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  • 2018.05.08

副業は解禁すべき?企業のメリット・デメリット

副業は解禁すべき?企業のメリット・デメリット

働き方が多様化するなかで、社員の副業に対する関心が高まっています。働き方改革のなかでも、柔軟性のある労働形態による新たな能力や技術の開発、将来への発展性など多様な面で有効とされ推奨されています。

他方、企業側の反応としては従来の方針とそぐわず、困惑している様子が多く見られます。副業推進が企業にとってどのような影響があるのか考察していきましょう。

副業を容認している企業は30%未満

2017年に政府が定めた働き方改革実行計画のなかでは、「柔軟な働き方がしやすい環境整備」として副業が挙げられています。株式会社リクルートキャリアが行った「兼業・副業に対する企業の意識調査」では、正社員の副業が一般化されているとはいえない現状が表れています。

同調査によると、社員の副業を容認・推進している企業は全体の22.9%に過ぎません。容認・推進が多く見られる業種には、建設業、サービス業、製造業などがあります。

48%の企業は兼業・副業を禁止する就業規則があり、「兼業・副業に関する規定自体ない」39.6%を大きく上回っています。このことから、副業を容認するためには就業規則を改定する必要があり、企業の腰が重くなる状況が理解できます。

副業を容認している理由としては「特に禁止する理由がない」(68.7%)がもっとも多く、次いで「社員の収入増につながる」(26.7%)となっています。

副業を禁止する理由には「「社員の長時間労働・過重労働を助長する」(55.7%)、「情報漏えいのリスク」(24.4%)などがあり、とくに「金融・保険業、不動産業」の分野では情報漏えいに対する強い危惧が感じられます。

副業を解禁する企業側のメリット・デメリット

副業を解禁する場合の、企業側のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

■メリット
・技術・スキル・時間管理能力の向上
・優秀人材の確保
・企業の多様性向上
・企業イメージの向上

従業員が副業を行うことのメリットとしては、個人の収入が向上すると同時に、新たな技術やスキル、人脈を得ることにより、働くことへのモチベーションアップが期待できます。また、副業により時間管理能力が徹底され、効率的な働き方を会得する機会が与えられます。

雇用側としては人材登用のチャンスが広がり、優秀な人材を確保しやすくなります。また、従業員の個人的な能力が多様化し、企業内での多彩な活用が容易になることも期待できるでしょう。就職活動の場にあっては、副業を可とする企業は自由な働き方を認めている証とみられ、就活生からの人気が高くなっています。

■デメリット
・従業員の身体的な負荷
・労働時間管理・労働契約の煩雑化
・情報漏えい・信用面でのリスク

副業解禁のデメリットとなっているのは、ダブルワークによる労働時間の長時間化です。従業員の身体的な負荷が大きくなれば、働き方改革の主旨に逆行する結果となります。また、副業をしている従業員が過労死をした場合、責任の所在がわかりにくいという課題があります。

労働時間管理は本来、所属する企業が行うべきものですが、副業をしている社員についてはそれが難しくなります。労働契約の内容も詳細に決める必要があるため、手続きが煩雑化する恐れもあります。

企業が副業に対してもっとも恐れているのは、情報漏えいのリスクです。従業員本人にその気がなくても、複数個所でのメールのやり取りなどから、企業内のノウハウや技術が漏れる可能性が高くなります。いくつもの会社を「はしご」する社員がいるとなると、敬遠する取引先が出てこないとも限りません。

副業を解禁するときに注意すべきこと

政府の方針にのっとり、今後は副業解禁への検討を始める会社も増えていくと予想されます。トラブルやリスクを回避するため、企業側は事前に十分検討しておかなければなりません。

まず行わなくてはならないのが、就業規則の整備です。何か問題が発生した場合には、就業規則の記載に従って対処されます。副業についても可否を明記し、副業を行う際の詳細な規定も付加しておく必要があります。

副業解禁に際しては、解禁する範囲を設定することも重要です。申請、許可、届出、申請手続きなどを決めておくことで、副業により懸念されるリスクを回避することが可能です。たとえば、競合企業や関連企業への副業を禁止する規定を盛り込む、副業先は業種や業務内容を含めて上司に報告するなど。シミュレーションを重ねて、予測される状況をすべて明文化しておきましょう。

情報の取り扱いについても、社内メールを開ける場所を限定するなどの対策が求められます。従業員に対しては、副業についての規定を周知徹底し、それに反した場合の罰則についても理解を促すことが必要です。

経営者、従業員ともにメリットを享受できる仕組みが大切

政府の後押しもあり、副業解禁のムードは高まっています。従来のやり方だけにこだわっていると、会社経営にマイナスとなる可能性もでてきます。副業解禁への不安は、就業規則の整備や明快なシステムづくりで軽減することも可能です。経営サイド、従業員ともにメリットを得られる副業の仕組みを検討してみてはいかがでしょうか。

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