Alibaba.com 成功企業に聞く
揺るぎない信念が成約をつかむ(株式会社国分商会)

タイヤの再生利用ビジネスを展開する株式会社国分商会。収集してきたタイヤを選別した後、ボイラーの代替燃料用にタイヤを切断加工する「サーマルリサイクル」、歩道舗装材や人工芝のゴムチップ用に破砕加工する「マテリアルリサイクル」、中古タイヤとして再利用する「原型利用」の3つで、地球規模の環境保全を目指している。
資材置き場には、圧倒的な数と家庭用から重機にいたるまで様々な種類の使用済みタイヤが置かれており、その品質は、実際に訪問してきた海外のバイヤーにも高く評価されいる。
同社は、30年近くに渡り海外輸出を手掛け着実に売上を伸ばしていきた。だが、東アジア〜東南アジアのバイヤーが、中古タイヤの代わりに中国製の新品タイヤを買い付けるようになり、大きく出荷量が落ちた時期があった。これに危機感を感じ、24時間365日全世界からアクセスできるSNSや自社サイトを強化し、販路拡大を目指した。
しかし、SNSや自社サイトに力を入れてもなかなか海外からの受注数が増えない。そこで、Alibaba.comを導入したところ、自社サイトでは週に1、2件だった問合せが、驚くことにAlibaba.comでは初日にいきなり5件もの問い合わせが届いた。

問い合わせは増えたものの半年間、受注0の状態が続いた。精神的にも苦しい状態が続いたが自社サイトでは体感できない圧倒的な問い合わせ数と、自社製品の品質に対する自信があったため、絶対に受注が取れるという確信のようなものがあった。利用開始から半年後、マレーシアのバイヤーからの初受注を獲得し、試行錯誤しながらも、1年目は7,000万円、2年目は1億5,000万円と売上を伸ばしていった。
堅調な売上増加を続ける同社だが、意外なことに原型利用タイヤの輸出ビジネス以外の次なる一手を模索しているのだという。これまでの常識は、たとえ中古でも日本メーカーのニーズというのは確固たるものだったが、近年は新品の中国製タイヤの質が上がって来ており、その市場バランスが徐々に崩れ、同社にとっても頭を悩ます存在になっている。
そこで始めたのがチューブやタイヤを製造する時に出て来る端材の卸ビジネスや、タイヤとは完全に切り離した全く新しいビジネス。好調な時期だからこそ、新しいことにチャレンジして次の時代の会社の柱になるものを育てる動きをしている。
部署の垣根を超えて作り上げた商品提案力と、本音をぶつけ合いながらお互いが納得できるポイントに着地させる商談力。この二軸が株式会社国分商会の強みかもしれない。
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