成長が期待される「ソーシャルギフト」市場。進化したサービスとは
手間が少なく気軽に送れるギフトとして注目される「ソーシャルギフト」。SNSのアカウントやメールアドレスだけで贈り物ができるメリットに加え、企業のファンを拡大させる戦略としても有望です。成長が見込まれるソーシャルギフトの市場動向と活用例を紹介していきます。
ソーシャルギフトとは
ソーシャルギフトは宅配や郵送などに必要な相手の情報がなくても、簡単に贈り物ができるシステムです。SNSやメール経由でギフトメッセージを受け取った側が、店舗で商品を入手したり、住所を入力して配達してもらったりすることができます。
矢野経済研究所が行った「ソーシャルギフト市場に関する調査(2017)」によると、2016年度のソーシャルギフト市場規模は前年度比171.7%の285億円と、著しい成長を見せています。成長の背景には、キャンペーンやプロモーションに活用する企業が増えていることが影響しています。ポイントの交換商品やギフト券発行といったものにかかる配送費や発行コスト、管理コストも削減できるため、企業にとってメリットの大きいサービスといえるでしょう。
2021年度には1310億円まで市場が拡大すると予測されており、ギフトの在り方に大きな影響を与えると考えられます。
参考:株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/press/index.php
注目のソーシャルギフトサービス3選
注目されるソーシャルギフトサービスを紹介しましょう。
●ギフトコ
ギフトコはNTTドコモが提供する、少額ギフトサービスです。美しいギフトカード画像とともに100円からのギフトを選び、LINEやFacebook、メールで送ります。スマホアプリを使えば、さらに簡単操作で完了できます。
受け取ったギフトは、コンビニや各種ショップで画面を見せて商品と交換できます。スターバックスなど人気店に対応しているので、遠く離れた友人にも喜んでもらえそうです。
●giftee
2011年からサービスを開始しているgifteeは、50万人を超える国内最大規模の会員数を誇ります。iPhone、Androidアプリではギフトを送るだけでなく、受け取ったギフトの管理機能も搭載しており、期限切れによる使い忘れを防止してくれます。
gifteeが当初から目指しているのは、”Send a Small Thank you”の浸透です。ドーナツやドリンク、ちょっとしたアイテムを、伝えたいことばを添えて思いついたその場でプレゼントできてしまうサービスです。
●cotoco
cotocoの特徴はそのユニークな品揃えの多さです。ソーシャルギフトでおなじみのアイスやドリンク、ドーナツに加えて、インスタントブックギフト券や、電子書籍のクーポンまで提供しています。
シーン別、ブランド別に選べるおすすめ商品から、気分にぴったりと合った贈り物ができます。東北の特産物も取り扱っており、控えめながら地域活性化にも貢献しています。
ソーシャルギフトの活用例
ソーシャルギフトを活用すれば、より手軽な販売促進が可能です。主な活用方法を紹介していきましょう。
●販促キャンペーンに活用
来店促進のための特典やポイントキャンペーンなどにソーシャルギフトサービスを活用すれば、より手軽に顧客にアプローチすることが可能です。在庫管理や配送にかかる手間やコストを削減できるほか、個人情報の取り扱いも最小限に抑えることが可能です。
●自社商品の認知度アップに活用
各社が提供しているソーシャルギフトサイトに自社商品を出品し、認知度をあげる方法です。ギフトをもらった人が気に入れば、さらに別の人に贈るといったケースも多いため、連鎖的な効果が期待できます。
また、商品の知名度を向上させるために、SNSで拡散してくれるインフルエンサーやメディア担当者に対してソーシャルギフトを贈るという手法を使っている企業もあります。これまでの広報活動よりも、幅広くアプローチできる上、実際に試してもらえる可能性が高いという利点があります。
ますます進化が見込まれる市場
ソーシャルギフトは、新しいギフトのかたちとして成長が見込まれている分野です。個人利用でも、企業利用でも、これまでにないメリットがあり人気も急上昇しています。サービス内容も進化を続けているので、今後の市場動向にますます注目が集まりそうです。
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