Alibaba.com 成功企業に聞く
ニッポン式リサイクルを世界へ (株式会社九十九紙源センター)

海外向けのリサイクル品販売で2億円を売り上げる長崎県佐世保市の株式会社九十九紙源センターは、1983年にチリ紙交換を事業として開始したことから始まった。各地を訪問し古紙以外にも大量の資源物が廃棄されていると知った同社は、古布(古着)、空き缶、空き瓶の回収も行うリサイクルの総合問屋となった。
古着は、国内に販売できるのは高品質な2、3割ほどで、約7割は処分せざるを得なかった。国内に販売できない商品の販売先を求め、商社を介した海外輸出にチャレンジしたことが海外進出の第一歩だった。
海外に手応えを得た同社は、より利益率の高い直接輸出を検討するため、地元銀行から紹介されたアリババのセミナーに参加した。そこで、ほしい人がいるならモノは売れるという商売の基本を再認識し、利用をほぼ即決。Alibaba.comで古着が掲載されているか調べると、思ったより掲載している企業が少なくチャンスだと感じたという。

Alibaba.com利用にあたり、英語ができる海外事業担当を採用。ページ作成や営業活動を任せ、順調に初成約、リピート受注と繋げていくことに成功する。当初インドネシアや韓国からの引き合いが多いと思っていた同社だが、アリババを使ってみると、ナイジェリアやセネガルなどアフリカからの問い合わせが多いことに驚いたのだそうだ。
途中、海外担当者が沖縄へ転居しなければならなくなるというピンチがあったが、本人の希望もあり引き続き沖縄で業務を行ってもらうことにした。さらに沖縄で働く社員がいるならと沖縄でも古着の回収を始めた。仕入れを始めてみると、沖縄の古着は主要な輸出先であるアフリカや中東でよく売れる夏物が多く、輸出品としての好条件がそろっていた。
現在は、関東、関西、九州、沖縄の4つの地域から仕入れており、アフリカの国々なら夏物が多い沖縄エリアを、東南アジア諸国なら良品質の混入率が高い関東エリアなど仕入先の強みを活かした提案をしている。
フットワークの軽さが強みの同社。最近では海外の人と話をする機会が増え、日本の陶器や中古家具にも需要があると感じている。古紙と同じように、引越する家庭から家具や雑貨などを引き取って、海外に販売できる可能性は大いにあると考えている。
今後は東南アジアに古着の仕分け工場をつくり、現地の方々と良好な関係性を築きながら、日本で磨かれてきたリサイクルのシステムそのものを海外に普及させたいという。地球環境を守りながら、ともに発展することを目標に、これからも挑戦を続けていく。
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株式会社九十九紙源センター 事例