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  • 2020.06.09

世界が激変する今、ビジネスモデルを見直そう

世界が激変する今、ビジネスモデルを見直そう

新型コロナウイルスの世界的流行により、多くの企業が経営に打撃を受けています。特に中小企業に対する向かい風は強く、仕入先や協力工場の稼働停止などで生産がストップしたり、売上が急激に落ち込んだりと、サプライチェーンへの影響は深刻です。今まで当たり前に機能していたビジネスモデルが揺らぎ、パラダイムシフトの真っ只中にいると言えます。

このような非常事態である今だからこそ、いったん落ち着いて立ち止まり、自社の今後の戦略を考えるチャンスです。リーマンショックの時も、激変する環境下で危機を乗り越えてきた企業が生き残り、成長してきました。今回の記事では、今後のビジネスモデルを考えるヒントとなる内容をお届けします。

SWOT分析+ターゲティングで、会社の今と未来を考える

今後のビジネスモデルの手がかりを見つけるにあたり、オーソドックスな方法として「SWOT分析+ターゲティング」というフレームワークがあります。

世界が激変する今、ビジネスモデルを見直そう

SWOT分析は、外部環境である「機会」と「脅威」、内部環境である「強み」と「弱み」の4つの切り口から、自社の現状を分析するためのフレームワーク。自分だけで考えてもいいのですが、できれば何人かのグループを作ってブレーンストーミングをしてみましょう。製造部門、開発部門、営業部門など、様々な部門から人を集めれば多面的な意見を出すことができます。管理職だけではなく、現場の担当者やアルバイトの方に加わってもらうのもいいですね。参加者が自分の意見をポストイットに書き、ホワイトボードや模造紙に貼っていく方法がおすすめです。

SWOT分析で特に重要なのは「強み」と「機会」。経営資源に限りがある中小企業は、強みを生かして機会を捉える戦略(SO戦略)が有効です。自社の良いところを磨き上げ、大企業にはできない、かゆいところに手が届く製品を武器にすることで生き残ることができるのです。

「強み」を考える際は、自社の良いところや経営資源をできるだけ多くリストアップします。高い技術力やノウハウ、外部企業とのネットワーク、チームワークの良い組織風土、営業能力など、様々な切り口から考えてみましょう。
「機会」では、自社にとって好都合な外部環境を考えます。大いに参考になるのが、顧客からの要望や自社に寄せられる問い合わせの数々。今後の事業戦略を考える上でカギになる顧客ニーズが隠れています。「今までBtoBの製品しか製造していなかったが、BtoCの引き合いが増えてきた」などの情報は大きな手掛かりとなります。

SWOT分析で大まかな戦略を描いたら、次のステップとしてターゲティング戦略を考えます。ターゲットとする顧客は誰か、どのような製品を販売するのか、販売促進や販売チャネルをどうするか、顧客に対してどのような価値を提供できるのか。できるだけ細かく思い描いてみることで、事業戦略を具体化することができます。

新たなビジネスチャンスを得た企業の成功事例とは

ビジネスモデルを見直すことで新たなビジネスチャンスを得た中小企業の事例を、『2020年度版中小企業白書・小規模企業白書』からご紹介します。

カーテンレールなどのインテリア製品や業務用資材の加工・輸入販売を行っている、大阪府のある会社。もともとはカーテンフック、キーホルダーのリングなどの線材加工を行っていましたが、事業が伸び悩んでいました。後継者であった当時の社長のご子息は、米国に滞在していた経験から「日本でも欧米のように住宅に愛着を持ち、自身で手入れをする文化を根付かせたい」という思いを抱いており、「安く、手軽にDIYを楽しめる商材の提供」を思いつきました。そこで、手始めに台湾の建材メーカーから安くて品質の良い商材を最小ロットで輸入し、ウェブサイト上で販売したところ、すぐに完売。翌年には自社のオリジナルブランドを立ち上げ、カーテンレール以外にも壁紙や床材など、商材の取り扱い幅を広げていきました。

また、消費者との接点を増やすため、直営のカフェをオープン。食事を楽しみながら自社製品のインテリアを見たり、DIYを体験したりすることができるようにしたほか、SNS映えする空間とすることで口コミによる認知度アップを狙いました。さらに、大手家電量販店へのコンセプトショップの出店や、大手ハウスメーカーとのコラボで新築物件のプロデュースなども行っています。こうした取組みにより、町工場から世界中のユニークな内装材の卸売・販売も手掛ける企業に成長し、6名だった従業員は86名まで増加したそうです。 

この事例では、ビジネスモデルを「BtoB向けの線材の製造・加工」から「BtoC向けのインテリア商材の企画製造・卸売・販売」へとシフトすることに成功しています。その際、自社の強みとして「カーテン周りの線材の製造技術」、「インテリア関連の取引先ネットワーク」、「社長の先見性・行動力」などの経営資源を活かしています。そして、「安く、手軽にDIYを楽しみたい消費者のニーズ」、「インターネットで全国の消費者に販売できる可能性」を機会と捉え、新たなビジネスチャンスをつかみました。

さらに、大手家電量販店や大手ハウスメーカーとのコラボレーション、一般消費者と直接接点を持てるカフェの運営により、販売チャネルを拡大している点も見逃せません。特に、直接エンドユーザーの生の声が聞けるカフェやイベントは貴重なマーケティングの場であり、ビジネスのヒントが隠れていると言えます。コラボレーション相手の企業からも、消費者のニーズに関する情報が手に入ることでしょう。

専門家のアドバイスを受けて、次のビジネスのヒントを探そう

世界が激変する今、ビジネスモデルを見直そう

ビジネスモデルを考える際は、社内、社外の人と話をして情報を集めるほかにも、専門家からアドバイスを受ける方法もおすすめです。

例えば、中小企業庁のWEBサイト「ミラサポ では、中小企業診断士や税理士などが中小企業へのアドバイスを行う「専門家派遣」を行っています。「新しく事業を始めたいけど、何から手を付けていいかわからない」、「販路拡大の方法を考えたい」など、課題解決の第一歩に向けた相談に乗ってもらえます。派遣による相談は今年度2月末までの間に、原則3回まで無料で受けることができます。

また、民間の専門家によるサポートを受ける方法もあります。例えば、パラレルキャリア&フリーランス協会では、独立や副業で活躍している様々な専門的人材と、サポートを必要としている企業のマッチングサービスを受けることができます。

展示会に出展して顧客ニーズや最新情報を収集するのも有効です。中小機構が年1回開催している「新価値創造展 では、全国の中小企業・ベンチャー企業の出展者と幅広い業種の来場者とのビジネスマッチングが行われます。新製品の提案、既存製品の改善などのヒントが得られるほか、新事業のビジネスパートナーが見つかる事例もあるようです。出展できる業種は「生産技術、新素材、IoT、ロボット」、「健康、予防、医療、介護」、「環境、防災、社会・地域課題」に限定されていますが、当てはまる場合はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料:中小企業庁「2020年度版中小企業白書・小規模企業白書」

川瀬 朋子

川瀬 朋子

株式会社プロデューサー・ハウス

PROFILE

ライター、コンサルタント
1983年生まれ、千葉県出身。
2006年大手小売企業に入社以来、食品部門にて店舗開発・バイイング業務、経営企画部門にて組織改正・企業理念・財務企画に従事。
2019年中小企業診断士登録。
小売業での現場経験と経営的知見を生かし、雑誌・書籍執筆や企業支援に携わる。

お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

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