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  • 2018.01.09

日本の文化を世界へ輸出。老舗企業が挑戦した海外進出の事例

日本の文化を世界へ輸出。老舗企業が挑戦した海外進出の事例

日本には、創業100年を超える企業が多くあります。また、日本文化を継承し、広めていくために尽力している企業も少なくありません。一方で、日本国内では消費が伸びず、将来を考えて新たな販路=海外を視野に入れた経営に力を注いでいる企業も増えてきました。

ここでは、日本の文化を伝える老舗企業の海外展開の事例を紹介します。

日本最古の瓦メーカー「丸栄陶業」。職人技を武器にして海外進出

1801年に創業した丸栄陶業は、現在8代目の社長が経営する日本最古の瓦メーカーです。主に寺院で使用される瓦を製造し、国内トップシェアを誇っているほか、家庭用の瓦も扱うなど幅広い商品を取り揃えています。現在は、台湾や中国でも展開しており、他にも、オーストラリアやフィリピン、アメリカなどにも販売実績があり、展示会や博覧会にも積極的に出展しています。

丸栄陶業が海外で評価されているのは、圧倒的な技術力。瓦には、機械による自動化では対応しきれない部分があり、職人の技が最終的な品質を左右します。その部分に関して、他社の追随を許さない技術が生かされています。また、2013年には良質の瓦づくりに欠かせない粘土会社を獲得。質の高い原料を安定的に入手できるようになり、その地位を確固たるものにしました。

中国進出のきっかけは、大寺院から直接受けた数十万枚の瓦の注文。このときの対応と高い品質が話題となり、他の寺院からも注文が入ってくるようになりました。丸栄陶業の技術は海外でも求められるもの。今後は、さらに海外販路を拡大すべく注力しています。

衰退した伝統工芸の存続を願い、海外に販路を求めた「西山産業開発」

石川県内に古くからあった伝統工芸「牛首紬(うしくびつむぎ)」は、大島紬と並ぶ高品質な製品でしたが、一度は衰退。これを再興したのが、地元の建設業者だった西山産業開発です。しかし、ノウハウを譲り受け完全復活を果たしたものの、国内では安定した販路を確保することができませんでした。再度の苦境に立たされた同社は、海外に販路を求めることになりました。

2009年に、イタリアのジェトロミラノ展に出展。ここで、世界的なハイブランド「アルマーニ」のバイヤーに称賛されたことで自信を深め、本格的な海外展開に向け動き出します。

牛首紬は2匹の蚕がつくる玉繭からつくる独特の糸を使い、手作業で作る生地。この良さは残しつつ、洋装でも使える140㎝幅の生地を製造する技術を1年半かけて開発しています。これが2011年のパリコレで高級ファッションメーカーに採用されると、メンズ素材として注目を集めるようになり、海外販路を拡大するきっかけとなりました。

伝統を守るためには、時代や世界のニーズに合わせた対応が欠かせません。このバランス感覚が、これからの経営者に必要といえる事例でしょう。

文化とともに日本茶を海外輸出した「丸山海苔店」

1854年に海苔の問屋としてスタートした丸山海苔店は、現在では、日本トップクラスの海苔ブランドであるほか、日本茶の仕入れから販売までを一貫して行う企業です。

海外に展開しているのは日本茶で、2008年にフランス・パリに日本茶喫茶・茶葉の専門店「寿月堂」をオープンし、取引の足掛かりとしています。この店舗では、良質なお茶を提供するだけでなく、日本文化に親しめるような内装やイベントを企画。お茶を取り巻く日本文化も一緒に広めることで、独自性と信頼感を評価につなげ、販路拡大に成功した事例です。さらに、「日本文化の美しさと和の心」を伝える場として、寿月堂を銀座にもオープン。インバウンドにおいても、日本茶に触れられる場として人気を博しています。

今後は、さらに海外の販路を確保すべく、有機栽培にも挑戦中。これは、各国の農産物輸入基準をクリアするためのもので、成功の暁には、さらに多くの国で日本茶のファンを獲得することになるでしょう。

ニーズに合わせた革新で可能性が広がる

日本独自の文化は海外でも注目されることが多くあります。そのニーズをうまく汲むことができれば、海外展開の可能性も広がります。伝統産業は、旧来と同じことをしているだけでは未来につなげることが困難なケースが多く見られます。常に時代に合わせて革新する姿勢が、未来への可能性を生み出すのです。伝統産業こそ柔軟な対応で、海外に販路を求めるべきといえるでしょう。

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