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  • 2017.10.24

廃業寸前の危機からV字回復へ!2つの中小企業の取り組み事例

廃業寸前の危機からV字回復へ!2つの中小企業の取り組み事例

中小企業は大企業と比較して市場変化の影響を受けやすく、時代の流れに対応することが難しいといわれています。とくに地方の中小企業は、10年以上経営を存続させるのも容易ではないとされています。

市場縮小や後継者問題から廃業に追い込まれる中小企業が多いなか、独自の道を見出し、見事に回復を果たしている会社もあります。目覚ましいV字回復を成功させた、中小企業の取り組みを紹介していきます。

株式会社日吉屋

日吉屋は京都の地で160年続く、老舗の和傘製造業者です。町中で和服を滅多に見かけなくなった現代では、「和傘」自体を知らないという人も珍しくありません。同業者が次々と廃業していくなかで、京都でただ1件残っていたのが日吉屋です。

しかし江戸時代に創業した日吉屋も時代の波を受け、ついには廃業の危機に陥りました。新たな道を切り開いたのは、入り婿として5代目当主となった元公務員の西堀耕太郎氏でした。

和傘職人となった西堀氏は、和傘と光の相性の良さに気づき、照明器具にアレンジすることを思い立ちます。国内の展示場で自作の照明器具を披露したものの、結果は芳しいものではありませんでした。しかし、そこで出会った照明デザイナーと共同開発した「古都里(kotori)」が、2007年にグッドデザイン賞中小企業庁長官特別賞を受賞。伝統の技に新たな命が吹き込まれ、再び消費者に受け入れられることとなりました。

さらに国内市場での限界を感じた西堀氏は海外での可能性を求め、パリで開催されている「メゾン・エ・オブジェ」を皮切りに、ドイツの「アンビエンテ」「テンデス」、米国ニューヨークの「ICFF」、中国上海の「100%Design Shanhai2010」、イタリアの「ミラノサローネ」と、果敢に出展を続けていきました。

展開を進めるなかで海外のニーズを取り入れ、和傘の骨組みのみでできた可動式の照明器具「MOTO」の開発を行います。インテリア系の代理店を使い、積極的に営業を継続した結果、現在15か国を相手にBtoBを行い、年商の約10%を海外から得るまでとなっています。

旭酒造

大人気の名酒「獺祭」を生み出した山口県岩国市の旭酒造は、一時は杜氏たちから見放され、廃業寸前であったといいます。当時、旭酒造社長であった桜井博志氏はこの危機を乗り越えるため、杜氏に頼らない酒造りを開始します。

桜井氏は、それまで基本とされていた熟練者の経験と感覚に基づいた製造から、徹底したデータ収集による製法へと転換を図りました。ひたすら数値を集め続けることを繰り返すうちに、年間を通して最高級品質の酒を安定して生産できるようになっていきます。

「獺祭」の原料となっている山田錦は、耕作の難しい品種として知られています。桜井氏は「獺祭」製造の安定化のため、山田錦の生産農家をサポートするクラウドサービスの開発も行いました。土壌の湿度や気温を測定するセンサーを設置し、定点カメラによる観察などからデータ収集を続けました。科学的根拠に基づく米作りが可能となったことで、安定した収穫量の確保につながっていきます。「獺祭」のブームの陰には、こうした安定供給への努力と工夫の積み重ねがありました。

「圧倒的な負け」の状況を逆に転換の好機へと変えたことが、「獺祭」という日本有数の銘柄の誕生につながったのです。

市場の縮小や事業継承問題など、中小企業が直面する経営課題は数多く存在します。現状を嘆くだけで、上昇への手段を模索しなければ、そのまま廃業へと向かってしまいます。業績が悪化したときに何をするべきか、V字回復を実現させた先人の取り組みを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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