1. TOP
  2. Alibaba JAPAN PRESS
  3. 海外展示会でビジネスチャンスをつかんだ、日本企業の成功事例とポイント
  • 2017.06.30

海外展示会でビジネスチャンスをつかんだ、日本企業の成功事例とポイント

海外展示会でビジネスチャンスをつかんだ、日本企業の成功事例とポイント

海外進出する際に、現地企業との商談のきっかけづくりとなるのが、海外展示会への出展です。効率的な販路開拓には欠かせない手段のひとつですが、思ったほどの手ごたえを得られず、あきらめてしまったというケースもあるようです。

しかし中には、展示会を確かな世界進出への道につなげた企業の例もあります。展示会への出展からチャンスをつかんだ成功事例と、そのポイントを紹介していきます。

現地の人が取り入れやすいメニューで実演販売。味噌の認知度を高めた老舗メーカー

塩見裕一郎氏はビジネスマンとしてシンガポール在住経験を持つ、異色の味噌製造業経営者です。奥様の実家は宮崎市にある明治10年(1877年)創業の老舗、長友味噌醤油醸造元で、先代の急死により経営を引き継いだものの、少子高齢化と食生活の変化に危機感を抱き、海外進出を決めたといいます。

麦とアミノ酸から醸造される宮崎産味噌の独特の甘みが、中華系の食文化にマッチすると確信し、2010年から独自に海外事業をスタートします。2014年からはジェトロの支援を利用し、海外展示会にも出展しています。

特にシンガポール伊勢丹の「宮崎フェア」には毎年参加し、高い評価を受けています。成功のポイントは、塩見夫妻自らが出展会場で味噌の試食を行い、味噌を利用した料理を毎回紹介していることにあります。併せて健康への効用を英文で解説したチラシを配布し、味噌の文化がないエリアに対しての積極的なアプローチを行っています。

味噌は日本人にとっては馴染み深い調味料ですが、現地の人でも取り入れやすいメニューで紹介したことにより、定番調味料としての認知度が高くなりました。現在ではシンガポール伊勢丹の常設棚を獲得し、シンガポール国内のレストランやホテル、各市場へのさらなる進出を展開しています。

また香港でも長友味噌醤油醸造元の知名度アップと販路拡大を目指し、アジア圏での消費を順調に伸ばしています。

メディアやバイヤーとのつながりをつくる細やかな配慮でブランド力を向上

開化堂は1875年(明治8年)創業、京都で茶筒などの金属製品の製造・販売を行う会社です。文明開化と共に、初代がイギリスから輸入されたブリキを使った缶を創作したことに始まり、以降、その手仕事による製品づくりには変わりがありません。130もの工程を経て生み出される、気密性の高い茶筒はオートメーション全盛の現代にあって、世界から注目を浴びています。

海外進出を考え始めた当初は親子2人での営業で、バイヤーという存在すら知らなかったといいます。しかし、世界展開に本腰を入れてからは、世界最高峰のインテリア&デザイン関連見本市で知られるメゾン・エ・オブジェ(パリで開催)など有力な展示会への出展を継続して行っています。

取締役の八木隆裕氏によると、世界進出に際して意識していたのは、国内外のメディアや雑誌への掲載だといいます。メゾン・エ・オブジェの参加時には、プレス関係者に相手の名前を彫り入れた「茶さじ」を名刺とともに手渡す工夫をしています。これが京都の手仕事の印象を強く与え、多くの有名誌や各種メディアに取り上げてもらう結果をもたらしました。

海外からの取材はどんなに忙しくても基本的にはすべて対応し、まずは市場から関心を寄せられる状況を作ることに注力しているのもポイントです。海外の展示会で知り合ったバイヤーたちとは、食事を共にし、短い滞在時間を有効に利用するなどの取り組みも行っているそうです。

こうしたつながりを大切にしながら、可能な限り影響力の大きなセレクトショップや百貨店を選び、製品と開化堂自体のステータスを高める戦略を展開しています。開化堂の製品は海外のデザイナーがどれほど手を尽くしても、その美しさと機能性には及なないとまでいわれています。現在は、展示会などでの細かな配慮と緻密な戦略が功を奏し、国内以上の認知度を誇る存在となっています。

継続的な出展でバイヤーの信頼を地道に獲得

ブナコ株式会社は、青森県が誇るブナ材を加工した製品で海外進出を果たした企業です。フランスのインテリアショップに継続的に販売し、その美しい木目と柔らかなフォルムで人気を集めています。

ブナコの製品のもとになっているのは、1956年に青森県工業試験場で考案された技法です。青森県民には地元の工芸品として昔から親しまれていますが、インテリア業界に知られるようになったのはこの10年ほどのことです。

同社は食器用漆器から照明器具へと舵を切り、国内から海外へと飛び出してアルファベットでBUNACOと表記するようになりました。しかし、進出当初から優れた製品としてすぐに海外に受け入れられたわけではありません。

2007年に経済産業省の地域資源活用プログラム認定を受けた後、欧米での展示会に出展したものの、なかなか成果は出ませんでした。その後2008年から2014年まで計8回、世界的なインテリア関連展示会であるパリのメゾン・エ・オブジェに出展を続け、商品価値と会社の信頼性が認められます。

海外進出を果たす企業は年ごとに増加していますが、輸出に真剣に取り組む覚悟を明確にできなければ、世界からの信用は得られません。同社は、試行錯誤をくり返しながらも、展示会出展を重ねることで各国バイヤーからの信頼を獲得し、現在の成功へとつながっています。

洗練されたデザインのBUNACOとして知られるようになった今では、インテリア大国である北欧の製品と間違われることも多いといいます。日本国内地方発の隠れた製品には、技術力とデザインで世界と戦える要素が満ちていることをブナコが証明しています。

海外展示会では目的を明確にして参加することが重要

海外での認知度アップを目指して展示会への出展を決める企業は多数見られますが、漫然と参加しただけでは成約につながりません。時間をかけて取り組む覚悟と、知名度・信頼性を高める戦略が必要です。海外市場のマーケティングの重要性は当然ながら、自社製品の何が外国人の心をつかむ要素となるのか、それをいかに伝えるべきなのかという工夫が求められます。

アリババジャパンプレス編集部

アリババジャパンプレス編集部

PROFILE

全国の中小企業経営者様向けに、有益な情報を掲載しています。
当サイトへの掲載をご希望の方は、下記にお問合せくださいませ。
aj-press@alibaba-inc.jp

SHARE

おすすめ記事

海外との初めての売買取引 留意のポイントは?

2021.03.19

海外との初めての売買取引 留意のポイントは?

地元中小企業の意地と矜持を!(陸前高田 発酵パークCAMOCY)

2021.01.29

地元中小企業の意地と矜持を!(陸前高田 発酵パークCAMOCY)

海外工場で使える英語~ニュアンスを正確に伝えよう!

2020.10.02

海外工場で使える英語~ニュアンスを正確に伝えよう!

資料のご請求や
お問い合わせはこちら