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  • 2021.10.01

法人営業を戦略的に組み立てる

法人営業を戦略的に組み立てる

「商談相手から前向きなフィードバックをもらっている。しかし、契約までいたらず実績につながらない」このような経験はありませんか。営業で大切なのは対人関係と言われています。しかし、法人営業は対人関係だけでは実績につながりません。この記事では、法人営業を初めて担当する新入社員や、法人営業で思ったような成果が出せていない方に対し、BtoBにおけるビジネスの基本的性質をもとに、法人営業を戦略的に組み立てていく考え方を解説します。

BtoBにおけるビジネスの基本的性質

営業活動で重要なのは、顧客が購入までに至る意思決定プロセスを把握することです。ここでは、BtoBBtoCの意思決定プロセスを比較しながら、BtoBにおけるビジネスの基本性質を紐解いていきます。

法人営業を戦略的に組み立てる

BtoCでは、個人が感情的な意思決定をする中で購買活動がされています。例えば、小売店で「今なら3割引き」という広告をみた時、買う予定はなかったけれど「今買ったらお得かも」という感情が湧き出て、購入してしまうことがあると思います。この購買行動は、個人の一存で購入を決めている感情的な意思決定を表していると言えます。

一方、BtoBでは合理的・客観的な意思決定がされています。品質や価格、競合との比較、投資回収の算段などの多角的な点から組織的な判断がされています。法人営業マンは、顧客が合理的・客観的な意思決定を組織的にしているということを理解しておかなければなりません。

法人営業の戦略を組み立てるために必要な活動

実は、BtoCでもBtoBと同じような意思決定プロセスで購買活動がされている例があります。それは、車や家などの予算が大きな買い物です。ここでは、新車購入の事例をあげ、BtoBの意思決定プロセスの理解を深めてみましょう。

このような話を聞いたことはありますでしょうか。
ディーラーの営業マンが何度も男性と商談をしています。男性は新車購入に前向きな話しぶりですが、購入決定まで至りません。その理由は夫婦で来店されたときに分かりました。家計の財布は男性ではなく、奥様が握っており、最終決定権は奥様にあったのです。また、男性とは予算400万円で話をしていたが、実際には300万円でした。さらに、男性はSUVを希望していたが、実は来年にはお子さんが産まれる予定で、奥様はファミリー向けのワンボックスカーを購入したいことが分かりました。ディーラーの営業マンは、全く見当違いの商談を重ねていたことになります。要は、奥様を説得しないことには購入にいたらないということです。

このような失敗例は法人営業でもよくあります。何度も商談を重ね、話は盛り上がりますが、全く採用に結びつかず、時間とお金だけ浪費してしまったことはありませんか。
基本的ではありますが、営業活動の戦略は「誰に、何を、どのように」を最終的に組み立てていくことになります。それには、次にあげる3つのステップが必要です。

法人営業の戦略を組み立てる3ステップ

ステップ1:顧客の意思決定プロセスの理解
ステップ2:顧客の予算の把握
ステップ3:合理的な購買選択理由の構築と提示

ステップ1:顧客の意思決定プロセスの理解

まずは顧客の意思決定プロセスの見える化に取り組みましょう。企業の意思決定プロセスは社外秘、かつ、流動的なため、全貌を把握するのは大変です。顧客と商談を重ね、地道に情報を集めます。

特に意識したいことは決定権を持つキーマンの把握です。法人営業では、「キーマンは誰か」という議題が頻繁に挙がります。これは、組織的な意思決定がなされるBtoBビジネスにおいて非常に重要な観点です。キーマンの把握で厄介なのは、決定権は肩書だけで決まるわけでは無く、人間関係やその人の主張の強さなどによって流動的に移り変わることです。部長ではなく課長に実質的な決定権があることも多いです。肩書だけにとらわれず、社員同士のやりとりや人柄などを敏感に察知し、実質的な決定権を持つキーマンを探してください。

ステップ2:顧客の予算の把握

顧客が新たな設備やサービスを購入するには予算が必要です。顧客の予算は100万円なのに、1000万円規模の提案をしているようなケースでは採用にはつながりません。通常、役職が高い人ほど大きな予算を配分する決裁権を持っています。1000万円の設備やサービスを売り込みたければ、その規模の予算の決裁権を持っている人にアプローチしなければなりません。

予算を把握する上で確認すべきなのは次の2点です。
・どの役職の人がいくらの予算の決裁権を持っているか
・来期の予算を作成する時期

もし一定の予算を超える製品やサービスを売り込みたいのであれば、その金額規模の決裁権を持つ人につないでもらうか、目の前の商談相手から承認を得るよう動いてもらうしかありません。また、来期予算の作成時期を知っておくと、積極的に提案すべきタイミングが明確となり効率的に営業活動を進めることができます。

ステップ3:合理的な購買選択理由の構築と提示

顧客は、日々合理的な判断を迫られています。費用対効果を分析しながら、自社と競合他社と比較をして、最終的にどこから購入するか決めています。法人営業マンは、自社から購入する合理的な理由を顧客に対して意識的に提示し続ける必要があります。

一見難しそうに感じますが、これは普段の営業活動で実施していることです。顧客視点に立ち、自社の製品やサービスが競合他社よりも優れている点を理解してもらうことが、合理的な購買選択理由の提示となります。

見える化をして戦略を立てる

法人営業をしていく中で、意思決定プロセスに関する情報が集まってきたら次のように見える化をしてみましょう。

法人営業を戦略的に組み立てる

一連の意思決定プロセス、その関係者の力関係や人柄を組み込んで見える化をしていきます。この例では、キーマンはすべての情報が集まる商品開発担当と言えるでしょう。商品開発担当は、競合他社の営業マンと懇意にしているので、自社にとっては不利な状況です。その状況をどのように切り開いていくかがポイントとなりそうです。また、製造工場の意見が強く、商品開発担当はそれに従わざるを得ない状況の場合、製造工場を営業活動でフォローする必要が出てきます。他にも、200万円以内であれば商品開発担当に決裁権があることが分かれば、無駄のない営業活動ができます。

具体的な戦略はターゲットとなる企業によります。しかし、このような見える化をしておくと、「誰に、何を、どのように」という効果的な戦略を組み立てることができるでしょう。

法人営業は、対組織であるという認識

この記事では、法人営業を戦略的に組み立てるために必要なポイントを紹介しました。営業活動は人対人と言われていますが、法人営業では対組織という観点も忘れてはいけません。法人営業マンは俯瞰的な視点を持ち、目の前の商談相手の後ろには企業という組織体があり、その企業特有の意思決定プロセスが存在することを理解しておかなければなりません。なんとなく日々の営業活動をするのではなく、意思決定プロセスの見える化へ向けて意識的に情報収集を続けてみてください。実績へつなげる道筋が見えてくるはずです。

下司 健二郎

下司 健二郎

PROFILE

ライター、コンサルタント

埼玉県出身。東京大学大学院を修了後、日系大手食品メーカーに入社。入社後は、加工食品の研究開発に従事し、タイ駐在を経験。帰国後、新規事業の企画開発と販促を担当し、現在はタイ駐在の経験も生かして、アジアへの事業展開に携わっている。

2020年中小企業診断士登録。
製造業での幅広い現場経験をもとに、企業支援や執筆などを行っている。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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