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  • 2020.08.07

小規模から始める越境EC(輸出)ファーストステージの実務(第5回)

マネー編 海外決済について知っておきたいこと

マネー編 海外決済について知っておきたいこと

商品を販売したら代金を回収しなければなりません。取引先が海外の場合、地理的な距離により回収リスクが高くなります。代金回収時のトラブルを回避するために、相手国のカントリーリスク、取引先の信用リスクを念頭に置きながら、支払条件の詳細は売買契約締結時にしっかりと詰めます。
今回は海外取引における代金の決済方法をご案内します。いくつかの選択肢がありますので、みなさんのビジネスの特性にあった方法をお選びください。

1.銀行送金

1)T/T送金

セラー(輸出者)にとって、T/T送金(Telegraphic Transfer)と呼ばれる銀行を使った外貨送金はもっとも確実に代金を回収できる手段です。しかし、代金を支払う海外バイヤー(輸入者)の立場で考えると、代金を支払ったものの、商品が送られてこないリスクを感じ、T/T送金に難色を示す可能性もあります。その場合、一部を前金や後払金とするなど、支払条件に工夫が必要です。

T/T送金とは、電信(Cable)送信とも呼ばれ、国内の銀行振込とほぼ同じ感覚で使える支払方法です。支払者は自国の取引銀行(仕向銀行)に対してT/T送金を依頼すると、現金が実際に輸送されるのではなく、情報が電信で相手方の海外銀行(受取銀行)に伝わり、相手方は受取銀行から現金を引き出せる仕組みです。

銀行送金を利用するための手数料は、送金額によって異なりますが、一般的にやや高いと感じることがあるのではないでしょうか。その理由として、送金時だけでなく着金時にも手数料がかかることや場合によっては為替取扱手数料が必要となることなどが挙げられます。

仕向銀行と受取銀行(場合によってはさらに追加で経由銀行も)のそれぞれで掛かる手数料をバイヤーとセラーでどのように負担するのか、支払条件で明確にしておきましょう。

外国へのT/T送金の場合、以下の口座情報が必要となります。

SWIFT/BIC コード
SWIFT(スイフト)とは、国際銀行間金融通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial
Telecommunication)の略称であり、BICBank Identifier Codeの略称です。国際銀行コードのようなもので、相手方の銀行の国及び銀行名を表しています。

このコードの最初の4桁は銀行名を表しているのですが、例えば三菱UFJ銀行の場合「BOTKJPJT」となります。BOTKBank of Tokyo(三菱UFJ銀行の前身の東京銀行)であり、銀行業界の趨勢を思い起こさせます。

マネー編 海外決済について知っておきたいこと

電信送金の一例

IBANコード
IBAN(アイバン / International Bank Account Number)は英数字で構成されている統一規格のコード(最大34桁)です。相手の銀行口座の所在国、支店、口座番号を表しており、IBANを採用している主にヨーロッパの金融機関では送金の際、IBANコードの指定が必要となります。

CNAPSコード
CNAPSは、中国域内の決済システム(シナプス / China National Advanced Payment System)で使用される12桁のコードで、中国に人民元を送金する場合に必要となります。

2)信用状取引

バイヤーから前払をしてもらうことに合意が得られない場合、輸入者の取引銀行が開設する信用状L/C
Letter of Credit)を使った取引にすることで、代金回収を確実にすることができます。
信用状には「契約通りの商品の船積みを条件として、代金を支払うこと」が記載されています。発行銀行の支払確約がつくため、荷物を出荷・船積み後、直ちに支払を受けることができます。

この場合注意しなければならないのは、バイヤーの信用力ではなく支払を確約する銀行の信用力です。銀行が破綻しては支払を受けられません。L/C発行銀行の国際的な信用力が低い場合は、欧米や日本の大手銀行にL/Cの確認(Confirmation)を求めることがあります。またat sight(即時払い)やat XX days after sightXX日後払い)などの条件が付く場合もあります。

参考:JETRO 日本貿易振興機構
サイトトップ>国・地域別に見る>日本>貿易・投資相談Q&A>輸出>決済・金融・為替
https://www.jetro.go.jp/qatop/japan/qa/export/qa_category_07/

2.決済代行会社を利用する

規模が小さい取引や一度きりで繰り返し取引しないケース、また越境通販サイトを使った取引などの場合は、専門の決済代行会社を利用する場合が多くなっています。米ドルやユーロなど主要国通貨はもちろん、新興国通貨までも網羅する多通貨を自在に交換し、24時間支払や受取をすることができます。
またクレジットカードやデビットカード、電子マネーや小切手払いなどのバイヤーの複雑な支払い要求に対しても、決済代行会社や対応可能であれば、問題なく取引できます。個々のサービス提供会社との口座開設などの手間も不要であり、バイヤー・セラー双方のユーザーにとって利便性が高いです。

1)欧米系

PayPal https://www.paypal.com/jp/webapps/mpp/personal
PayPal(ペイパル)は、1998年設立にアメリカで創業したメールアカウントとインターネットを利用した決済サービスを提供する企業です。2002年にアメリカのeBay Inc.の子会社になり、基本決済手段となっていたので、eBay利用者はPayPalを使っていることが多いでしょう。200ヶ国で、3億人以上のユーザーが使用していると言われています。

