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  • 2021.11.19

SDGsで儲けるために大切なこと

SDGsで儲けるために大切なこと

東京オリンピック・パラリンピック2020が終わり、私の活動エリアである関西圏では、2025年に開催が計画されている2025年大阪・関西万博への機運が高まりつつあります。
次の万博のメインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」と設定されており、多様性と包摂性のある社会を実現することを究極の目的としています。つまり、SDGsの考え方と合致しているわけです。そして、開催意義の中にも「SDGs達成・SDGs+beyondへの飛躍の機会」としっかりと記載があり、SDGsの達成にとどまらず、その先に向けた姿が今回の万博の中で示されることも期待されています。

会場は、一地方都市である関西圏での開催になっていますが、世界の持続的発展に対する日本の発信力・行動力が試されています。また、その経済効果についてもアフターコロナの目玉として経済界からも期待されています。この新しい潮流をビジネスチャンスとするために、私たちも取り残されないようしっかりとキャッチアップしていきましょう。

SDGsとは

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称です。日本語では、「持続可能な開発目標」と表記されます。具体的には、「誰一人取り残さない取り組みによって(leave no one behind)持続可能でよりよい社会の実現を目指しましょう」という国連ですべての加盟国が合意した世界共通の目標のことです。日本も韓国も中国もアメリカも賛同している世界的なテーマなのです。そして、2030年を達成年限とし、17のゴールと169のターゲットが設定されています。中には、なかなか両立が困難なトレードオフ関係にあるターゲットもたくさんありますが、これをイノベーション創出の機会とすることが期待されています。

意外かもしれませんが、すでに国内の中小企業でも先行して取り組んでいる事業者がおり、先行事例もたくさんあります。SDGsは世界の共通言語のため、横文字や難しい言葉が多く、とっつきにくい側面も否定できませんが、日本に昔からある「三方よし」などお互いさまの文化の考え方に近いものが根本にあるので、中身をよく知ると「そんなことならずっとやって来てるよ」とおっしゃる事業者さんも多いのがこのSDGsの特徴です。

SDGsで儲けるために大切なこと

出所:国際連合広報センター ホームページより

バックキャスティング思考を手に入れましょう

SDGsでは、目標(17のゴール)を達成した状態から逆算して今やるべきことを考えるというやり方が要求されています。つまり、これは、事業経営と同じ思考回路になっています。
経営においても同様に、達成したい高い目標を掲げ、その達成に必要な経営理念、組織、人事、マーケティング、開発や生産、財務などの各機能別戦略を立て、実行しているはずです。

と言っても、「当社ではまだそこまでに至っていなくて・・・」という状態の企業が多いのではないでしょうか?しかし心配は無用です。なぜなら、まだほとんどの中小企業が同じ状態だからです。一歩先んじるためにも、ここは逆転の発想で、SDGsに取り組むことを通じて、ビジネスチャンスをつかむとともに自社の経営スタイルを変革する機会ととらえてはいかがでしょうか?

例えば、営業の場面で考えてみましょう。
Aさんは、13件のクライアントを訪問しています。成約率が33%だと仮定すると11件、月間20件の成約が限界だと考えています。これが、「フォアキャスティング」のアプロ―チです。一方「バックキャスティング」では、仮に、月間100件の成約をゴールと設定します。それを達成するために現状から考えると、115件の商談が必要になります。

Aさんは、ここで、今までと同じ方法では無理だと気づきます。自分の分身を作って組織化を進めるか?それともオンライン商談に切り替えて移動時間を節約するか?はたまた、顧客に集まってもらいセミナー形式で商談を行うか?など、これまで考えることもなかったいろいろな方法に思いを巡らせることになるでしょう。このようにSDGsでは、ゴールから逆算して現状の取り組みを見直す手法が推奨されています。これは、私たちのビジネスにも取り入れるべき考え方です。

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“インサイドアウト”から“アウトサイドイン”
というアプローチ

SDGsでは、これまでの方法では解決できなかった課題に対してイノベーションを起こすための取り組みとして「アウトサイドイン」というアプローチを活用します。これは、自分の外部にある問題や課題を起点にして(中心に考えて)自分たちに変革(イノベーション)を起こし、問題自体を無くしてしまえるほどの解決策を考えるやり方です。一方で、「インサイドアウト」は、自分たちのできる方法で(変革はせず)解決できそうな問題や課題にだけ着手するアプローチです。当たり前ですが、すぐに限界や壁にぶち当たり、解決できる範囲が小さくなってしまいます。

