアメリカのカリフォルニアロールのような独特なお寿司が出されることが多いですが、お寿司を食べ慣れている日本人の口にも合うものとなっています。

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またラーメンに関しても、2015年にあったのは日系の麵屋武蔵1店舗のみでしたが、続々とフランチャイズ店舗の数を伸ばし、今やラーメン店の数は10店舗を超えています。味噌よりも醤油味が好まれ、豚肉が好きなウクライナ人にはチャーシューが人気です。

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最近では、5年前にはあまりなかったオシャレな中華料理店やベトナム、タイ、ウズベキスタンなど、様々な国の外食チェーン店が増えています。

寿司と同じくらい人気があるのが、最近日本でも「シュクメルリ」で話題となったジョージア料理です。ジョージアはウクライナからも近く馴染みがあるため、昔から親しまれており、ジョージア料理のレストランがウクライナにはたくさんあります。

ウクライナ人は皆それぞれが好きなものを注文するため、専門店でもそれ以外の料理を用意していることが多いです。例えばラーメン屋さんにも寿司がありますし、お寿司屋さんにスパゲッティやピザがあることもあります。日本食ではまだうどんや牛丼のチェーン店は進出していませんが、オープンすれば寿司やラーメン同様に人気が出るのではないでしょうか。

まだまだ進出の余地がある食料品

中華食材店は数店舗あるようですが、まだアジア系スーパーはありません。
寿司が人気のため、どこのスーパーマーケットにも寿司コーナーがあり、お米、海苔、ワサビや醤油、ショウガなどは一般的に売っています。日本食でよく使う大根やもやしは一部の高級マーケットには置いてあります。醤油や海苔などでも中国製も多いので日本製を買いたい場合は、しっかり確認する必要があります。ダシの素やみりんなどはまだ店舗にないことが多く手に入りにくいと言えます。

ウクライナ人は塩分摂取量が多く、醤油が好きでご飯に醤油をかけて食べることも。お寿司を食べる時も醤油をなみなみと注ぎます。そのため、醤油については種類も豊富でいたるところに置いてあります。一部のスーパーではインスタントの味噌汁やゴマ、乾麺のうどんやそばが売られているのを見かけますが、ラーメン用の生麺は販売しておらず、まだラーメンを自宅で作る文化は浸透していないようです。

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飲み物では甘めの飲み物が人気で、日本のものだと梅酒が人気です。MIKADOという名前の梅酒がどこのスーパーでも売られています。緑茶はどこのカフェにいってもありますが、日本の緑茶とは少し違った香りがします。飲み方も日本とは違い、砂糖を入れたり、レモンを入れて飲む人が多いです。欧米では人気の抹茶ラテはおしゃれなカフェにしかありませんが、流行りものが大好きなウクライナ人はアメリカやヨーロッパの流行をキャッチするのが非常に早いため、これから人気が出てくるのではないでしょうか。

海外の新しいものが好きな国民性

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日本と言って寿司やラーメンの次にイメージするのはアニメ。ウクライナでは毎年9月ごろにコミコンが開催されています。誰もがこのコミコンを知っていますし、会場ではアニメグッズを購入したり、コスプレを楽しんだりする人達で大盛況になります。アニメから日本という国に興味を持ち、日本語を勉強している人も多くいます。お互いの国の言語を教えあう無料の語学交換や日本語学校に通って日本語を勉強しているようです。

化粧品に関しては日本製や韓国製が人気で、フェイスマスクやメイク用品が売れています。日本人は肌が綺麗でいつまでも若々しいという印象があるので、日本製のコスメに人気が集まっています。また、ウクライナ人はしっかりとフルメイクする人が多く、海外のコスメも積極的に使っている人が多いのでコスメや美容製品については、ビジネスチャンスが多くあるのではないでしょうか。

ソ連崩壊からまだ30年しか経っておらず、外資が入って来たばかりの国のため、国民の購買意欲はまだまだ旺盛。日本製品に対する需要も潜在的にあると言えるでしょう。

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ウクライナではまだまだエコや環境への意識がまだ欧米ほど高くありません。最近やっとゴミの分別が始まったほどなので、先進国でのミニマリズムのような流れはまだ見られません。「明日のパンが食べられなくても良い服を買え」という格言があるように、見た目に非常にお金をかける人達が多いので、オーガニック製品など健康や環境にいい物より服やカバンにお金を使う人が多いように見えます。

最近はオーガニックのスーパーなども増えましたが、そこで売っているものはたいてい一般的な価格からみると高級品。一部の人しか手を出せないようで、オーガニック製品についてはまだまだこれからの市場と言えます。

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ITを主軸にこれからが期待できるウクライナ

ウクライナの平均寿命は最近まで60歳前後でした。老後を支えなければいけない高齢者は少なく、手厚い社会保障もなかったので若者にかかる負担は日本より軽いと言えます。

ウクライナ全体での平均月収は3万円ほどとまだまだ低く、首都キエフでも10万円前後ですが、ITエンジニアでは月収20万円以上稼ぐ人も出てきています。インターネット環境が整備されており、英語ができる真面目な国民性の若者がIT分野で活躍しており、今後もITを主軸に発展していくのではないかと思います。ソ連時代の影響で、今もホスピタリティが高いとは言えませんが、真面目な国民性なので丁寧に指導すれば、きっと優秀な戦力になってくれるはずです。

現在はいまだ紛争中と不安定な部分もありますが、新しい大統領が停戦合意に向けた会談を行うなど、紛争終了の兆しも見えてきています。紛争停止の動きを見ながら参入タイミングを見極め、流行に敏感な人々の心を掴む商品・サービスを投入すれば、これからビジネスチャンスが期待できる国と言えるでしょう。

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