MENU
  1. TOP
  2. Alibaba JAPAN PRESS
  3. 強みを生かすと会社が伸びる!知的資産経営とは?
  • 2020.07.03

強みを生かすと会社が伸びる!知的資産経営とは?

強みを生かすと会社が伸びる!知的資産経営とは?

人は誰でも、良いところを褒めて伸ばすといきいきと成長するものです。会社も同様で、長所を生かした経営を行う会社にはキラリと光る独自性があり、逆風の中でも生き残ることができます。

強みに着目する経営手法の1つに、「知的資産経営」というものがあるのをご存じでしょうか?筆者の周りでも中小企業に知的資産経営を導入したところ、業績が伸びた、赤字からV字回復を果たした、という事例が多数ありますので、今回ご紹介します。

知的資産経営とは?導入の効果は?

知的資産経営とは、会社が持つ目に見えない経営資源に着目し、真の強みを見出し有効活用することで、会社を伸ばしていく経営手法です。「知的資産」という言葉は、特許などの「知的財産」と一見似ていますが、より広い概念です。組織力、人材、技術、経営理念、顧客とのネットワークなど、財務諸表には表れてこない、目に見えにくい経営資源の総称を指します。数字には表れない隠れた強みが、実は企業の競争力の源泉となっていることが多いのです。

知的資産経営は、4つのステップで新戦略の計画策定までを行います。

ステップ1:強みを発見し、評価する。
ステップ2:強みの活用方法を検討する。
ステップ3:実現可能な活用方法を絞り込む。
ステップ4:具体的な実施計画を作る。

会社の強みにスポットライトを当てて戦略を作っていくことで様々なメリットが期待できますが、代表的な3つのメリットをご紹介します。

(1)売上と収益性がアップする
他社には真似のできない自社の強みを生かした戦略を実行するため、商品・サービスの差別化ができ、売上が拡大します。また、価値創造につながるような経営資源を見極めて適切な配分を行うことで、収益性が向上します。

(2)従業員のモチベーションが向上する
自社の強みを見出すプロセスで「自分の会社にはこんな強みがあるんだ」という気付きや誇りが生まれ、モチベーションが向上します。自社の強みを見える化できるため、優秀な人材を採用しやすくなる効果も期待できます。

(3)資金調達が容易になる
企業の将来性や信頼度を金融機関や投資家にアピールすることで良好な関係を構築できるようになり、資金調達がしやすくなります。

3つの強み、人的資産・構造資産・関係資産

目に見えない強みである知的資産は、大きく3種類に分かれます。

(1)人的資産
従業員のノウハウ、経験など、人についている資産が「人的資産」です。例えば、ベテラン作業員の熟練技術や、社員の高いモチベーション、社長の先見性や行動力などがこれにあたります。

(2)構造資産
会社内部に仕組みとして根付いている資産が「構造資産」です。人についているものではないため、従業員が退職しても残る強みです。例えば、社内システム、商品のブランド力、儲かるビジネスモデルなどがあてはまります。

(3)関係資産
企業の対外的関係に付随する資産が「関係資産」です。例えば、優良顧客を多数抱えている、海外に販路を有している、金融機関との関係性が良好といったことがあてはまります。

目に見えない強みは、中で働いている従業員からすると意外と気づかないもの。「当たり前」になっていることが、実は他社よりも優れている場合があるかもしれません。

強みを深掘りしてみよう

それでは、実際に知的資産を書き出してみましょう。
まず、自社の業務の流れをフロー図にします。一般的な製造業では、例えば「技術開発」「販促・営業」「見積・受注」「製造」「検品・出荷」といった図になります。フローの最後は「顧客提供価値」をゴールとし、「なぜ他社ではなく自社が選ばれているか」について、簡潔に書きます。

次に、それぞれの業務において、他社との差別化につながっている取組を書き出していきます。顧客提供価値に書いたこと、例えば「高品質な製品」、「顧客の要望にあわせた柔軟なカスタマイズ」、「短納期の実現」などは、必ず業務フローのどこかに工夫があるはずです。「他社よりも優れている理由は、なぜ?」という視点で、「なぜ、なぜ」と深掘りしていきます。勘の鋭い方は「バリューチェーンの考え方と似ているな」と気づかれたかもしれません。
一例として、筆者が以前担当した企業では以下のような図を書くことができました。

強みを生かすと会社が伸びる!知的資産経営とは?

