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  • 2020.01.17

世界で見つけた日本製品【エストニア編】

日本企業の進出も進む、
IT先進国エストニアの生活事情

日本企業の進出も進む、IT先進国エストニアの生活事情

フィンランドから30分の飛行で到着する小国、エストニアをご存知でしょうか。人口130万人、九州とほぼ同じ面積の小さな国でありながら、先進的な電子国家として注目を集めている国です。行政サービスの99%が電子化されており、全国民が所有するIDカードを使えば結婚、離婚、不動産取引以外のすべての手続きをオンラインで完結できるなど、世界に先駆けた仕組みを実現しています。

そんなデジタル化が進んだエストニアで暮らす人々はどのような製品に関心があるのでしょうか。現地在住の筆者が街中を眺めながら彼らのニーズを探ってみました。

首都タリンには日本企業の社屋も

首都タリンを歩いていると、日本の自動車、家電、ソフトウェアの大手メーカーの社屋が目に入ってきます。昨今のエストニアブームが到来する以前から、この国には日本の大手メーカーが参入しています。最近でも丸紅などグローバル企業の進出が報じられました。エストニアの市場規模は小さいものの、ヨーロッパ進出の足がかりとしてエストニアに進出する日本企業は多いようです。

エストニア国民の年齢分布は30〜60代が多い年齢構成になっていますが、日本同様、高齢化が徐々に進み、町では杖をついて独りで歩く高齢者の姿も目立ちます。日本の高齢者の姿と少し違うのは、高齢者でもスマホを手に持ち、積極的に使いこなしていること。さすが電子国家に暮らす人々だけあります。

高齢者が増えると需要が増えるのが医療施設。病院では、日本製の医療機器が導入されているのを見ることができます。エストニアは深刻な医療従事者不足のため、高品質な医療機器を導入し、効率化を図っています。また、医療においてもブロックチェーン技術を用いた電子化が進んでおり、個人の医療情報もIDに基づいて管理。病院の予約から薬の処方までIDカードひとつで行えるよう整備されています。

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寒い・暗い・暑いにニーズあり

エストニアはバルト三国の一国ですが、国連の正式な分類では北欧のカテゴリーに入る北国です。10月には早くも雪が降り始め、マイナス20度の真冬の日々が続き、人々は4月頃まで長く暗い冬を耐え忍びます。このような環境では家にこもる時間が必然的に長くなります。そこで、サバイバルとして非常に重要になるのが屋内での楽しみです。

例えば、Sudoku(数独)。あちこちのキオスクに並んでいます。
実は、エストニアはPISAの学力ランキングで欧州トップに選ばれたほど教育に力を注いでいる国です。頭を使うことが好きな国民性が反映されていますね。

またこの国の若者にとってゲームは欠かせません。テレビでは公用語のエストニア語で日本のゲームソフトが宣伝されており、その知名度は十分です。
さらに、小規模ながら定期的にアニメフェスティバルが開催されていたり、邦画が上映されていたり、私たちの想像以上に日本のサブカルチャーは現地に浸透しているようです。

このように冬は屋内で過ごす一方、夏は涼しく快適な日々を外で楽しめます。ただし、ここ最近は世界的な異常気象の影響か、北国エストニアでさえも30度を超える真夏日が続くようになり、扇風機やエアコンなど暑さを凌ぐグッズは店頭から売り切れるほど大人気です。現地住民は暑い夏にまだ免疫がないため、日本の暑さ対策グッズはその存在が知られれば需要がありそうです。

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女性を制する者がエストニアを制す

エストニアの大きな特徴がその男女比。世界的に珍しい女性が多い国です(女性100人に対して男性84人の割合)。バスに乗るとまるで女性専用車両にいるかのように女性比率が高いのを感じます。エストニアを市場に定めるならば、エストニア女性の傾向を研究したほうがいいかもしれません。

