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環境技術で世界のゴミ問題を解決する。株式会社ヘリオス

環境技術で世界のゴミ問題を解決する。株式会社ヘリオス

高度経済成長以来、大量生産、大量消費の裏側で急増したゴミ。次第に環境汚染や水質汚染など社会問題になり、廃棄物に関する法律が次々と定められた。

ニッチだが社会のインフラを支える業界

それを背景として、ゴミにまつわる諸問題を技術で解決してきた会社、それが株式会社ヘリオスである。

ヘリオスが製造しているのはゴミの破砕機。1997年のダイオキシン特別措置法制定以来、ゴミ焼却場で出るダイオキシン量は厳しく管理されるようになり、ダイオキシンを減らすための設備「前処理設備」が必要になる。
その「前処理設備」に使われているのが破砕機である。

「ニッチな業界なんですが、社会のインフラを支える大事な業界だと思います」
と語るのは常務の林卓一氏。

環境技術で世界のゴミ問題を解決する。株式会社ヘリオス

人口が減ればゴミの量も減る

廃棄物関連の業界は基本的には景気に左右されない安定した業界だと言われているそうだが、人間の数が減れば人間が出すゴミの量も当然減る。おそらく10年20年先になれば、業界にも人口減少の影響が出てくるだろうと見ている。

「日本で焼却処理されるゴミの量は年間約4,000万トンと言われていて、徐々に減ってきている。ただ、たとえば中国はどうかというと3億トンもゴミが出ているんです。」

日本では減っていくゴミも、世界に目を向けるとむしろどんどん増えている。海外で分別されていない状態でゴミが捨ててあるのを見て、自分たちが30~40年前にやってきたゴミの処理の歴史をきっと繰り返すという予感があった。破砕機の海外でのニーズも今後伸びていくはずである。

海外を目指すのは必須だと考えた。

展示会では成果に結びつかない

海外展開を始めたのは2013年、中国やドイツの展示会に出展することから始めた。

展示会で世界の技術に触れ、自社の商品力や競争力を高めるヒントを得られたことは収穫だったが、展示会に出展すると、準備や出展期間中の顧客対応、その後のフォローと一時的にではあるが大量に業務が発生する。なかなかその後のフォローにまで手が回らず、展示会を成果に結び付けることが難しかったのだと言う。そこで2015年、インターネットを使った海外進出「Alibaba.com」を検討し、参画を決めた。

始めた当初は、林常務がひとりでアリババの対応をしていた。Alibaba.comからの問い合わせは月50~60件だったが、顔の見えない相手とのやり取りでなかなかうまく行かず、だんだん返信のスピードが遅くなってしまったのだという。そこで中国にある合弁会社のスタッフにAlibaba.comの商談を思い切ってまかせてみた。合弁会社のスタッフは最初ためらいもあったようだが、やり取りをしていく中で顧客が求めている情報や販売ノウハウなどが得られるため、むしろ積極的に情報発信したい、見積もりしたいというように変わっていったのだそう。

環境技術で世界のゴミ問題を解決する。株式会社ヘリオス

海外向け低価格帯の製品を1年で開発

環境技術で世界のゴミ問題を解決する。株式会社ヘリオス

こうして商談を進めていく中で、価格の話になると連絡が途絶えてしまうケースが多いことに気が付いた。
おそらく価格的に折り合わず商談が続かないのだと考え、アリババのバイヤーに受け入れられる価格を探ってみた。出した結論は300万円以下の価格帯がボリュームゾーンだということ。しかし、当時のヘリオスにはそのような低価格の製品はなかった。そこで、2016年から海外市場向け低価格帯の製品開発を始め、1年で製品を完成させた。ニーズに合わせて柔軟かつスピーディーに動ける理由は何なのだろうか。

「柔軟に対応できる一番の理由は工場を持たないファブレスメーカーだということです。工場を持っているとコストの壁を超えるのはとても難しいと思うんですが、私どもは、独自の技術を残したまま、しかも低価格で生産してくれる工場を探して作ることができます。それが一番の強みだと思っています。」

人材と製品を育てながら着実に将来への種まきを

海外のニーズや価格帯に合わせた製品を掲載し、アリババ経由の問い合わせも増えてきた同社。まだ大型受注に結びついているわけではないが、今は将来のための種まきの時期だという。

「私たちのお客様であるプラントメーカーも今海外進出を必死に進めているはずです。それについていける力を今のうちから蓄える必要があると思っています。」

海外へ向けての取り組み、中でも人材については一朝一夕で育つものではない。

さらに三浦半島の先に位置する同社は採用面では地理的に不利だ。新しく海外事業向けの人材を採用するのではなく、今いる従業員に海外でさまざまな経験をさせ、取引を重ねていく中で徐々に育成していきたいと林常務は語る。

また社内には英語のできるパートの方が複数人いる。フルタイムではなかなか採用できなくても、子育て中でフルタイムは働けない優秀な人材がパートなら採用できる。海外人材の育成と優秀なパート社員、その両方の人材を有効活用して、着実に成長に向かっている。

環境技術で世界のゴミ問題を解決する。株式会社ヘリオス

「アリババのサイトは始めた2015年からは大きく変わったと思います。始めたころは安価なものから高価なものまでごちゃごちゃ掲載していたのが、デザインの自由度も増し、プロモーションしたい製品や特長をより力強くPRできるサイトに変わっていっている。
自社の商品力の強化はもちろん着実に進めていきますが、製品の見せ方や表現は比較的短期で簡単に変えられると思います。そういったいわゆるマーケティングの部分を今後考えて挑戦していきたいなと考えています。」

環境技術で世界のゴミ問題を解決する。株式会社ヘリオス

株式会社ヘリオス
http://helios-inc.co.jp/

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