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  • 2019.11.26

展示会出展で販路を開け!~成功には準備が8割~

展示会出展で販路を開け!~成功には準備が8割~

私は公的支援機関で中小企業の経営支援に携わっています。今回、支援先を集めた展示会を主催する仕事に関わりました。約70社の中小企業に出展いただいた展示会となりましたが、展示会に出展する大きな目的の1つである「販路拡大」につなげている中小企業は、みなさんしっかりと事前準備をされていることが分かりました。

展示会で新規取引先を増やすために、やっておくべき「準備」から当日の注意点まで解説します。

1.中小企業が展示会に出展する目的とは?

販路拡大につなげている企業は、展示会をうまく活用しています。中小企業が展示会に出展する目的には、大きく次の3点があります。

(1)主要取引先依存からの脱却
取引先数が少ない場合、主要取引先への依存度が上がり、経営状況の変化に対応ができなくなります。例えば、今まで大企業をメイン取引先としてきた企業が、経営リスク回避のため、新規取引先開拓に展示会をうまく利用しています。

(2)新商品開発におけるモニタリング
展示会は、商談目的の出展だけではありません。新製品開発に取り組んでいる企業が、モニタリングの目的で出展することもあります。展示会は営業担当者だけでなく、技術開発や開発担当者と直接会うことができる貴重な機会であるからです。

(3)若手担当者の育成
今回私が主催した展示会でも、この目的で出展している企業がありました。ある企業はすでに安定した多くの取引先を開拓していましたが、若手の営業担当者や開発担当者に、出展準備から当日の運営、その後の見込み客フォローまで任せたのです。前項(2)で述べたように、最終ユーザーから直接意見やニーズを聞く場を得ることで、若手担当者の営業力や企画・開発力の向上を目的としている、と社長は話されていました。

2.展示会は準備が8割

展示会出展で販路を開け!~成功には準備が8割~

私が支援機関で企業様を拝見するなかで、事前準備をしっかりやられている企業は、次の4点を実施していました。

(1)展示会出展の目的を決め、KPIを設定する
展示会は、ただ出展するだけでは効果はありません。まず、経営者自らが出展担当者と話し合い、「出展の目的」を共有しましょう。
合わせて、その目的達成度を図るためのKPIを設定します。よく設定されるKPIの例としては次のものがあります。

・名刺交換数(後述しますが、名刺交換のみを目的としてはNGです)

・アンケート回答数

・商談アポ取得件数

・自ブースで実施するセミナーの来場者数

 「展示会に出展する目的」から逆算し、KPIの項目や数値を設定しましょう。数値で設定することで成果もわかりやすくなり、今後の展示会出展に生かすことができます。

(2)優良顧客には、事前にアポを取る

(2)優良顧客には、事前にアポを取る
A社は、製造業の工場向けの製品を新規開発し、出展予定の展示会で「確実な成約につなげる」ことを目的としました。多くの企業は、展示会の招待券を送付して展示会出展を告知しますが、A社は「成約を取りたい先」を事前に周り、当日の商談アポまで取っていました。

展示会では開発した新製品の実物を展示し、デモ実演で製品の特性を説明することがメリットです。また、アポの時間には社長に常駐してもらい、最後のひと押しの説明をしてもらえます。担当者を介した手続きではなく、直接社長と商談できることは、取引先にとっても商談回数の短縮というメリットがあります。

A社は、展示会を「成約につなげる場」とはっきり目的を定めていたからこそ、このような事前準備ができたといえます。

(3)セールストークを統一する
展示会では、ごく短い時間で来場者に製品・商品の特性を理解し、興味をもってもらうことが必要です。事前にセールストークを準備し、担当者内で共有をしておけば、セールストークの質の統一を図るとともに、顧客の取り逃がしを防ぐことができます。
その製品・商品の担当でない社員に展示会の応援に来てもらうこともある場合は、特にこのセールストークの統一は重要になります。

準備するセールストークとしては、次の3点が挙げられます。

①1分間で説明できる、導入トーク(いわゆる「エレベーターピッチ」)

②ニーズの見極めをする質問リスト

 ・~に困っていませんか

 ・~という課題をお持ちではないですか

③既存製品・商品との違いや効果を数値で示すトーク

 特に、「顧客のどのような課題を解決する製品・商品か」が明確に伝わる文言を考えてみましょう。合わせて、既存の製品・商品との違いや効果については、数値で説明できると、来場者の納得感も高まります。

(4)陳列を研究する
展示会のパネルやのぼりはこだわって制作しても、テーブルの上には製品・商品を並べただけ……という企業も多いものです。ブース陳列は来場者の目をとめる場所ですので、効果的な陳列をし、「来場者の足が止まる」ブースにつなげたいものです。

そこで、弊社主催の展示会では、陳列の専門家からブース内の製品陳列について、アドバイスを受けることができる機会を設けました。専門家からアドバイスを受けた企業のブースは、展示会当日、確実にブースの完成度があがっていました。

陳列については中小企業の弱みの1つです。ぜひ公的支援機関等を利用して、外部専門家の意見を仰いでみましょう。陳列の専門家はどのような人かというと、スーパーや各種生活雑貨店等で商品陳列を経験していたようなキャリアをお持ちの方が該当します。

展示会出展で販路を開け!~成功には準備が8割~

3.こんなブースからは足が離れる……

では、しっかり事前準備をしたところで、当日の運営がうまくいかなければ展示会出展で取引先を獲得することはできません。筆者が実際に各種展示会を歩いてみて、「このブースはよらない」と思った点をご紹介します。

(1)名刺交換だけを目的にしている
通りすぎようとしている来場者にも「お名刺を頂けませんか?」と話しかけたり、ノベルティと交換で名刺を得ようとしたりしているブースです。
このように目的なく集められた名刺リストでは、見込み客が少なくなってしまうとともに、その後のフォロー作業が膨大なものになってしまいます。
交換できた名刺は「取引につながる」確率が高い名刺としたいものです。

(2)製品・商品の説明だけを一方的に述べる
展示会の来場者は、何か「解決したい課題」があって展示会に来ています。しかし、こちら側の課題やニーズを一切聞かずに、製品・商品説明を永遠と続けてしまうブースにしばしば出会いました。「課題をどう解決してくれるのか知りたいのに……」と感じ、せっかくブースに入ってくれた顧客が逃げてしまうでしょう。

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4.補助金・助成金も活用し、販路拡大につなげよう

展示会は出展するためのコマ代の他、ブース装飾代、運搬費、人件費等費用がかさむものです。しかし、自治体や公的機関によっては、展示会出展のための補助金・助成金制度があるころもあります。
例えば、東京都の東京都中小企業振興公社が実施する「販路拡大助成事業」では、コマ代のほかチラシ等印刷物の制作委託費等も対象になります。

また、小規模事業者であれば、「小規模事業者持続化補助金」を利用している方も多いのではないでしょうか。これら補助金・助成金の申請には各種条件が設けられていますので、申請を検討する場合は、主催する機関に事前に確認してください。

ぜひ、「準備をしっかり」したうえで展示会出展に臨み、販路拡大につなげましょう。

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