エストニア女性はヨーロッパ諸国の女性同様、オーガニック製品やエコ製品を好む傾向があります。オーガニック専門店では日本のお香が売られていました。ファッションにはそれほどこだわりがない人が多い印象ですが、夏になると年齢を問わず、明るめの華やかな柄のワンピースを着ている女性を多く見かけます。暗く厳しい冬を乗り切った喜びで明るい色の服を着たくなるのかもしれませんね。

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日本人在住者向けのサービスはニッチ

在住者の7割近くをエストニア人が占める傾向は10年間変わっていません。残りの3割近くはロシア人・ウクライナ人・フィンランド人で、移住者の多くは首都タリンに集中しています。

日本人を含めた東アジア人はかなり少ないですが、日本人の在住者数は徐々に増えています。日本人がエストニアで暮らす理由として挙げられるのが治安の良さと物価の安さです。エストニアは急速に発展していますが、北欧やその他西欧と比較するとまだまだ物価の安い国と言えます。それに追い風となりそうなのが2020年3月に導入予定のワーキングホリデービザの解禁です。情報感度の高い日本人の若者が今後増えるのではないでしょうか。

日本人在住者にとって貴重な存在が、日本人が運営するエストニア唯一の日本食料品専門店です。こちらでは、麺類、インスタント食品、味噌、ポン酢、焼きそばソース、カレールー、わさび、もち、スナック類と、幅広い種類の日本の食料品を購入でき、5ユーロで和食ランチも提供されています。

面白いところでは和風クレープ屋さんもあります。欧州で一般的なスイーツ系のクレープに加えて、ツナとレタスをはさんだボリュームたっぷりの和風クレープが売られており、日本人の好みに合う味付けとなっています。

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日本食もまだまだブルーオーシャン

エストニアの主食はじゃがいもと酸味の効いた黒パンです。首都タリンは港町のため魚介類も好んで食されています。国によっては捨てられてしまうイクラも、瓶に詰められて高級品として店頭に並んでいます。北国らしく乳製品の種類も豊富です。

エストニア産の食料品は国鳥のツバメマークが付いており、少し割高ながら地元の人々に好まれています。野菜などは輸入品が多いですが、そんな環境だからこそ出所がわかる安全なものを口に入れたいという意識が強いのかもしれません。

どのスーパーマーケットにもアジアコーナーがあり、日本の食料品が並んでいます。醤油、お酢、海苔、米、巻きす…。巻き寿司に関するものはどこのスーパーも一通り揃っています。タリンは他の欧州と比べても寿司屋が非常に多く、その定着ぶりが伺えます。
日本人が経営するラーメン屋やレストランも何店舗か存在します。日本を全面に打ち出したお店はまだまだ珍しいため、オープンしたときは地元ニュースで取り上げられるなど話題となりました。

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あえて今エストニアに進出する意味

エストニア進出のメリットは何と言ってもその参入障壁の低さでしょう。エストニアの電子国民(e-Residency)になって、日本にいながらリモートでエストニアの企業を運営するユニークな方法を提供するなど、海外からのビジネスを応援するエコシステムが充実しており、海外企業の進出に非常に寛容な風土を持っています。
ヨーロッパ進出におけるテストマーケティングを行う場としてエストニアが選ばれることも多く、エストニア進出に成功すれば他のEU諸国進出への道筋も見えてきます。

さらに、エストニアは高い経済成長率を維持しており、20年後には北欧フィンランドの生活水準に引けをとらないものになるとの試算もあります。今後、高品質なもののニーズが高まっていくにつれ、日本製品がより注目される可能性は十分あります。
欧州ビジネスの第一歩としてエストニア市場を検討してみてはいかがでしょうか。

佐渡 麻衣子

佐渡 麻衣子

現地在住翻訳者

PROFILE

1985年生まれ、神奈川県出身。
日本の大学で心理学を専攻した後、製薬会社等で翻訳の経験を積む。
2017年、ヘルスケアテクノロジー修士号を取得するためエストニアに移住。
卒業後もエストニアを拠点にしながらエストニアと北欧のクライアントを中心に複数の翻訳プロジェクトに携わる。
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