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  • 2017.09.27

中国で加速するモバイル決済。ECビジネスをけん引する決済システムとは

中国で加速するモバイル決済。ECビジネスをけん引する決済システムとは

国内需要の縮小化を受け、海外へと進出する中小企業は増加の一途をたどっています。

特に膨大な市場をもつ中国向けのECビジネス市場は年々増大し、日本企業の熱い視線が中国マーケットに注がれています。その中にあって、これまで取引のネックにあげられていた中国の決済市場が、大きな変化を見せています。今後のECビジネスの鍵となる、中国の決済事情をみていきましょう。

中国でモバイル決済が発展した背景

Apple PayやLINE Payなど日本国内でもモバイル決済の導入が進んでいますが、日本銀行が公表した「モバイル決済の現状と課題」(2017年6月)によると、その利用率は6%に過ぎません。

また、同調査ではモバイル決済について、約4割が「機能はあるけれど利用したことがない」と回答しています。
クレジット社会の米国でも5.3%と世界的な低調が続く中、中国のモバイル決済率はなんと98.3%だといいます。

中国でモバイル決済が急激に普及している背景には、クレジットカードの信用度が低いということに加え、スマートフォン普及の拡大、そして非常に簡略化されたモバイル決済システムの登場が挙げられます。

中国のモバイル決済では、日本の店舗でみられるような専用端末を使用しません。
紙に印刷されたQRコードをモバイルで読み取るだけで、指定の金額を相手先に送金できます。

消費者は、もともとオンラインショッピングやチャットサービスで登録していたアカウントをそのまま利用でき、店舗側も設備投資の必要がありません。


日本の場合と比較すると、じつにシンプルな仕組みであることも爆発的な普及につながっているといえるでしょう。

中国で支持されているEC決済システムは?

信用を重視する中国では、先払いシステムが好まれません。

商品がちゃんと届くのか、また商品の質についても常に懐疑的な見方をする傾向があります。
クレジットカードのように、店舗側・利用者側に何らかの手数料が発生する決済も、受け入れが厳しいようです。中国国内では、信用できてリスクがない決済が支持され、独自の進化をとげてきました。

現在のところ、モバイル決済では「Alipay(支付宝、アリペイ)」が、実店舗では「銀聯(ぎんれん)」がそれぞれ覇権を握っています。

Alipay(アリペイ)はアリババグループが提供する決済システムで、中国オンライン決済の約50%を占めています。第三者による支払いプラットホームが介入することで、商品の購入者は代金を業者に渡す前に商品受取ができ、業者側は商品代金の未払いリスクを回避できます。

銀聯(ぎんれん)カードは、クレジットカードの国際ブランドとして今や世界シェアトップクラスを誇ります。
中国国民ならば必ず1枚はもっているといわれるほどですが、実は普及しているのはクレジットカードではなく、利用時に口座からリアルタイムで引き落としされるデビットカードです。

中国ではクレジットカード申込の際の審査通過率が低い上、手数料負担が嫌われるため、低所得者でも取得可能なデビットカードが一般的に使われています。発行枚数は50億枚以上、13億人以上が取得していますが、オンライン決済のシェアは10%程度にとどまります。

個人の信用をスコア化した「芝麻(ゴマ)信用」に注目

Alipay(アリペイ)は、個人の口座から商品代金が一時的に凍結されるシステムのため、個人信用に関わる審査が必要ありません。
一方、アリババの金融子会社「蚂蟻金服(Antgroup)」が新しく設立した「芝麻(ゴマ)信用」では、個人の信用をスコア化し、サービス利用時の利便性をはかっています。

350~950点までのスコア付けで個人信用が評価され、点数が高いほど社会信用度も上がります。

高スコアを獲得している人は、クレジットカードの新規取得や、住居入居時の保証金優遇、レンタカーやホテルのデポジットが不要となったり、シンガポールへのビザ手続きが簡略化されたりといった、生活の多彩なシーンで特典を享受できます。今後はアリババ以外の企業でも、個人信用スコアが利用され、取引時の決済にも大きな影響を与えていきそうです。


国境を越えたビジネスでは、国の文化の違いによるさまざまな差異が障害となります。
特にECビジネスでは、決済方法が大きな課題として挙げられています。

その国で支持される決済システムには、商習慣や生活環境が大きく影響するため、各国の事情をおさえておかなければ理解が進みません。

相手国の状況を常に把握し、互いに歩み寄りながら、スムーズな取引を実現していきたいものです。

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