SDGsが取り扱っている問題は、それぞれがトレードオフの関係にあるものばかりで、複雑に入り組んでいます。そのため、「自社にできることからやる」といった従来の考え方では、大きな問題解決は到底できないと考えられています。

例えば、開発の場面で考えてみましょう。
Bさんは、自社の技術を活かせる新商品を検討していますが、他社がすでに先行していたり、後発の大手に真似されないような新規性のあるアイデアを発想できずに苦しんでいました。これは、「自社の技術ありき」のインサイドアウトの限界です。一方でアウトサイドインのアプローチでは、先に解決すべき社会課題を選定し、自社の技術を少しでも活用した解決ができないか?と考えるため、始めから単独での解決策ではなく、「不足の技術はどうやって開発しようか?どこから調達しようか?どこの企業と連携して解決するか?」などと自社だけではない新しい技術開発や座組が生まれやすいのです。

このようにSDGsでは、これまでのように自分たちの強みを活かせる市場を探すだけではなく、市場から必要とされている能力を他者も巻き込んで作り出す手法が推奨されています。これは、私たちのビジネスにイノベーションを起こすためにも取り入れるべき考え方です。

SDGs活動をブランディングに取り入れた老舗企業の事例

例)虎屋本舗:https://www.tora-ya.co.jp/sdgs

虎屋本舗は、広島県と岡山県で11店の店舗を展開するどら焼きが有名な老舗和洋菓子店です。同社は、地元イベントへの協賛やインターンシップの受け入れ、地域清掃活動などを積極的に取り組んでいました。具体的には、子どもや高齢者向けの「和菓子教室」や学校での教育活動などを通じて子どもたちを商品開発に巻き込む「瀬戸内和菓子キャラバン」などの取り組みを行っていました。その取り組みをSDGsと関連付けて発信することで、持続的成長を実現した事例です。

一連の取り組みを発信し始めたことをきっかけに地域住民からの共感を集め、急激に注目されるようになりました。それは、関係人口の増加につながり、新商品開発の原動力、マーケティング力へとなって成果に現れ始めました。一連の出来事を企業側のメリットという視点で見ると、高齢者や地元の子ども、生産者との協働で新商品が生まれたこと。この社会貢献的な事業運営を発信したことで大きな宣伝効果を得ることができたこと。そして地域から必要な存在とされることで企業価値の向上につながったこと。が、代表的なところです。しかし、この後も組織のモチベーションアップや良い人材の確保など、事業運営に計り知れないメリットが生まれそうです。

トップのコミットメントが重要

虎屋本舗のような社会貢献の取り組みをボトムアップや会議体でアイデア創出から実行、継続までを行うことは簡単なようでなかなかできることではありません。もっとも大切なことは、トップのコミットメントです。リーダー自らが先頭に立って、発言し、行動を変えるところが起点になります。まさにSDGsの成功は、リーダーのコミットメントに依存しているのです。

と言っても、忙しい経営者が一から十までやる必要はありません。「やろう!」という発信力、「いいね」「素晴らしいね」という認めて声をかける行動力、そして「頑張ってるね!いつもありがとう!」という賞賛力を維持し続けることさえできれば、どんどん進化し、成果に結びついていくはずです。まずは2~3名でよいので、「おもしろそうだ、何かやってみよう」というメンバーに権限を委譲して取り組んでもらうことが成功の秘訣です。

まとめ

本日は、最後までお読みいただきありがとうございました。今回は、SDGsを活用したビジネス収益力アップというテーマでお話ししてきました。持続的な取り組みとするためには収益化はとても大切な価値観です。しかし、収益化の視点は常に中長期的な自社の将来とうまくリンクさせるように留意してください。あまりにも近視眼的な視点でとらえるといわゆるSDGsウォッシュと呼ばれている、一見、社会課題に取り組んでいるようでいて、実は、単なる宣伝行為や売名行為になってしまいます。これでは消費者の共感を得ることはできません。

また、SDGsは、「国が決めたルールを守って、環境保護とかめんどくさいことをやらされる」取り組みではありません。それは全くの勘違いです。SDGsは、正面から取り組み、自社に取り込むことで儲かる取り組みなのです。今や経済もSDGsなくして語れない時期に来ています。
次回は、ぜひ、あなたのビジネスにご一緒させてください。

山本 哲也

山本 哲也

PROFILE

ライター、コンサルタント
2019年中小企業診断士登録。大阪府・兵庫県にて小規模事業者(特にサービス業)を専門的に支援。
(事業計画策定、新規事業開発、営業・販促、組織活性化など)
研修:公立大学非常勤講師、新人営業マン研修、管理職研修、商工会議所経営指導員向け研修など
執筆:専門誌、書籍、WEBなど多数

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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