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世界で見つけた日本製品【エジプト編】

新旧が入り混じるエジプトのマーケット事情

新旧が入り混じるエジプトのマーケット事情

ピラミッドやスフィンクス、ツタンカーメンの黄金マスクにナイル川…「エジプト」といえば歴史やそれにまつわる謎など様々なことが思い浮かぶと思います。では現代のエジプトは?と聞かれると意外と想像がつかないのではないでしょうか。

「エジプトはナイルの賜」の言葉で知られる通り、エジプトはナイル川と共に発展してきました。国土面積は約100万平方メートルと日本の約2倍の広さがありますが、その90%は砂漠に覆われているため人口のほとんどはナイル川沿いに密集しています。
また、国民の約90%がイスラム教、残りの約10%がキリスト教(コプト教や東方正教会)を信仰しているといわれており、街のいたるところでモスクや教会を目にします。

2010年に発生したアラブの春以降、その影響を受けて経済は一時落ち込みますが、近年は政府の政策もあり上昇傾向になっています。2017年・2018年とGDPは平均して5.3%を保ち、いまでは6%台も近いともいわれています。

刻々と変わっていくエジプト

政府による海外企業の誘致やそれに伴う外国人割合の増加など様々な要因により、今のエジプトは変化の真っただ中にあります。首都カイロでは元々砂漠だったところを大規模に開発・整備を進めて新しい市をつくりあげ、国内の富裕層や欧米人がカイロの中心地から移り住んでいます。

また、大型ショッピングセンターや海外の料理を出すレストラン、おしゃれなカフェなどのSNS映えも考えた飲食店も次々に出店。健康や環境に気をつかった食材や日用品を提供する新しい業態の店も数年前に比べると格段に増えました。

その一方で地元に根差した小さな商店もまだまだ活躍中。八百屋、肉屋、車の整備用品店、スパイスや米・豆などの乾物屋などそれぞれに特化した商店が建ち並び、日々の生活に欠かせない存在となっています。

街で見かける日本製品

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エジプトで見る日本製品は車や家電、時計、文房具などが主で、このほか工具や車の部品、発電機といった専門用品も見かけます。
日本製=良質というイメージが浸透していますが、同時に高額であるとの印象も強く、「欲しいけど手がでない」と考える人が少なくありません。日本では珍しくないIoT家電もエジプトでは一般化しているとは言えず、シンプルで必要最低限の機能を備えたものが大半を占めます。

経済的な事情もありますが、最新機能よりも手頃で丈夫であることに重きが置かれ、デザインや汎用性はあまり重要視されていません。また、価格・質・見た目すべてを兼ね備えた製品が少ないことも事実です。

日本食人気はエジプトでも健在

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これまでは日本の食材やレストランは外国人や富裕層が多く住むエリアに限られていましたが、徐々に他のエリアへも拡大しています。
日本食で人気なのは、やはり「SUSHI」。大きなイベントではピザやケバブサンドイッチと並んでスシを販売する店も見られるようになりました。カリフォルニアロールのような創作スシのほか、本格的な生魚を使った寿司を出すレストランもあります。

一方で、日本食材は販売されているものの種類も、取り扱う店舗も少ないのが現状です。醤油は小さな商店でも販売されていますが、海苔やわさび、蕎麦などの乾麺などは外国人が多く住むような限られたエリアでしか買うことができません。

しかし、エジプトは日本と同様にジャポニカ米が主流で、生姜やオクラ、ほうれん草など日本でも馴染み深い食材も容易に手に入ります。いまはまだ現地人への情報が少ないだけで、開拓の余地は十分にあると言えるのではないでしょうか。

DIYが主流?のエジプト

街を歩いていると改装中の店や道端で車を修理している人をよく見かけます。ディスプレイ用の棚、店内の床や壁のタイル貼り、また、店前の通りの整備まで普段着姿の店主や仲間が集まって自ら工事を行っています。重機や専用の機械はほとんど使用せず、手作業で進めていく姿には目を見張るものがあります。

