Alibaba.com 成功企業に聞く
2020年までに海外売上比率20%を目指す(株式会社和田機材)
海外展開のきっかけはある新聞の一面記事
神奈川県西部を中心に、創業以来40年以上にわたってバルブ販売業を続ける株式会社和田機材は、アリババを活用して海外売上を順調にあげている企業だ。同社は化学、製鉄、製薬などの工場、プラントの設備向け工業用バルブの販売を得意としている。
もともとは国内売上100%で、英語ができる人材もおらず、貿易実務経験もなし、海外に関する知見も持っていなかったが、転機となったのは2012年。社長が朝刊で得意先企業の海外展開のニュースを見つけた。「これはうちの会社も海外からの注文を受けられる準備をしておかないといけない」と危機感を持つようになる。その中で受けたアリババのセミナーで、インターネットを活用して日本にいながら海外へ商品を売り込むというAlibaba.comを知り、利用を決めた。
貿易未経験からのスタート
Alibaba.comの会員になったものの、最初に待ち受けていたのは英語で製品をアピールするページを掲載する作業。英語が十分にできるわけでもなかったが、とにかく自分でやってみようと、利用1年目はとにかくページをたくさん掲載する作業に没頭した。
引き合いの多い製品よりも売りたい商品を優先的に掲載し、掲載後のデータを見ながら改善を行った。その結果月10件ほどはコンスタントに見積依頼が来るようになる。インターネットで世界各国からこんなにも問合せが来るんだということに驚いたという。そうして3、4か月経過したころ、東南アジアのある国に受注が決まる。この最初の受注で、海外事業を継続する手応えを感じた。
有効な問合せは商品の細かい仕様に関する質問が多く、専門的な知識が必要であるため、来た問合せを振り分け、受注率を上げる工夫も行った。こうしてこれまでに受注につながった数は6年間で30件以上。リピートバイヤーの数社は日本にまで来て倉庫を見学するなど、Face to Faceで会う関係にもなっている。
現在、海外売上は年商の数%を占めるまでに成長し、今期はさらに海外売上比率1割も視野に入っているという。海外事業についてはまだまだ駆け出しと謙遜する社長の目線は、すでに未来に向けられていた。2020年までに海外売上比率を20%にすることが目標だというが、それに向けては課題もある。有効な問合せの対応は今でも社長自身が行っており、その社長の役目を担う人材が他にいない。社長自身がいなくても回る仕組みを構築していくことが今後の鍵といえそうだ。
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