Alibaba.com 成功企業に聞く
創業100周年までに海外売上10億を目指す(株式会社エムテートリマツ)
洋食器や刃物などの金属加工で世界的に評価される製品を多く生み出す町、新潟県燕三条。株式会社エムテートリマツは燕三条で作られる業務用厨房用品を中心に卸販売を行う会社だ。創業は昭和12年と80年続く老舗企業である。
社長の鳥部一誠氏は三代目。 リーマンショック後、売上が最悪のときに社長に就任した。当時海外への取り組みはほとんどなく、貿易会社に卸している程度。海外との取引をするノウハウもなければ、人材もいなかった。
これからは中小企業も海外に出るべきだと、まずシンガポールの展示会に2回出展する。展示会での引き合いは多かったが、条件の折り合いがつかず、取引には発展しなかった。コストがかかったわりに成果が出ないという結果だったが、可能性は強く感じたという。
海外の手応えを感じた社長は、海外に出るための別の手段としてAlibaba.comの出展を考える。展示会出展で、海外進出には費用がかかると充分理解していたため、費用的に安いと感じ、出展を決めた。
利用開始した年は1ドル=88円の円高で、なかなか有効な問合せが来なかったが、燕産の製品でOEMの商談が成立した。それを皮切りにリピーターが増え、現在は20社以上のリピートバイヤーと継続的に取引を行っている。
リピートバイヤーを増やすために工夫しているのは「当たり前のことを当たり前にやる」こと。問い合わせに対して的確に迅速に回答する、相手に不安を与えないなど、国内できちんとやっていることを、海外バイヤーとの商談でも行った。
また迅速に回答を行うために、取引についてのルールを社内で明確に決めている。Allibaba.comでの交渉を担う担当者が、ルールに則って判断し、回答を即返信している。ルールを決めることで、社長が関わらなくても商談が決まるため、インターネットでの海外展開は圧倒的に効率的だと感じている。
決済についても、バイヤーが小さな企業だからこそすべて取引は前払い。売掛はしないという方針を貫いているため、未回収のリスクもなく、社長としても不安材料はまったくないそうだ。
業績は国内も含め順調に伸びている。2017年1月には新社屋を建設し、7か所にあった倉庫を一括に集約。効率化を図りさらなる飛躍を目指す。創立80周年を迎えた同社では、「100周年に総売上100億、海外売上10億」を目標にしている。
まだまだ課題は多く、海外売上10億は簡単なことではない、と言う鳥部社長。詳しくは秘密だそうが、次に打つ手はすでに準備しているようだ。
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