車に関しても同じで、日々自分で整備をしながら乗る人が多く、携帯のライトを使いながらボンネットを開けて点検している様子はエジプトの日常風景と言えるでしょう。

交通事情があまり良くないカイロでは車の衝突事故も日常茶飯事です。ケガ人が出ない程度の事故がほとんどではありますが、当然車はへこんだり部品が壊れたりします。
大きな破損は専門業者に修理を依頼しますが、小さな破損であれば自分で直すか、そのままにしていることも。ディーラーとは別に車のメーカー別に部品を取り扱う店が集まるエリアがあり、車いじりが趣味ではない人も部品を購入し修理をしながら乗り続けます。

意外と寒い、エジプトの家事情

あまり知られていませんが、エジプトの冬は寒いです。日中は20℃近くまで気温が上がり、日差しが出ていれば暖かさを感じますが風は冷たく、朝晩は10℃を下回ることも珍しくありません。

しかし建物のほとんどはコンクリートやレンガでつくられ、蓄熱や暖房といった機能は一切なし。エアコンは広く使われていますが、電気代の問題もあり一日中つけている家庭はかなり少ないのではないでしょうか。

夏は40℃を超え、冬は10℃以下とそのふり幅はかなり大きいですが、エアコンを使用する以外に特別な暑さ対策も寒さ対策もされていません。ベッドに敷く冷感パットや冷感服、ホッカイロや充電式の湯たんぽといった、手軽に使用できる製品はどの家庭でも取り入れやすく、需要がありそうです。

若年層から注目される日本の文化

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欧米での「オタク」や「カワイイ」文化、漫画やアニメ人気は日本でも取り上げられ注目が集まっていますが、エジプトでも浸透しつつあります。アニメを見ているうちに日本語を覚えた、と街で声をかけられることもしばしば。

ショッピングセンターには日本でデザインされた製品を扱う店舗があり、カラフルなスマホケースや充電器、ポップな絵柄がプリントされたポーチなどエジプトではあまり見ないデザインが人気を集めています。店内は10代~20代のエジプト人が集まり、いつ行ってもにぎわっています。
漫画やアニメに関しては、アラビア語に訳されているものは限られており大半は日本語のままか英語で楽しんでいるようです。

エジプトで販売されている服や雑貨は、色合いが濃かったり絵柄が大きいか派手なことが多く、パステルカラーやシンプルなデザインはあまり見ることがありません。日本ではよく見るデザインや色使いのものもエジプトでは珍しく、注目度の割に数が少ないのが現状です。

「これから」の国 エジプト

エジプトは20代以下の若年層が人口の半分以上を占め、若者を中心に生活スタイルは変わりつつあります。情勢が比較的安定していることやいち早く近代化が進んだこともあり、特に首都カイロでは周辺国からの留学生や移民が多くみられ、多様化がすすんでいます。
熱心にコーランを読む人のとなりでシーシャ(水たばこ)を吸いながらお喋りを楽しむグループ、イスラム教の伝統的な衣装を身にまとう人もいれば、髪を隠さずに外出する女性たちなど様々です。

いわゆる「先進国」と肩を並べるべく、ものやサービスのクオリティを上げようと国全体で挑みつつも伝統や習慣が色濃く、手探りの中で独特の変化を遂げているエジプト。日常生活におけるイスラム教の影響は大きく、これに対する理解はエジプト進出に不可欠です。

スマートフォンの普及に伴い多くの人がFacebookをはじめとしたSNSを利用していますが、インターネット上の情報量は少なく、数年前から更新されていないことも珍しくありません。また、横のつながりも強いため、市場調査や地盤作りには時間がかかることも予想されます。

しかし、国全体で変化しようとしている今が参入のチャンスとも言えるでしょう。まだまだ成長段階の中東地域、エジプトを足掛かりに進出を検討してみてはいかがでしょうか。

三波 あるな

三波 あるな

ライター、翻訳家

PROFILE

北海道生まれ、カイロ在住。
学生時代に世界各国を旅する中でアラブ諸国に興味をもち、アラビア語の勉強を始める。沖縄の大学を卒業後、営業職、秘書を経て2019年よりエジプトへ。移住を機にフリーランスとして活動を開始し、Web記事の執筆、翻訳、現地調査などをうけています。
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