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  • 2019.10.29

少人数で生産性をあげる「5S」
マンネリ化を防ぐには?

少人数で生産性をあげる「5S」マンネリ化を防ぐには?

中小企業の人手不足感は強まっており、生産年齢人口は継続して減少することが推定されています。このような外部環境の中、中小企業は業務効率化に向けて不断の努力をされています。

業務効率化にあたっては、多くの企業で「5S」が実施されていますが、この「5S」はマンネリ化しやすいため、「5S」が定着しないという企業もあります。そのような中、確実に実施されている企業には共通点があります。どのようにすれば「5S」が確実に実施されるのでしょうか。

1.「5S」の要は「躾」にあり

(1)「5S」は、業務の改善活動

5S」とは、主に製造現場において、業務の改善活動として行われてきたものです。

整理(Seiri):要るモノと要らないモノに分け、要らないモノを捨てること

整頓(Seiton):要るモノを所定の場所にきちんと表示をして置くこと

清掃(Seisou):身の回りのモノや職場の中をごみ・汚れのない状態にすること

清潔(Seiketsu):いつ誰が見ても、誰が使っても、快適なようにきれいにしておくこと

躾(Shitsuke):職場のルールや規則を守り、上の4Sの努力を続けていくこと

(参考:吉原靖彦著『なるほど!これでわかった 図解よくわかるこれからの5S』同文舘出版)

まず、「整理」をすることで要らないモノをなくします。次に、「整頓」でモノを所定の場所に置き、モノを探す時間をなくします。さらに、「清掃」で職場の中での汚れをなくし、「清潔」でそのきれいな状態を維持します。職場のルールやPDCAサイクルの仕組みを構築して、これら4つの活動を継続させることが「躾」です。

(2)「5S」を実施する目的

この「5S」を継続して実施することで、製造プロセスで発生するムダをなくしていきます。「Q(品質)」、「C(コスト)」、「D(納期)」の観点から見ると、良質な製品を製造する仕組みを構築し、不良品を減らすことでコストを削減、生産リードタイムも短縮化され、結果顧客満足度の向上につながります。

また、業務のムダを減らすこと残業削減が実現でき、更なるコスト削減につなげることができます。

(3)「躾」が要

しかし、この「5S」が最も難しい点は、最後の「躾」が実践できるかにあります。せっかくルールや規則を作っていても、それを破ってしまうのが人間だからです。また、今中小企業では技術継承のために若手職員を採用したり、効率化のために多能工化を図ろうとしたりすることで、よりこの「躾」が実践できるかが課題になっています。

私が支援機関に勤務する中で、成果を継続的に挙げられている企業は、この「5S」を徹底して行っています。工場にお伺いすると常にきれいで、汚れたところは見当たりません。また、通路に不要なモノが置かれていないため、私達のような外来者が訪問しても、安全に見学することができます。

5S」を着実に実施している中小企業は、どのような取り組みをされているのでしょうか。

2.「5S」を着実に実施し、成果を出している企業の共通点

私が支援機関で企業様を拝見するなかで、共通点がありました。また、この共通点は製造現場だけでなく、営業部門などの事務部門の業務改善にも役立つ視点です。

(1)ルールを「守る」仕組みを考えている

5S」の活動は、言ってみれば「当たり前」のことであり、マンネリ化しやすいものです。なぜルールが守られないのでしょうか。
ルールが守られない原因と対策としては、次の3つが挙げられます。

①ルールを知らない

そもそもルールがあることが知られていない、知られていても重要性が理解されていないことが原因です。対策としては、新入社員や異動があった際にルールを教える機会を設けることが必要です。

②ルールどおりできない

ルールを実行するにあたり、なにか支障があることで、結果ルールどおり実行されないことが原因です。対策としては、ルールに対する意見を集約する仕組みをつくり、速やかに改善する取り組みが必要になります。

③ルールを守らない

ルールを破っても、指摘や指導をされる機会がなければ、ルールはだんだんと崩れていってしまいます。部署ごとに5Sリーダーなど担当者を設置し、ルールを守らない人に対して、その都度指摘をする仕組みを作ることが必要です。

少人数で生産性をあげる「5S」マンネリ化を防ぐには?

(2)継続できるルールづくり

このように、ルールは「守られにくいものである」という認識の前提に立つと、わかりやすい、継続しやすいルールづくりが重要なのではないでしょうか。私が伺った企業では、次のような工夫をされていました。

①大きな字や色で、すぐ判別できるような工夫

A企業では、先代の社長から息子の現社長に事業承継したタイミングで、仕掛り品や完成品の置き方のルールを作りました。A企業では技能継承を目的に若手職員を採用するようになったため、それまで熟練の職員が実践していた暗黙のルールをわかりやすく指示する必要に迫られたのです。

そこで現社長は、工場内で仕掛品や完成品を置く場所を決め、製品をいれるカゴの上には「完成品」などと大きな文字で、かつ目立つ蛍光色の枠を付けた紙を乗せることにしました。この紙は、劣化しないようラミネート加工がしてあります。

また、これらの製品置き場には、次にどのプロセスに持っていけばよいか、置き場のすぐ横にホワイトボードを立て、業務プロセスをわかりやすく明示していました。これにより、入社年数が浅い人でも、どこに部品を持っていくべきか分かるようになりました。

②写真や絵で示す

B企業では、治具置き場に工夫をしていました。製造現場には様々な治具があり、置き場所と置き方を決めないと、ぐちゃぐちゃになってしまいます。また、その企業は職員の多能工化を図っていたため、ある人が適当な置き方をすると、他の人が「治具がどこにあるのか」わからない状態になってしまうことがありました。これは、5Sのうち「整頓」ができていないといえます。

そこで、治具置き場について「何をどこに、どのように置けばよいのか」絵や写真で置き場に明示しました。この工夫をすることで、多能工化のプロセスで慣れない工程の担当になった際も、写真や絵を真似することで、正しい位置に片付けることができます。

③誰もができる、伝わる指示の仕方をする

これは私の職場で実践されていることです。コピー用紙が少なくなると、総務係が追加発注をしてくれますが、度々在庫がゼロになってしまうことがありました。そこで、コピー用紙置き場には「コピー用紙が『2箱』になったら総務の●●まで声をかけてください」という張り紙がはられました。

これで、総務係はわざわざ在庫確認に倉庫まで行く必要がなくなり、「2箱」という明確な基準があることで、私達もどれくらい少なくなれば総務に依頼すればよいのか、基準が伝わることになりました。

少人数で生産性をあげる「5S」マンネリ化を防ぐには?

3.業務効率化の改善活動は、継続が命

日本において企業で長く実践されている「5S」活動ですが、せっかくつくった仕組みやルールが守られないことには、業務改善は進みません。成功している企業ほど、「どうすれば守られる仕組みになるか」を深く考え、実行しているといえます。

読者の皆様も、「ルールが破られること」に不満を感じるのではなく、「どうすれば守られるか」に知恵を絞ってみてはいかがでしょうか。職員たちで考えることはもちろん、他の企業が行っている取り組みが、大きなヒントになることもあります。

米澤 智子

米澤 智子

株式会社プロデューサー・ハウス

PROFILE

ライター、コンサルタント

1985年生まれ、神奈川県出身。

2009年地方銀行入行、債権管理および中小企業融資業務に従事した後、総務部門で銀行全体の通信設備管理や株主総会運営に携わる。

2016年中小企業診断士登録。

2017年より公的機関に勤務、専門家派遣事業において小売・サービス業を中心とした支援に携わる。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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