この作業は、何人かでワークショップ形式で考えてみるのがおすすめです。製造部門、開発部門など様々な部門から人を集め、社員だけではなくアルバイトも含めて考えれば、様々な視点から強みを見つけることができます。参加者がポストイットに意見を書き、ホワイトボードや模造紙に貼り付けていく方法(KJ法)などを用いて、ワイワイガヤガヤ取り組んでみましょう。

また、ワークショップのファシリテーター役として中小企業診断士などの専門家についてもらえば、客観的に議論を整理することができます。

知的資産を生かした戦略を作り、
価値創造のストーリーを考える

自社の知的資産の棚卸しが済んだら、SWOT分析で内部環境・外部環境の状況を踏まえた今後のビジョンと、ビジョンの実現に向けた具体的な取組を考えます。そして、更なる価値創造に向けて、将来的に知的資産をどのように活用していくのかという「価値創造のストーリー」を作成します。

これらを一枚のシートにまとめたものが「事業価値を高める経営レポート」であり、自社の知的資産経営について、対外的に簡潔に説明することができます。「事業価値を高める経営レポート」には指定のフォーマットがあり、中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)のWEBサイトからダウンロードが可能です。

【事業価値を高める経営レポートのフォーマット】

強みを生かすと会社が伸びる!知的資産経営とは?

(出所:中小企業基盤整備機構「事業価値を高める経営レポート作成マニュアル改訂版」)

さらに詳しい内容について、一冊のレポート形式でまとめたものに「知的資産経営報告書」というものがあります。対外的に詳しく自社の経営方針を説明したいときに、企業のパンフレット代わりとして使用することができます。

知的資産経営で売上も収益もアップ!

知的資産経営を導入すると、従業員にとっては自分の会社の強みに改めて気づくことで、自分の仕事に誇りを持つことができ、モチベーションアップの効果があります。さらに、強みを生かした戦略を具体的に計画・実行することで、売上・収益の向上も期待できます。筆者の周囲でも、「会社全員で自社の強みを共有したことで、会社の雰囲気がポジティブに変わった」、「知的資産経営をきっかけに、定期的に現状を分析し、戦略を見直すミーティングを設けたところ、会社の結束力が高まり赤字から黒字へとV字回復を達成できた」という事例は数多くあります。

なお、強みは年々変化するため、知的資産経営は年に一度は見直しすることがおすすめです。定期的に自社の知的資産を確認し、顧客価値の創造につながっているか、他社との差別化に活かすことができているかについて、情報をアップデートしましょう。
知的資産経営を自社にも取り入れてみたい場合は、中小機構のWEBサイトに作成マニュアルが紹介されています。各都道府県に設置されている無料の経営相談所である「よろず支援拠点」に相談してみるのもよいでしょう。

強みを生かすと会社はぐんぐん伸びるもの。目に見えない強みである「知的資産」を意識した経営や営業活動を、皆様の会社にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考資料:中小企業基盤整備機構「事業価値を高める経営レポート作成マニュアル改訂版」

川瀬 朋子

川瀬 朋子

株式会社プロデューサー・ハウス

PROFILE

ライター、コンサルタント
1983年生まれ、千葉県出身。
2006年大手小売企業に入社以来、食品部門にて店舗開発・バイイング業務、経営企画部門にて組織改正・企業理念・財務企画に従事。
2019年中小企業診断士登録。
小売業での現場経験と経営的知見を生かし、雑誌・書籍執筆や企業支援に携わる。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

SHARE

おすすめ記事

強みを生かすと会社が伸びる!知的資産経営とは?

2020.07.03

強みを生かすと会社が伸びる!知的資産経営とは?

中小企業経営者の心強い味方!経営の専門家「支援機関」を利用しよう

2020.06.23

中小企業経営者の心強い味方!経営の専門家「支援機関」を利用しよう

世界が激変する今、ビジネスモデルを見直そう

2020.06.09

世界が激変する今、ビジネスモデルを見直そう

資料のご請求や
お問い合わせはこちら