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本当に良い物を売る 商売の本質(株式会社CLOVER TRADING)
株式会社CLOVER TRADINGは、一見どこにでもある街のお花屋さんだが、実は海外売上90%以上を占める貿易会社だ。貿易を始めるきっかけとなったのは、当時の高槻の造園事情と社長のイギリス留学時代の知人からの情報だった。その当時高槻では、親の敷地内に二世帯住宅を建てることが多かった。そのため、庭先に生えている松や槙を伐採処分する仕事があり、伐採した木々を処分することを心苦しく感じていた。そんな折イギリスの知人から、ヨーロッパで日本の植木が売れているという話を聞き、伐採した木を売ろうと考え会社を興した。
インターネットで貿易について検索している中でアリババを知った。アリババ出展後、初めての成約は半年後、相手はベトナムの商社だった。最初の取引では量も少なかったが、送料を負担してコンテナを1本発送した。海外取引の流れを知りたかったことと、損をしても取引の主導権を取りたいと考えたためだ。
次の引き合いは植木と盆栽の引き合いから始まったドイツのバイヤー。取引を続けるうちに「錦鯉を仕入れたい」と声を掛けられる。今まで取り扱ったこともなかったが、電話で生産業者にアポを取り、広島までバイヤーの買い付けに同行したのだという。また、ベトナムの商社から紹介された現地のバイヤーに、日本製品専門スーパーを作ってほしいと熱望され、ベトナムにスーパーまで作ったこともある。面倒事は先行投資と考え、植木以外のさまざまな要望に応えていった。
目先の利益だけでなく、将来的な利益を見込み、先行投資で信頼を勝ち取ってきたことで、大きな売上に繋がり、海外事業8年目の海外年商はおよそ3億円。売上の大半は植木と盆栽である。特に樹齢100年以上の「槇」の人気が高いそうだが、年々仕入れられる数が減っており、次に人気が出る商材を今まさに模索している。
日本の伝統工芸品を世界に広めることもしていきたいと語る西井社長。まだまだ世界に知られていない日本製品の良さを海外の人に伝えて売っていきたいという。「本当に良いものを売る」この考え方は物心ついた頃から、店頭で花を売っている父の背中を見て育ったことが大きい。良くない花を売ったらお客様は返って来ないし、逆に良い花を出せば安くしなくても売れる、というのを実体験で知っている。
アリババをきっかけにして海外売上を伸ばし続ける株式会社CLOVER TRADING。同社成功のポイントは中小企業が新規事業を立ち上げ、推進していく上で多くのヒントが詰まっている。
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