PayPalには「買い手保護」制度が導入されており、約束通りの商品が届かない場合は、支払った代金を取り戻すことができるという点がユーザーに評価されているようです。

初期投資はゼロ円で、支払いの受け取り1件あたりに手数料がかかります。30万円以下の海外取引手数料は、バイヤーから受け取る支払額の4.1%+40円です。30万から100万円以下で、3.9%40円となります(取引金額の増加に応じて手数料は低下します)。またご自分の口座への入金時(日本円への円転換時)に2%程度の交換差損が発生します。もちろんクレジットカード他を紐づけることができるので、バイヤーからの決済受付もスムーズです。双方に言えることですが、カード情報や銀行口座などの重要情報がそのまま取引相手に伝わることはないので、初めての海外業者への取引も安心して行うことができるメリットがあります。

② その他
他に欧米系の企業としては、アメリカカルフォルニア州の企業であるStripe(アメリカ)https://stripe.com/jp2021年からeBayサイトの標準決済サービスとなることが発表されているAdyen(オランダ)https://www.adyen.com/ja_JPなどが著名です。

2) 中華系と国内系

①Alipay
Alipay(アリペイ / 支付宝)は、中国アリババグループが提供している決済サービスです。タオバオワン(淘宝网)の公式決済として設立しました。10億人以上のユーザーがいると言われており、中国の消費者に最も親しまれていると言われている決済方法ですので、中国向けの越境ECには欠かせません。

② その他中華系
他の中国系の決済サービスの会社としては、まず中国の中央銀行「中国人民銀行」主導で、国内外400以上の組織が加盟する「銀聯カード」で著名なUnionPay International 銀聯国際があります。中国国内のクレジットカードでは、「銀聯カード」は9割のシェアを誇り、世界累計発行枚数は50億枚を超え、取扱金額は約2兆ドルと言われます。またQRコードによるスマートフォン決済も市場に普及しており、代表的な企業としては、WeChat Pay微信支付などがあります。

③ 国内系
決済代行サービスを提供する会社は、国内企業でも多数あります。代表的なものを数社リストアップしていますが、それぞれ特色が有るので、自分のビジネスにとって使いやすい会社を利用しましょう。

・GMOペイメントゲートウェイ株式会社 https://www.gmo-pg.com/
・ソニーペイメントサービス株式会社 https://www.sonypaymentservices.jp/
・ヤマトフィナンシャル株式会社 https://www.yamatofinancial.jp/service/payment/index.html
・株式会社ユニヴァ・ペイキャスト https://www.univapay.com/

3.利用者への連絡

越境ECサイトを利用していれば、商品を購入いただいた利用者に対する連絡はサイトプラットフォームが用意した各種定型文があります。しかし、自社サイトや直接交渉して販売した場合は、ご自分の言葉で支払い方法を案内することもあるでしょう。その時に使える例文を以下にご案内します。

*銀行振込、クレジットカードまたはPayPalでの支払いを依頼する文章です。

Dear Sir/Madame,

Thank you very much for your purchase.
You can pay your order by International bank transfer, Online with your credit card or with PayPal.

1) Payment by International bank transfer:

Bank Name : 〇〇Bank, LTD.
Branch Name : Head Office
SWIFT or BIC : BOTKJPJT
Account Number : 123-1234567
Account Holder Name : EC shop Me
Reference: mention your order number
Possible costs for this transaction are to be paid by the buyer.

2) Online payment with www.CCC.com: (2,3% extra costs)

Click the following link to make a secure online payment via www.CCC.com
You can pay by Maestro, Mastercard, VISA, UnionPay
Attention: 2.5% cost is added

3) Payment with PayPal: (4% extra costs)

Click the following link to make an online PayPal payment:
Attention: 4% PayPal cost is added

We will ship within 2 business days from date of payment confirmed.
We will provide tracking number when shipment is done.

Best regards,

*Maestro(マエストロ)は、Mastercardによるオンラインデビットカードサービスで、海外ではかなり流通している決済手段のひとつです。ちなみにVISAカード系のデビットカードサービスはVISA Debitです。

自社の越境ECビジネスのステージによって必要となる決済方法は変わってくるでしょう。初期段階では、多少のコストがかかっても、手間やノウハウが不要で、お客様に利便性の高い決済会社を使うことをお勧めします。

打越 大輔

打越 大輔

株式会社プロデューサー・ハウス

PROFILE

大学卒業後、流通小売業3社で勤務。店舗運営から商品部バイヤー、人事総務まで幅広く担当。
日系企業での海外赴任や外資企業の日本市場における新規店舗開店、会社更生法による店舗閉鎖まで幅広く経験。
2012年より海外通販業を創業し、現在も継続中。2019年中小企業診断士登録。
企業経験や創業経験を活かし、専門家派遣・補助金申請サポートなど企業診断や講師業・執筆業を行っている。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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